彷徨日記

2002年分 上半期

 初めて読む方は下からどうぞ。   

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06/XX(金) 上野・国立西洋美術館 「プラド美術館展」

東京駅
(JR)
横須賀線−山手線…エレベータ移動
八重洲地下街
ハンディキャップトイレ記号の詳細なリストを別ウィンドウで開きます
一カ所のみ
イ)場所−A共用 ロ)扉−B自動スライド ハ)鍵−B自動 ニ)点灯釦−A自動 ホ)広さ−A一回転 ヘ)手すり−AL+動 ト)便座−AO型) チ)シート−C:無 リ)汚物−ふたなし ヌ)紙−A:両手/でも手が届きにくい ル)水洗−A:ボタン ワ)蛇口−A:自動
上野
山手線
1・2番線、3・4番線ともエレベータあり。各ホーム全て設置済みの模様。
公園口出口の急坂は、改善されず。インターホンも無し。
ハンディキャップトイレ記号の詳細なリストを別ウィンドウで開きます
イ)場所−A:共用 ロ)扉−B:自動 ハ)鍵−B:自動 ニ)点灯釦−A:自動 ホ)広さ−A:一回転 ヘ)手すり−A:L+動/動方のバーが固定できない? ト)便座−AO型 チ)シート−C:無) リ)汚物−なし? ヌ)紙−A:片手 ル)水洗−E赤外線 ワ)蛇口−B:押し型
国立西洋美術館全館エレベータ&スロープで回れます。今回はトイレ使いませんでした。

レポートはなし。上野駅の大改装があったので、とりあえず設備報告だけ。

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05/XX(火) 横浜スカイビル

 横浜のスカイビルと言えば、人気スポットの一つ(らしい)です。ちょっとした会合があり、出掛けてきました。今回は車での利用です。  駐車場は、そごうのそれと隣接しています。下り線側からしか入ることができないのが、少しつらいところです。10階建てで、坂をぐいぐい自走して登っていきます。大通りから引っ込んでおり、また平日の夕方だったせいもあって、入り口は無人でした。車椅子ユーザー用駐車スペースのありかを確認することはできませんでした。とはいえ、こういうこともあろうかと、インターネットで検索しておいたところ、「車椅子ユーザー用駐車スペースは各階にあり。トイレも各階にあり」。よっしゃあ、というんで、会場をスカイビルにしたのは、実はよーのすけだったりします。  下の階は満車・満車・満車。4Fでやっと空車のランプが点灯していたので、侵入します。しかし、車椅子ユーザー用の駐車場は存在しない。仕方がないので、エレベータに近いところを探します。駐車スペースは、郊外型ショッピングセンターら比べるとかなり狭め。止め方を工夫しても、車椅子をドア横に付けることはできません。連れに車椅子を降ろしてもらい、車づたいに外へ出ます。駐車場から、エレベータにアクセスしようとしたら、あーっ階段3段!なんてことはなかったです。横浜そごう・丸いスカイビルの地下1Fまで、フラットなリノリウム床で、手動扉もありません。  スカイビルは、もちろんエレベータですが、ハンディキャップトイレは、各階にあるというわけではなさそうなので、注意が必要です。少なくともよーのすけが使った10Fにはなかったです。東口の地下街は、一般トイレにハンディキャップトイレが並列されているようですし、床も平らで車椅子ユーザーの移動はしやすく、使いやすいと思います。

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05/XX(月) 渋谷 ON AIR NEST135 LIVE

渋谷駅
(JR)
湘南新宿線ホーム南口中央改札
1F埼京線ホームから、ホーム中央に設置されたエレベータで2Fへ。エレベータは2機あります。ホーム中央のエレベータは新南口へ。新宿よりの3両目にあるエレベータが、南口及び山手線に接続です。
歩く歩道で、246号線を渡ると、JRの3Fに出ます。
エスカレータ逆送で、山手線ホームへ
エレベータで1Fへ
マークシティへ
西口バスターミナルのある方へ出て、「みどりの窓口」の裏側にエレベータで2F。
山手線のホームを見ながら井の頭線方向に向かっていくと、マークシティのエレベータです。

