国際福祉機器展2019 エピソード・ゼロ

友人に「オットーボック社の車椅子の試乗」頼まれて張り切ったよーのすけ。試乗をするなら、普段、肩にかけて持ち歩いている合切袋は邪魔だ。移乗するのに、鞄を重くしているカラクタと一緒に財布とスマホを車椅子に置きっぱにしたらダメだろうしな。と、コントローラに引っかけフックを付けて引っかけている手提げバッグに手帳とガラクタ、ウエストポーチに財布とスマホ、鍵、と、振り分けて、ポーチをボディバック風にかっこよく見える丈にあれこれ調節していたら、横でキッチン仕事しながら、眺めていたヘルパーが言った。

「はづきさんって、どうにかしようとして、いつもなにか工夫してるよね。そこが、私らがヘルパーに行っている、ほかの障害者と違うところなのよね。」

え、身体障害者って、普通そういうもんじゃないのか? 身体障害者の暮らしって、毎日が工夫の連続じゃん?

「はづきさんは、まず、どうにか工夫でなんとかできないか?って、考えてるでしょ。他の人はそうじゃないの。できないことはできない、って、障害者らしく育てられた人が多いの。」

ええええーっ!? 「障害者らしい」って、既存の障害をものともせず、打ち勝っていく人のことじゃないの? 確かに、立ちはだかる障害は全部なぎ払って進み、ついでに後進の行く手を平らかにしてくれるブルドーザー型の人は珍しいけど、小さいことでは皆そうするんじゃないの? 障害者ポルノの見過ぎか?私。

言われてみれば、確かに、できない、って前提でものを考えたことなかったよ。「難しい」っていうアドバイスは、めんどくさい失敗を少しでも回避して布陣するための情報の一つとして、相手が音をあげるくらい詳細にかつ分析的に聞くけど。したくないことを障害のせいにしてできないことにすることは多々ございますが。
言われてみて気がついた。したいのにできない、というのが理解できてないかもしれない。それが、「障害当事者」クビになった理由かも。

各種福祉機器展・DIY・アウトドア用品店etc…は、そのためのインスピレーションと素材を得るのに必須なのよ。なのに最近、福祉機器展から、そっち方面のネタが上がってこなくなっててさー。

蓋を開けてみれば、今年はオットーボックは出店なし。輸入代理店でどっか出てないか、と探したけれども出ていなかった。
オットーボックは乗れなかったが、ボディバック一つの身軽な身体にしたおかげで、試乗はひょいひょいできたけどね。試乗したくなる自操マシンの展示が減っているのが問題だよなあ。