実況中継「車いす製作プロジェクト2004」7

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ソプールとティグとマツナガと

11月11日 OXは見たけれど、やっぱり松永製作所のMax Pleasure は魅力的です。2001年の国際福祉機器展で見たとき、「これだ」って思ったもんなあ。そして、ソプールの走破性も確かに魅力的。これが自動車にすんなり積まれるんなら、多少の重量とお値段の高さには目をつぶろう。

 持ってきてくれたのは、TIGのタイタンR、松永製作所のMax Pleasure α、Sopur Easy Max (だと思う)の3台。住宅街の道ばたで、車いす4台(自分のもあるからね)並べてわやわやしているのって、滅多にない光景ですからね。通りがかる人も車も、見ないふりして、興味津々なのが感じられます。サイズはいずれも座幅38センチ、24インチホイール。幅38センチでは大きすぎるから作り替えるのだと言ったのに。

ティグ タイタンR

 まずは、国際福祉機器展で見て、「これは、まあいいか。」と思ったティグのチタン。「あんまりよくなかった」と言ったのに、わざわざ持ってきてくれました。ティグのデモ機がなかなか来ず、何度も催促したのだとか。そのために遅くなったそうです。ひょっとして、ティグが紹介してくれたN社も、とうとうデモ機が来なくてそのまま忘れられたんじゃないだろうか。

 5センチの前出しモードで持ってきてくれたのですが、軽いけれどキャスターが浮きやすいです。「転倒防止、付けてないので。というか、このモデルは付かないもので。」と言う業者さんに後ろについてもらい、我が家の横の急坂を上ります。これだけ前輪が浮くのでは、力がかなりもったいない。この坂、上に行くほど勾配が急になる、という、車いす登坂実験にはもってこいの坂なのですが、現車いすよりも低い位置でギブアップ。一般道の走りぶりも、やはりちょっと心許ないです。

 自動車への積み込みは言うまでもなく簡単、と思ったらば、それは甘かったようです。軽いのは確かです。片手で持ち上がっちゃう。だけど、思いのほかおでぶでして、現車いすと幅はあまり変わりません。もう少し薄くなってくれると、車のシートを下げやすくなるので、それも希望してるんです。「軽けりゃ積みやすい」ってものでもないことを改めて認識しました。

松永製作所 マックスプレジャー・アルファ

 すごくミーハーな言い方だけど、この車いす、格好いいんですわ。よーのすけの好みとしては、OXより好きなんだよね。

 持ってきてくれたのは、ロングフレームで前出し2センチ。これも転倒防止が付かない(注)ので、「作るとしたら、下位機種のSSになるでしょうね。」設計のせいか、タイタンにせよαにしろ、現車いすよりだいぶ座面が広く感じます。だから、よけい肘が引っかかる。それでも登坂は現車いす並みには行けます。ロングフレームのせいか、安定感もあまり変わりません。でも、シートの奥行きは、よーのすけには余り気味。

 ロングフレームでキャストアップってどんなだろ? と思い、上げてみました。そしたら、あれ、よーのすけってば、キャストアップして止まってるよ。後ろに業者さんはいたけれど、多分この高さでは転倒するところまでは行っていないから、多分自力で止まってます。意外にコントロールしやすいかもしれないと思いました。

 この車いすの特徴は、畳むと見事にぺたんこになること。とても厚地の背クッションが入れてあるのですが、がんばればよーのすけでもサイドの両フレームを片手でつかめる程度に薄く畳まります。アームレストが外れてしまうのが難ですが、積み込みはかなりやりやすいです。

ソプール・イージーマックス

 アビリティーズケアネットお勧めのソプール。前回は自動車にそもそも入らなかったので、オプションを外し、転倒防止のみ装着の状態で持ってきてくれました。ティグ、松永に比べると、シート高が10センチ近く高くなってます。かなり下の方で漕ぐ感じになっていたので、「リムと腕の位置関係、ずいぶん違うようですけど、適正な位置ってどの辺なんでしょうねえ。」と聞くと、「いろいろ言われてますけどねえ。人によってかなり違うみたいですよ。」とのお答え。この位置関係は、普通の車いすよりだいぶ下で漕ぐ感じになっており、視点がえらく高くなっていて、人によっては怖く感じるかもしれないです。よーのすけとしては気分よかったけど。これくらい高さが確保できたらうれしいな。