 かの有名な渋谷ON AIR WESTの6Fにある渋谷ON AIR NESTの135ライブです。すっかり常客になってしまった湘南新宿線で渋谷に直行。みどりの窓口の前で友人と待ち合わせます。ライブの前に、数人でお茶会です。
 渋谷駅から道玄坂に続くショッピングモール「マークシティ」で、お茶会をとなります。渋谷の駅付近は「谷底」にあたり、急な上り坂ばかりです。しかし、マークシティのエレベータで上に上がると、道玄坂交差点までフラットで行くことが出来ます。道玄坂の出口部分は道路に向かって下りです。車椅子で行ける程度の勾配ですが、長いので、厳しいかも。
 ON AIR付近は道路が狭い上、かなり勾配のある坂がちの地形です。道路がきわめて狭く、信号待ちの車があると、車椅子が通れる隙間さえなかったりします。一人で歩くのはちょっと無理かも。
 渋谷ON AIR WESTの建物には、狭いながらもエレベータがあり、上下移動にはそれほど困りません。皆が入る前に入れてもらうことになりますが、エレベータ部分からNESTへの接続があまりよろしいとは言えません。かまちと段差だらけです。2人ほど、付き添いが必要、ということで、一緒にいた友人に付いてきてもらうことになりました。一度、屋上のようなところに出て、眼下に渋谷の街を見ながら、NESTに入れてもらいます。
 ちょっと厳しいのはトイレ。バーとNEST両方にあります。よーのすけが使ったのはバーのもの。洋式ですが、いずれも、入り口に15cmほどの段差があります。7階のバーのトイレも、6階NEST部分のトイレも、段差があるようです。しかし、マークシティには、ハンディキャップトイレが整備されています。今回、よーのすけは使いませんでしたが、ここを利用すると、道玄坂付近の車椅子アクセスの困難な場所も利用可能になるかもしれません。
 帰りは、行きとは別の友人たちと、マークシティを通らず帰ってきました。かなりの急坂ばかりで、なかなか厳しいです。こういう自分の能力を越えたところに出掛けるというのは、ある意味無茶な出掛け方かもしれません。行けば、誰か知り合いに会えるだろう、という、よーのすけにとっては希望的観測が成立する、「135のライブ」からこそ行けるわけですが、これ、ほんとに今までの自分からは予想だにしなかった行動パターンではあります。
 時間的に遅くなり、電車が不安になってきたよーのすけ。郊外のものすごい外れとはいっても、一応東京に通勤出来なくはない首都圏内。普通の人なら、余裕で間に合うところなんですが、なにしろ、乗り継ぎのタイミングがが…。何せ、乗降客が乗り換えて行ってしまってから、じゃ行きましょか、なんて言われたりするんだもんな。間隔30分、なんて時間になっちゃうと、大変なことになっちまう。「電車、つながらなかったら、アタシが泊まっているところに一緒に行っちゃうからいいいよ。」てなことを言われつつ、時刻表とにらめっこ。何とか10〜15分間隔で行けそうです。幸いにして、乗り換える品川駅はエレベータ完備なので、人が掃けてから、ということにはなりにくい。
 品川駅で待っていたのは、なんと、駅員ではなくて警備会社の人。JRも、大きい駅は、深夜近くなると、警備会社に構内業務引き継いでしまうようです。うまい具合に、普通のタイミングの接続に間に合わせてもらえました。

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05/XX(土) 深川〜浅草 ー「全日本方向音痴ーずお散歩会」

