実況中継「車いす製作プロジェクト2004」3

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ただいま業者選定選定中

8月20日 昨日は「うぅ、来週か」と思ったけれど、家を出るのは9時半。9時始まりの会社なら、仕事始まっているはずです。外出前に電話してみることにしました。「先日、車いすの件で電話したものですが」と言うと、ええと担当は…と言って出された名前というのが、国際福祉機器展2001で名刺をくれた人の名前。ここ、本当に車いす担当者、1人しかいないのね。

よーのすけもう7月にメールをお送りしたっきり、お返事もらってないんですけど。
営業マンええと、その、ネットの方が調子悪くて。じゃ、メールを探してお返事差し上げればいいでしょうか。
よーのすけそれでもいいですけどね。…車いすを作ろうと思っていた、そちらの車いすを候補に上げてるんです。2001年の福祉機器展では、あなたに説明して頂いてます。で、こちらの地域で作れる代理店を紹介して欲しいのですが。
営業マンすでに車いすはお使い…なんですね。今の車いすはどうやって作られたのですか。
よーのすけ地元の工房で、日新のパーツで組み立ててもらってます。ただ、そこがあまりアクティブな車いす作るの得意でないらしいので。前回、テキトーに作って失敗したので、今度はいくつか見てからと思いまして。
営業マンははあ。ものすごく急いで作る、と言うわけではないんですね。でしたら、10月の国際福祉機器展にも出ますから、そのときならもっと詳しく説明できますよ。とりあえず、いろいろなメーカーを扱っている業者さんを紹介できると思いますので、えーと、連絡先はメールでいただいているのですね、でしたら後ほどそちらへ連絡させて頂きます。

 大阪言葉で明るいお兄さんだった記憶があるんだけど、そのまんまやんけ。それにしても、よーのすけ、大阪人相手に話すると、なぜか受けるんだよな。この営業マンにも結構笑われてしまった。連絡とるのにひと月近くもかかってしまったけどね。最後は結局長距離電話。こういうとき、IP電話は安心してかけられるからありがたいです。何せ言語障害があるから、電話の時間は気が気でないのだ。

8月24日 代理店教えて、って頼んだだけなのに、まだなんかしらん。大阪−神奈川ってそんなに遠かったっけ、と、ぼつぼつイヤミなことを考え始めたら、メールが来ました。N社が取り扱っており、そこからよーのすけに直接連絡が行きますよ、とのことです。

8月25日 代理店のN社から電話が入りました。T社のデモ機が週末か来週の初めに入るので、そしたら電話しますとのこと。別にT社に限っているわけではないのですが、というと、取り扱っている車イスのカタログをいろいろそろえておいてくれることになりました。

先に別の代理店が…

9月15日 1ヶ月近く経ったのに、代理店までなしのつぶてだよ、おい怒。連絡先ちゃんと聞かなかった私も間抜けだけど。とはいうものの、こんなのんきな代理店とメーカーでは、アフターメンテがかなり不安です。
 そんなことを考えていた矢先、月に一度一緒に仕事をしている外資系の福祉総合企業であるアビリティーズケアネットの営業の方に、「お宅は、アクティブタイプの車イス、扱っていないんですか。」となんとなしに聞いてみました。よーのすけが所属している当事者団体のオフィスのと同じビルに、アビリティーズケアネットの店舗があるのですが、そこでは介護用品が主流で、アクティブな用品については、聞いてもはかばかしい返事が返ってこないのです。よーのすけがコドモの頃には、「まっとうな」装具と言えばアビリティーズケアネットの輸入品に決まっていたので、変だな、とは思ってました。ないはずはないよな、と。そしたらば、アビリティーズケアネットの営業氏、仕事仲間の顔から一転、商売人の顔になりまして。「アクティブタイプ車イスも、もちろん扱ってますけど、なんでですか? え?車イス作る? そりゃもう是非ウチのを。輸入品が中心ですので、価格はお高いですが、部品修理交換でやってけるので、ランニングコストはむしろいいと思いますよ。よーのすけさんの地域、僕は担当ではないのでダメですが、担当の者に連絡させますよ♪」♪が三つくらい付きそうな勢いの営業氏、この後、一緒のお仕事を一瞬忘れかけたのでした。

