「車いす製作プロジェクト2004」1

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 ぼちぼち進む車いす製作プロジェクトです。壊れてあわてて作った前回と違って、今回は落ち着いて作っていく予定です。長丁場になりそうなので、自分の覚えも兼ねて実況中継をお届けします。

 あまり好ましくない情報や、「あったまに来た」話なども出てくると思われますので、中継中は固有名詞はイニシャルのみ表記といたします。できあがって後、実名表記にする予定です。

5年未満で車いすを新調できるのか?

車いすの耐用年数は5年に設定されています。とはいえ、肘をすりむく車いす。今まで、「車いすとは肘をすりむくもんだ。」と思いこんで使っていただけだったわけだし、行政の勧めるままに採用した業者で作った結果がコレなんだから、「身体に合わない」と言ったら何とかしてくれないやろか。

 前回製作したときは、車いすユーザーの知り合いはおらず、当サイトも立ち上げたばかりで常連客もおらず、孤軍奮闘、右も左もわからない、持っている情報は10年前のもの、という、かなりナサケナイ状態でしたが、今回は違います。「とりあえず福祉課に行っといで。」と、車いすユーザーの友人たちに言われ、福祉課に相談に行きました。こんなサイトを立ち上げているくせに、装具給付のため、自分で福祉課に足を運ぶのは、実は初めてだったりします。

福祉課へ

7月8日 福祉課訪問。ケースワーカーとのやりとり。

よーのすけどうも、車いすが身体に合っていないらしいので、車いす作り直したいのですが。前回作ってから、5年経過していないのですが、給付は可能でしょうか。
ワーカー体型変わられたんですか。
よーのすけそういうわけではないんですが。というより、もともと身体に合っていなかったみたいで。最近単独で出かけることが増えたし、もう少し使いやすくしたいんですけど。
ワーカーそれは…? OXエンジニアリングですか。
よーのすけいいえ。これは、お宅で勧められたK義肢製作所の…。(まったくもう、色つき車いすと見るとOXエンジニアリング?なんだから。)
ワーカーあ、あそこは、活動的な車いすは専門じゃないですからネ。無理はないです。ええと、月に一度、県の方の判定が巡回で来ているんで、それで判定もらわなければならないんですよ。申請書類をお作りしますので、これを持って行ってください。
よーのすけちょ、ちょっと待ってください。今回は、別の業者を使いたいんですけど。
ワーカーいいですよ。判定会に来てもらってください。
よーのすけいや、ですから。業者選定の大切さを痛感したので、今回は、ゆっくり業者を選定してからと思いまして。今日は、前に作ってから5年経っていないので、それでも給付して頂けるかどうか相談に上がっただけなんですが。
ワーカー車いすなんて、ちゃんと使う人は5年もたないですし、生活変われば車いす変わるの当たり前ですから、5年は目安にすぎませんからね。はづきさんの場合、この春から活動の場所が変わってますし、実際車いすが体型に合ってないとおっしゃるんでしたら、大丈夫でしょう。前回はどうしてましたっけ…? あ、I先生のところで判定してもらってますね。じゃ、判定会じゃなくて医師判定にしましょう。それだったら好きなときに行けますからね。これから業者探しで2ヶ月かかるとして、そうするとちょうど丸4年経過になりますから、ま、出るでしょう。電話くだされば申込書作っておきますから。

 …ちょっと待て。ここは確かに役所で福祉課だよな。いつから福祉課ってこんなに物わかりがよくなったんだ? というか、こんなにまっとうな正論を言えるようになったんだ?

 89年に、チタンの車いすを作ったときの不毛なやりとりに嫌気がさして、10年間ほったらかしていたうちに、世間は変わったらしい。思いっきりの拍子抜けです。00年に今の車いすを作るときも、それ考えると面倒で、出入りの業者に発注してしまったわけですが、もっと余裕を持って勉強して作れば、あんまり不毛な対決をせずにまともな車いすが出来たのかもしれません。

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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[MailTo_ocean@mbc.nifty.com]