東京駅
(JR)
横須賀線−動輪の広場
丸の内南口ハンディキャップトイレ記号の詳細なリストを別ウィンドウで開きます
イ)場所−A:共用 ロ)扉−B:自動スライド(赤外線センサ) ハ)鍵−B:自動 ニ)点灯釦−A:自動 ホ)広さ−A:一回転 ヘ)手すり−A:L+動(ただし短い) ト)便座−AO型 チ)シート−C:無(ベビーシートのみ) リ)汚物−? ヌ)紙−B両手 ル)水洗−E赤外線 ワ)蛇口−A自動
大手町
東西線
東京駅地下通路改札…エスカレータ(上下線各1)
改札にハンディキャップトイレの表示あり
門前仲町東西線
ホーム→改札…エスカレータ
改札→地上
10段ほどのエスカレータを上り、ビルのエレベータで4番出口
階段にて大江戸線に降り、エレベータで6番出口
  という選択。 どっちもどっちだよなぁ...。
大江戸線6番出口にエレベータ。
両国
大江戸線
ホーム→改札…エレベータ
両国第一ホテル
ハンディキャップトイレ記号の詳細なリストを別ウィンドウで開きます
イ)場所−A:共用 ロ)扉−A:手動スライド ハ)鍵−E:空転防止 ニ)点灯釦−B:手動 ホ)広さ−A:一回転 ヘ)手すり−A:L+動 ト)便座−AO型 チ)シート−C:無(ベビーシートのみ) リ)汚物−? ヌ)紙−A:片手 ル)水洗−E赤外線 ワ)蛇口−B:押し型
稲荷町
(営団銀座線)
地上→改札…階段。改札は車椅子が通れないが、改札を解体して通してくれる
ホームにはハンディキャップトイレの表示あり
銀座
(営団銀座線)
ホーム→改札…エスカレータ
改札→地上…三越のエレベータを使用
東京国際フォーラム
ハンディキャップトイレ記号の詳細なリストを別ウィンドウで開きます
イ)場所−A共用 ロ)扉−B自動スライド ハ)鍵−B自動 ニ)点灯釦−A 自動 ホ)広さ−A一回転 ヘ)手すり−AL+動 ト)便座−AO型) チ)シート−C:無 リ)汚物−? ヌ)紙−B:両手 ル)水洗−A:ボタン ワ)蛇口−A:自動

 『全国方向音痴ーず』という、方向音痴たちのサークルがあります。このメンバーのK氏のお誘いで、恒例のお散歩会に混ぜていただきました。伊能忠敬ゆかりの史跡を、方向音痴の集団が訪ねて歩く、という、なんとも危なっかしいイベントです。よーのすけの迷子パターンは、元々の方向感覚のなさに加えて、
1.目的地の間近で階段に出くわす。2.エレベータを探す。3.遠くのエレベータで上下移動する。4.目的地の方向を見失う。
という、車椅子ユーザー独特の条件が重なります。ただでさえ、危うい集団に、さらに迷子フィルターかけてしまって、はたして大丈夫なんでしょうか。
 4、5人のメンバーに代わる代わる車椅子を押してもらい、深川・浅草の街を探検させてもらいました。比較的山坂の少ない地形ですが、やはり、道は道。微妙な勾配は日本全国同じです。
 歩くのもさることながら、ずいぶん多くの駅を利用しました。普段なら「駅員さーん」と言い、時には隠し道具(エスカルとか)を使うところ、今回は人の手を使っての上下移動となりました。
 集合は東京駅の動輪の広場。地下鉄の丸の内の改札口です。丸の内北口は、東京駅で唯一エレベータがある場所です。 最寄り駅で思わぬ渋滞にひっかかり、電車を一つ逃したよーのすけ、次の電車はホームが反対側。階段昇降システムの類が一切ない当駅、人手もなく、もう一本待て、というのを、無理矢理に乗せてもらいます。出だしは乱調気味です。 東京駅の横須賀線ホームからは、グリーン車付近のエレベータを乗り継いで地下1Fへ。その改札を出たところが、動輪の広場です。
 出発前に行っておきたいお手洗い。久方ぶりのトイレ探しとなりました。今まで知らなかったんですが、東京駅のトイレって、みんな4段くらいの階段の上にあるのね。改札内部のトイレはダメで、動輪広場前のエレベータで地上に丸の内北口のトイレもペケ。南口まで遠征せざるをえません。
 まずは、地下鉄大手町へ。エスカレータで下に降ります。 車椅子なんかほとんど押したことがない人々だというのに、はなっからエスカレータ下りになってしまったメンバーの方々にはまことに申し訳ない。 エレベータでホームに下り、門前仲町で下車し、エスカレータで改札に上がります。下見をしたメンバーによれば、「6番出口にはエレベータがあった。」違うところから出るとわからなくなるかもしれないけど、行ってみよう、ということにして、改札を出ます。 しかし、改札を出ると、右には10段程度の上り階段とエスカレータ、左には長そうな下り階段。6番出口は、左の下り階段が表示されてます。地上に出たいのに、下りは変です。「ひょっとして、6番出口って、大江戸線の出口なんじゃ…。」仕方なく、エスカレータの先にエレベータが見えた上り方向に進路を取ります。ビルのエレベータを使って地上に出られます。
 「伊能忠敬隠居宅跡」の史跡を訪ね、再び、門前仲町へ。今度は大江戸線なので、6番出口からエレベータが使えます。エレベータを乗り継いで、ホームに降ります。ここのエレベータ、「何月何日何時何分より何月何日何時何分まで、メンテナンスのため停止します」という表示がちゃんと出ていました。なかなかエライ。 バリアフリー度ナンバー・ワンという、噂の大江戸線、確かに、エレベータは完備しています。とはいえ、エレベータが設置されるのは1カ所だけ。知っていれば使えるけど、知らないとダメ、というパターンは相変わらずかもしれません。 全ての出入り口に、エレベータはこちら、というその出口から段差無しでたどれるルート図を出しておくべきでしょう。電車への乗り降りは、前輪上げが意のままになる人なら問題ないです。よーのすけレベルだと、単独ではちょっと難しいかも。
 両国で下車します。地上まで、エレベータが通っています。両国第一ホテルで昼食となります。地図には載っていないほど新しいこのホテル、玄関はフラットですし、さすがに新しいだけあって、1Fロビーにちゃんとハンディキャップトイレが設置されてます。