9月16日 さすがは三連符♪。翌朝にはもう我が家の電話が鳴り、サンプルと参考商品を持って、我が家に訪ねてくる段取りが決まってしまいました。

9月28日 約束を違えず、アビリティーズケアネットの車イス担当氏が、2台の車イスを持ってやってきました。きちんとメーカーと型番を聞くのを失念してしまったのですが、ドイツ製、Sopur Easy MaxとEasy 200と思われる車イスが2台です。
 超おすすめ、というEasy Maxは、みたところかなりごつ目のロングフレームタイプ。我が家の前の急坂を、かなりの安定感でずるずる上っていきます。ハンドリムがチタン製なので、当たりが柔らかくてとても快適です。予め一緒に仕事をしている営業氏から、かなり詳しい情報が行っているらしく、大体身体に合っている車イスを持ってきてくれていて、力も入れやすい。というか、今の車イスだとぶつかって「ええい、ウザい。」と思うところがぶつからない。「詳しい情報」といっても、「よーのすけさんて、これくらいの大きさでいいよね。」「はあ。」と、こんな程度のやりとりだよ。それでオーダーで作っているはずの車イスよりしっくり来る、というのがこれまたしゃくに障る。この超オススメ車イスに乗った後では、Easy 200は、それほどの感激もなく、「今のとあまり変わらないかな」という感想を身ってしまいましたが。
 さて、超オススメの方の車イスの仕様はと言いますと。
 なんと前出し7cm。CP(脳性マヒ)で、前出しする奴にはお目にかかったことはないけど、まあ、今回は1cmくらい付けてみようかな、とは思っていたのですが、まさかの7cm。

よーのすけあ、これは走りやすい。
営業氏キャンパー角が1度付いてます。タイヤも大きいですから、一漕ぎで進む距離がだいぶ違うはずです。それに前出ししてますからね。
よーのすけああ、前出しがあると軽くなるそうですね。1cmくらいですか。
営業氏これですか。かなり出てますよ。5cm… 7cm出てますね。
よーのすけえ、7cm!!。嘘でしょう。あの、私CPなんですよ。それじゃ、不安定にすぎるはず…。あれ? でもこの坂、ひっくり返り感が全くなかったですよ。こちらのデイリータイプは、ちょっとひっくり返り感がありましたけど。
営業氏こちらのデイリータイプは、前出し3cmしか付けてません。どうしてひっくり返り感がないかというと、車イスのクロスとクロスの間、自動車で言うところの車軸の距離が長いからなんです。
よーのすけあ、いわゆるロングフレームというのはこれですか。座った感じはわからなかったけど、ずいぶん違うものなんですね。

 しかし、最大の難関は自動車への積み込みです。車庫から自動車を少し出してスペースを確保し、積み込んでみます。仕事仲間の営業氏からは、モジュールの問題は重いこと。少なくとも今の車イスよりかはだいぶ重くなると言われていました。

 実際に持ち上げてみると、デイリータイプの方は、重いのは重いけれども、現在の派手派出車イスよりも、ぺちゃんこになるので、思いの外入れやすい。というか、自動車への積み込みに関しては、「重さ」だけが問題ではない、ということは言えます。
 残念だったのは、超オススメ車イス。畳んでも、いろいろオプションが付いているせいか、運転席と後部シートの間の隙間に全然収まらない。

営業氏重さですねえ。これ、今いろいろオプション付いてますんで、それを外してすっきりさせた状態で持ってきましょう。
よーのすけでも、そもそも幅が大きいのはどうにもなりませんよね。この漕ぎやすさはすごく魅力ですけれど。いや、今、関西の方のチタンだけで作っているメーカーにもコンタクトを取っているんですが、なしのつぶてでして。
営業氏それ、どこのメーカーですか。
よーのすけT社です。
営業氏(うー、と眉間に指を当ててから)、えーと、T社の関東代理店って、うちなんですよね。
よーのすけえっ。T社からはN社を紹介されたんですけど。
営業氏T社と聞いていたら、それも持ってくるんでしたのに。それじゃ、次回持ってきますよ。T社にも連絡取ります。あと、この車イスの調整も次回の宿題にさせてください。でも、T社は、調整できるところが少ないんですよね。ただ、今はご存じの通り、国際福祉機器展に総力挙げてますので、その後になるかもしれません。あ、でも国際福祉機器展来られるんですよね。でしたら、そのときにでも見て頂きましょうか。T社も来ますし。

 かくて、今年の国際福祉機器展は、間違いなく、よーのすけの車イスの商談の場になることが確定したのでありました。
 ちなみに2週間後、よーのすけ、先の営業氏と再度仕事をしたのですが、彼からも、国際福祉機器展で見てもらって検討しましょ、と言われた上、こちらがよーのすけさんの地域の事務を担当している者です、と紹介されて、一緒に仕事をしてしまったのでした。プライベートとお仕事がごっちゃになりつつある今日この頃。

さて、この2台の車イス共通の特徴です。

そして、これはオプションだと思いますが、Easy 200に付いていたものです。

というわけで、国際福祉機器展に続く。

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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[MailTo_ocean@mbc.nifty.com]