 再度登坂をしてみました。するする安定して上ります。他の2機種では難しくなったところも簡単にクリア、それ以上は「見たところ経験的に無理」という勾配まで行けそうな雰囲気でしたが、調子に乗るのはやめて引き返して来ました。長距離を自力で移動すること考えると、確かにソプールはピカイチです。

 前回ためし忘れたキャストアップも実験しました。「あれ、上がらない。」 そもそも前輪を上げにくくなってます。Max Pleasureは、前輪が上がり安いとは思いませんでしたが、前輪を上げやすかった。Easy Naxは、前輪が上がりにくく、前輪を上げにくいようです。その場での小回りターンも、なんだか粘つくというか、遠心力に引っ張られる?感じで、きりっと回ることができません。「キャンバー角付けてませんからね。」とはおっしゃってましたが、まっすぐ走っているときの軽快感と、コマコマ動くときの粘っこさの差が、意外でした。

 このオプションだと、自動車に積めないこともない。というか、腹立つことに、現車いすよりスリムになってやがる。けれども、やっぱり重いことには変わりない。もちろん自力で積めますけどね。

4台整列。右にならえ。

フレーム長の違い?

 車いす。長距離移動ももちろんですが、狭こいところを縫って走る、ということももちろん重要です。パワー不足のよーのすけ、確かにしんどいのは長距離走る方で、悩ましいのはこっちの方です。小回りの方は、記憶に残るほど痛い目に遭ってないせいか、気づかなかったけど、今まで入れたところに入れなくなるのは困るような気がします。というわけで、車いす4台並べてみました。

 なんと、今乗っている車いすが一番長い。ソプールよりも長い。

 なんか、やんなっちゃいました。前後輪間隔の長さは、さすがにソプールが最長でしたけど。

座面高さの調整

 Max Pleasureもあきらめがつかないよーのすけ。も一度乗ってみます。それにしても、肘がアームパイプに当たります。それに、リムとの距離が短すぎる気がします。よーのすけ、確かに体格に比べて腕が長いということはありますが。

よーのすけ座面高さって調整できないんですかねえ。
営業氏ソプールはどうにでもなります。ティグはダメですね。松永はαは出来ませんけど、SSならいけますね。
よーのすけなんか、アームパイプが高すぎる気がするんですけど。
営業氏ありゃ。確かに。肘が鋭角になっちゃってますよ。やっぱり降ろして乗せたとき直角にならないと…。ソプールは、この通り、サイドパネルの高さも自由に変わるんですけど、Max Plreasureはリベット止めになってますからね。座面の高さを変えても、サイドも一緒に動いちゃいますから。
そうですねえ。コンパクトさと調整の可能性。はづきさんの優先順位考えたら、やっぱりOXが一番いいのかもしれませんね。

 東京を越えて2度も我が家まで足を運んでくれたアビリティーズケアネットさん。どうもありがとうございました。

 そうです。代理店の遠さも、ちょっと気になっていたのでした。OXのフランチャイズ店は、家から車でせいぜい40分の距離。何かあったときのこと考えると、やっぱり近い方が…と考えてしまいます。

やはり、OXだな

 やはりOXになっちゃったなあ、なんか当サイトOXの回し者みたいになるなあ、と思っていたところ、電話がリーンと鳴りました。

営業氏もしもーし。OXエンジニアリングですけど。どうなりましたあ。
よーのすけ(早ぁ〜。よくもまあ覚えてて。装具業者とは思えん。)えーと、結局、OXにすることにしました。
営業氏お、ありがとうございます。では、役所に行って書類を作ってもらってください。それでお医者さんに予約を取ってください。
よーのすけ判定会の判定方が、その場で県の役人が処分してくれるから早いって聞いたんですが。
営業氏巡回の判定会ですね。んー。すいません。今月の判定会の日、予定が入っちゃってるんですよ。そちらの都合のいい日…。再来週の…ですか。いいです。その日空けときますから、予約取れたらご連絡ください。



: 転倒防止は、Max Pleasure全車種に装備できます。業者さんかよーのすけのどちらかが勘違いしたようです。

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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[MailTo_ocean@mbc.nifty.com]