余談 「ホテル」なんていう格式の高いところは、最もよくハンディキャップ向けの配慮がされていると思いこむ人が多いようですが、実は、ホテルというのは、ハンディキャップ・アクセスに関しては、ワーストランキングに入る建物で、最も警戒すべき場所だとされています。 なまじ、いち早く「洋式トイレ」に切り替えられたので、「和式トイレ」に悩まされた人々は、つい、ホテルでトイレが使えないわけがないだろう、と思ってしまいます。しかし、ホテルのトイレで対応できるのは、「洋式トイレさえあれば」という人々だけです。 ホテルのトイレには、しばしば出入り口に、優美な彫刻を施した階段と、美しく思い扉が設置されています。ハンディキャップトイレが、設置されている場所となると、驚くほど少ないです。ひどいところだと、全館に1カ所しかなく、し、ロビーにはない、なんてことや、ハンディキャップ・ルームにあるだけ、なんてこともあります。

ホテルを出て、浅草寺へ向かいます。雷門をくぐり、仲店商店街をすこし覗きます。観光名所のこのあたりは、比較的フラットです。浅草寺をかすめて伊能忠敬の墓所のある源空寺へ。
 このツアー(?)で、最大の難所と考えられていたのが、古い地下鉄である銀座線稲荷町からの乗車です。 狭い階段をおみこしで降ろしてもらいます。階段しかない地下鉄は、比較的浅いところにあるのがせめてもの救いです。しかし、改札は狭く、車椅子が通れる幅は、どこにもありません。これは、立ちかな、と思っていたら、ちょっと待って、と駅員さん、見る間に窓口側の自動改札の機械を外してしまいました。一同あ然。15cmほど広くなった改札を何とか通り抜けホームに入ります。
 さて、不思議なことに、こんな駅でも、ホームにはハンディキャップトイレがあります。東西線の竹橋駅にも、地上からも階段、ホームからも階段、の改札部分にハンディキャップトイレだけは設置してありましたし。 いずれ、「なんとかする」予定なのでしょうか。
 銀座で下車です。ここもエレベータないんですよね、と階段を上がろうとしたら、駅員さんが背後から、「もしもし、エスカレータならありますよ。」いつの間にか、エスカレータ設置されていました。手元のバリアフリー資料にも掲載されておらず、設置されたばかりらしいです。地上に出る方法を改札で尋ねると、「三越のエレベータを使って下さい」とのこと。 三越にたどり着くと、5,6段の階段です。こういうところで、普段なら、段差のない入口を探してくるくる回っているいるうちに、位置を見失う、という迷子パターンのよーのすけですが、この日は、行きますよー、とおみこしにしてもらいます。三越の1Fから地上へはフラットです。有楽町の国際フォーラムでツアーは終点、お疲れさまのレセプションとなります。
 レセプション後は地上を歩いて東京駅まで送ってもらいます。運のいいことに、有楽町は丸の内側。そのまま北口のエレベータで、地下1Fに降り、出発点の「動輪の広場」へ戻ることになります。「集合地点で解散」というのは、予想外の見事な終幕だったようでしたが、何のことはない、車椅子ユーザーは、そこにしか出られないので、ほかに道を知らないだけだったします。

