りすさんの車いす製作レポート-6

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投稿日:2003/12/20

進捗です。障害者手帳の申請をしてみることが出来ました。結果は1月末に出ます。

日進医療器の人に相談することも出来、どういうものを選択するにせよ具体的な検討は申請結果が出てから、ということになりました。で、せっかくの機会なので、興味のある車いすは試乗してみたいと思い、また、乗ってみてわかることもあるだろうと思い、Emu、クイッキー2、MSに試乗してみました。以下、Emuから感想を書きます。

電動車いすEmu−座幅38cm・操作右

試乗に至った経緯
ワコー技研にパンフレットを送って頂く。ワコー技研の方から、EMUは比較対象が簡易電動車いすになることとその比較対象メーカーを具体的に挙げられた上で実際に試乗しないとわからないことをアドバイスされ、比較対象になるなら用途に適うと思われたEMUに試乗してみようと思い至る。
所要時間:
1時間45分ほど
来てくれた人:
株式会社ワコー技研ウエルフェア事業部の方
(技術者でありつつ営業も相談も応じるマルチなおじさま)
内容:
実際に乗ってみて使ってみながら仕様・操作の簡単な説明、家の前10m弱をスロー(ソフト)で、200m弱をノーマル・クイックでそれぞれ試し乗り、 スローとノーマルで旋回、登坂角度10度の坂道の上り下り600m、8度の坂道の上り下り100m、凸凹道+砂利道200m、それぞれ試し乗り、カタログをもらう、写真撮影

仕様:

サーボ制御
駆動部分は後輪に付いています。
バッテリー
主電源がある、座席下・前方に格納、標準装備で1個、航続距離13.3km
(でも重量や路面条件がよければ15kmくらい軽く走れる)
必要であればバッテリーは2個装着できます。密閉型液体なので飛行機も乗れます。試し乗りした内容ではバッテリーは全然余裕でした。
充電器
1kg、バックレストに楽々入る、 虎屋の羊羹のとても大きいの1本くらいの大きさ
・耐荷重量 100kg(100kgくらいになると動きは遅くなるそうです)
・機種想定用途  1人でどこへでも外出できるようにする

感想:

