さんまの姿焼き

ひとり暮らしをするようになって、できるようになったことのひとつがこれ。「丸の魚を食べること」。写真はサンマ。

一応、その筋の人が見ると、「なんで箸使えてんの!」と叫ばれる程度の上肢障害持ち。その筋のところで黙っているとフォークとスプーンが供されて、あれこれ世話を焼かれてしまう。

もともとお魚キライだったので、ひとり暮らしになったら魚なんか食べるもんか、と、思っていた。しかし、40年間の刷り込みって怖いもんで、献立のローテーションに魚入れないと不安になるんだ、これが。

さすがに姿焼きはやらないだろう、実家ではいつも骨が刺さって大騒ぎしてたし、危険だよね、という予想も裏切った。
実家で魚が出されても、母が手を出す間もなく大体剥いでしまい、「ひとり暮らしの力ってすごいねえ。」と、感心されていた。
私の母は、台所で私の魚を仕上げて出すほどマメではなかったが、ぶきっちょに食べ散らかす私を黙って見ていられるほどおおらかにはなりきれかったから、魚の解体は全く上達しなかった。そもそも魚キライだから、途中で「もうイヤ。」ゆうて投げてたし。

人間、一度は、独立してみた方がいいと思うよ。