そごうのバリアフリーあれやこれや

2階建てのトイレットペーパーホルダー。@横浜そごう。

他所だったら、「うっかり上に付けただろ!」って容赦なく突っ込むところだが、そごうは違うんだな。「介助者用と自分で使う用と、最初から考えたな。」と思っちゃう。なぜかというと。

「そごう」は、全国どこへ行ってもほぼ間違いなく「身体障害者向けのアクセシビリティ度」が、異常に高い。異常に高い、と言うのもヘンな褒め方だけどね。横浜は開業か1985年なのだが、この時代にすでに「車いす用トイレ」ができていた。横浜駅周辺では唯一の車いすユーザー用トイレだったらしい。このころ私は車いす使ってなかったから、聞き伝えの話だけどね。その後も、TOTOがマルチシートを開発したと同時に導入したし、ちょこちょこバージョンアップを繰り返している。便座の周りにカーテンが引けたり、外と通話ができるシステムがあったり、他では見かけないようなユニークな説場、人任せにしないで自分のアタマで考えた形跡のある設備が付いている。

偉い人の誰か身内にそういう人がいるんじゃないかな、と、私は密かに推察している。リードユーザーがいないと、ああまで徹底できないような気がする。

トイレに困った90年代は、ちょうどそごうがイケイケドンドンだった時代で、地方でトイレに困ったらそごうを探した。公立物件にはトイレがなかったり、あっても「長い便器」で、使い物にならなかったりしたが、そごうのトイレは確実に広くて手すり類の設備が適切に揃っていて、ついでに見たことのない、きっともっと重度の人が使うんだろうな的な、「当時の」最新鋭設備が付いていて、そごうがある都市は安心して行けた。

横浜に関して言えば、高島屋もルミネもつい最近大改修で建物の内部全取っ替えするまで、ヤケクソな車いす用トイレがあるだけだったもんね。93年開業のランドマークプラザですら、天然石張りで豪華だけど、機能的にはかなり悲惨だ。

とはいえ、何しろ80年代~90年代の設備だからね。確かに設備としてはいささか時代遅れ感がある。洗浄便座じゃないし、蛇口も阪神大震災前の型だしね。それでも、車いすユーザーが使うトイレの機能としてはイイ線行っているのは、最初の設計でちゃんと考えたからだろう。このトイレもちゃんとマルチシートがあって下ろしてきても車いすが動くのに妨げにならない。基本構造の段階でちゃんとできてれば、多少新しい設備が必要になっても適切に配置できる。

ランドマークプラザなんて、もぉ根本的にどうにもならないもんな。