カタログ・Web掲載内容から想像していた以上の内容でびっくりでした。
ワコー技研さんはかなり控えめなPRをされているのではないかとも思いました。値段(59)は相応です。
駆動音
全くしませんでした。ギア無しの直接タイヤ駆動です。後輪タイヤがマウンテンバイク20インチ、前輪キャスターがノーパンクタイヤ8インチなので動くときは自転車のタイヤが路面とちょっとすれてずりずり言うくらいです。電源が入ったままで静止してから動き始めるときに左右脇のレバーがぱーんと上がる音がします。静止して数秒すると左右脇のレバーがカチンと下がる音がします。電池切れになりそうなときや、設定を間違えていて動かせないときはピピーっと電子音で警告が出ます。音はそれくらいです。閑静な住宅街は勿論、静かな会場内でも全然問題なさそうです。デパートで買い物しているときに店員さんが後ろからついてくる足音もよく聞こえるそうです。
速度
前進・後退・旋回それぞれにきめ細かく設定できます。ゆるゆるから一応6km/hまでとなっていますが、8km/h出して走っている人もいるそうです。その分電力を消耗しますが(通常のバッテリーの持ちの2/3になる)、それ以外に支障は無いそうです。
メンテナンス
]故障時はワコー技研(横浜、鶴見)で見ることになります。メンテナンスフリーに作られてあり、普段の手入れも特に必要ありません。ぬかるみ砂利道を走ったら見事にタイヤがどろんこになったのですがタイヤの汚れは乾けば自然に取れるので気にしなくて大丈夫だそうです。後輪タイヤは自転車屋さんで付け替えできます。標準装備でマウンテンバイクタイヤですが普通のタイヤでも付けられます。
重さと折り畳み
57kg程度−内訳:後輪(14kg/個)、バッテリー(10.5kg)、充電器(1kg)、8インチノーパンクタイヤの重さなど−さすがに持ち上げるのはやめました。頻繁な車への積み下ろしは無理です。 でも車いすを小さく畳むことは出来ます。バックレストの後ろにリジッドフレーム様のクロスメンバーがついていて、乗っているときは固定されているのですがクロスメンバー中央を上に引き上げると折り畳めます。フットレスト部分はキャスター付きで2つに分けて取り外せ、背もたれも中折れにできます。後輪(14kg/個)も取り外しできます。
介助の手押し
電源を入れれば可能です。但し、漕ぎ始めが重いです。動き始めたらすいすいらしいです。
操作
ジョイスティックの操作は学習が少々必要でした。ほんのちょっとした手の動きにも敏感に反応してくれます。スムーズな手の動きをしないと忠実に手の動きに反応するためカックンカックンとぎくしゃくしてしまいます。凸凹路面での操作でも同様で、路面状況に合わせて操作する手ががたがたするとそれに合わせてぎくしゃくします。
坂道の上り下りはさすがに簡易電動を上回る安定度でした。登坂角度10度でも下りも暴走せず、上りも楽々余裕でした。登坂角度12-3度の坂は試しませんでしたが
実は20度までは転倒せずに耐えられるように設計してあるそうです。転倒防止も付いています。縁石のちょっとした急角度もすいすい行けるようになっています。
坂道斜め上りでも横流れしません。簡易電動だと横流れしないようにジョイスティック操作で微妙に上方向に向けるのだそうですがその操作が不要です。簡易電動のノリで操作するとちょっと感覚が違うみたいです。
凸凹路面も楽々でした。それどころか、砂利道も草むらもぬかるみも同じ調子で楽々走れるます。乗り心地もいいです。これなら車いすで出掛けられる範囲が広がりそうです。凸凹路面は自転車に乗っている感覚か、ジェットコースターでアップダウンをのんびりさせた感覚です。片輪が舗装凸凹面、他方の片輪が砂利道でもすいすいでした。座面下のX型のクロスブレースがシングルで、それぞれの後輪が感知する路面状態に合わせて座面も動くようにしているので、座面が少し歪んで滑らかに動き、ダブルクロスブレースのようにごつごつしないのだそうです。
ACサーボを搭載している電動車いすはワコー技研とジョンソン・エンド・ジョンソンの新機種だけなのだそうです。ロボット制御なのだそうで、静止しているときに車いすに他から不意の力が加わっても立っている人がつんのめる前に踏ん張るような感覚でEMUは踏みとどまってくれます。その他にも簡易電動よりも賢い動きをしてくれるみたいです。ワコー技研の方は、これに慣れると他の電動では足りなくて、乗れなくなりますよ、と言っておられました。同じEMUでも年々改良を加えているので使い勝手は大分良くなったとのことです。
いすの調整
アームレストは横幅が私の腕をまるまる乗せられるくらいあります。幅10cmはあるのではないでしょうか。アームレストは跳ね上げ出来ます。跳ね上げると後輪の車軸位置調整のねじや、バックレスト角度調整のねじがいじれるようになっています。車軸は前にも出せますが、旋回性は良くなる代わりにそっくり返りやすくなるので、競技をするのでなければ勧めないとのことでした。走行は標準位置の背もたれ後方で全然構わないと思いました。ジョイスティックの位置も前後・左右・上下に自分で調整できます。フットレストは上下の長さを調整できます。それ以上足が長い場合や、膝関節をあまり曲げられない人はフットレスト部分をまるごと付け替えます。バックレストは4本のベルトで張りを調整出来ます。座ったままで自分で調整出来ます。ベルトをかぶせる背もたれシート外側には蓋付きポケットとメッシュのポケットがついています。フレームはアルミです。よく見かけるものよりも太めとのお話でしたがものすごく太いという印象はありませんでした。クッションは低反発ウレタン製クッションでした。肝心の座り心地は、今日乗った限りでは良かったです。
置き場所
玄関に上げるにはスロープと折り畳みが必要になる。カバーをかけて外に出して置くとそれなりに傷みは早いけれど使えなくなるということではないので外に置いても構わないとのことでした。ちょっとした軽い雨なら、コントローラー部分を覆うキャップをすれば大丈夫なのだそうです。

今後の検討:

JW-1試乗補足

背景
殆ど似た症状で自治体車いすを使って日常外出していた友達にJW-1試乗で調べてもらいました。
走行内容
路面:河川敷の起伏が続く路面、砂利道・タイル張り路面含む
重量:6kgの買い物リュックを背面にかける。←ユニット付きでもリュックをかけるスペースはあります。
走行時間:40分連続
電池消費量:表示ランプ2/5分(この分の充電は30分でOKとのこと)
走行状態:どれも問題なし

ヤマハの人曰く、雨の日に使っても電動部分は全然問題ないのだそうです。

投稿日:2003/12/20
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