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04/XX(水) 渋谷駅・恵比寿駅・恵比寿GILTY

渋谷駅
(JR)
湘南新宿線ホーム中央口
1F埼京線ホームから、ホーム中央に設置されたエレベータで2Fへ。エレベータは2機あり、別の場所へ出る模様。
歩く歩道で、246号線を渡る。すると、JRの3Fに出る
エスカレータ逆送で、山手線ホームへ
エレベータで1Fへ
恵比寿
(JR)
西口は、上下線とも地上−ホーム間エレベータあり
品川駅
(JR)
山手線ホーム横須賀線ホーム…開放エレベータ

 はい。またライブの報告です。バンド135の梶原茂人さんとギタリスト会田俊樹さんのユニット風民(かぜたみ)のライブ。本格的な夜のライブに電車で行くのは初めてなので、ドキドキです。
 まずは、ようやく判明した湘南新宿線2階建て車両の車椅子対応車両の位置
 11両編成で、前から3両目の8号車と、後ろから3両目の3号車となっております。
 最寄り駅では、2階建て車両が来る、ということまでは判明したものの、車椅子対応車両がどこなのか、駅員さんも、整備員さんも、誰も知らなかった、というすごい状態。「2階建て車両配備されたの最近なんで、まだ把握しとらんのです。どう考えても1号車に付いてるはずなんですが。」とは、駅員さんの弁。ということはつまり、配車表というものは存在しない、ということなのね。2階建て車両では、車椅子対応車両以外に車椅子が乗れる客室がない、ということにしばらくしてから気付いた駅務室、みんな総出で車椅子対応車両探しとなります。
 「前に乗ったときは、1・2号車ともありませんでした。車掌さんも知りませんでした。」というよーのすけの報告に、みなさん困り顔。長いホームのどこで待つか、という問題がありますもの。最後尾は避け、入ってくる電車の車椅子マークをいくつもの目がじーっと追います。「あった!!」。両端から3両目。後ろの3両目に乗せてもらいます。よーのすけが乗った場所を、駅員さんたちが、ぞろぞろ見学に来て、へぇ、こんなになってんのかあ、なんて言っています。
 どんな設備かと思いきや。扉近くのボックス席が、1人分欠けているだけのもの。その部分だけ背後の壁も取ってあり、70cm四方の空間が空けてあるだけです。一人分だけ残してある(せこいねえ)隣の席に車椅子固定ベルトなる、シートベルト上の物体が垂れ下がっているだけ。車椅子を当てておく壁も手すりも何にもないの。少しだけはみ出している背後の壁にタイヤを当てると、向かいに人が座れない。肘掛け無しのよーのすけの車椅子には座っているのもちょいときつい。これ、とんでもない車両でっせ。
 最終目的地は恵比寿でしたが、友人と渋谷で会うことになっていたので、一旦渋谷まで出ます。渋谷駅。すでに3度ほど降りてますが、どうしても、階段の数が合わず、この日記を書く度に頭をひねってました。こうなってます。

  埼京線のホーム(1F)−エレベータ→(2F)
  歩く歩道を渡ってエスカレータ逆送で下へ
  山手線ホーム(2F)−エレベータ→(1F)

なんか、合わないと思いませんか。よーのすけが混乱したのも無理はないでしょう。実は、埼京線のホームは3Fなんですね。「どこへ出ますか」と聞かれ、「東急文化会館」と言ったら、「それはどこです」。駅の真ん前にあると聞いていた東急文化会館。よーのすけ、とっても不安になります。改札を出してもらうと、いきなり急なスロープ。前輪が上がるほどの傾きです。がったんがったん上がり始めると、誰かが後ろから押してくれました。上で振り返ってお礼を言うと、あれ、白人のサラリーマンだ。駅前をまごまごしていたら、「大丈夫ですか」と声をかけてくれたのも、白人の女性。これだけ人があふれているのに、なぜだ。
 駅前の案内板で東急文化会館を探します。駅前は、ロータリー、右手には、大きな歩道橋。ロータリーをわたらなければならないようでしたが、歩道橋側に行くことは絶対出来ないので、反対側に向かいます、横断歩道があり、3車線以上ありますが、分離帯2カ所ほどあり、自力でわたりきれない距離ではありません。自分の用を済ませてから、友人と落ち合います。よーのすけは、早めの夕食をとり、友人と別れて、駅前からタクシーを拾います。恵比寿駅から歩いて10分程度とのことだったので、どうせ車椅子で行ける距離ではなかったんです。チケットの地図をみせればいいや、と思ったのですが、見通しが甘く、困惑気味。どこだ、と言われても、よーのすけだって説明できません。別れたはずの友人を再び呼んで、説明してもらい、ようやく出ることが出来ます。
 とはいっても、どんぴしゃ建物の前に連れていってもらうことは出来ませんで。明治通の、その付近で、降ろされてしまいました。??と思いつつ見れば、どうやら、会場は坂を上ったところにあるらしい。見知った人影があったので、確認しようと坂の上り口で向きを変えたところ、「へっ!?」バランスを崩し、そのまま真後ろに転倒した。かっちーん、というものすごい音がしました。通りかかったサラリーマン風の男性が、すっ飛んできて助け起こしてくれました。よーのすけも驚いたけど、この人も仰天してました。持ち物全部放り出して助け起こし、坂を上げてくれ、「病院、行った方がいいですよ」と心配げに言い残して去っていきました。コンクリートに頭は当たっているわりには、全く痛みがなかったので、少々心配でしたが、大丈夫、ということにしました。未だに病院行ってません。背中に厚い上着の入った袋を背負っていたので、それがクッションになったようです。それにしても、あんなの初めてでしたし、やっぱり外は危険なんですね。
 恵比寿GILTYは、地下1Fのライブハウスです。事前にホームページで検索をかけました。そこそこ有名な場所らしく、行き方・地図付きのページがずらりと出てきます。しかし、どれを見ても、「建物脇の階段を降りる」としか、記されていません。問い合わせたところ、エレベータがあるとのこと。1Fの自動ドアから直接建物の方に入ると、エレベータがあり、ライブホールにつながっています。このエレベータ、開場前に皆が行列を作るホール前に出てくるのですが、以前に何度か来たという人も、その存在に気付いてなかったことが判明しました。人間、意識していないものは、驚くほど見えていないものです。
 エレベータを出たところからホールまでは3段ほどの階段です。さすがはライブハウス、台車用のスロープが引っぱり出され、それで降ろしてもらえます。そこから先は、微妙に傾いていますが、段差はありません。廊下は狭く、車椅子でターンすることは出来ません。大型の電動車椅子だと、通れないかもね。お手洗いは、洋式トイレが、本当に二つっきりです。これもかなり狭く、両手で突っ張って立ち上がろうにも力が入らないほどに狭いです。よーのすけは何とかなるレベルでしたが。
 帰りは、知り合いに恵比寿駅まで押していってもらいました。坂がきついので、開場前からは全く動けませんが、タクシーはときどき通るようです。坂を下りられさえすれば、明治通の路肩をタクシーが、恵比寿駅まで行列しております。恵比寿駅の西口から入ると、上下線ともホームまでエレベータがつながっています。よーのすけはそこから品川乗り換え横須賀線ですから、エレベータ完備です。自宅最寄り駅では、「え、誰も付き添いいないの? どうしよう、今3人しかいない…」と言われましたが。ここだけが、最後の難関なんだよね。

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03/XX(水) 鎌倉・神奈川県立近代美術館

神奈川県立近代美術館
駐車場
20台程度。身障用駐車スペース1台分
トイレ 記号の詳細なリストを別ウィンドウで開きます
イ)場所−A:共用 ロ)扉−B:自動スライド ハ)鍵−B:自動 ニ)点灯釦−A:自動 ホ)広さ−A:一回転 ヘ)手すり−B:L+固 ト)便座−AO型 チ)シート−C無 リ)汚物−? ヌ)紙−B両手 ル)水洗−Aボタン ワ)蛇口−A自動
トイレは、1階でしかも展示場の外部に1カ所あるきりなので、気を付けて。

 妹くんと出掛けると何故か雨模様になるのが、ここ鎌倉にある神奈川県立近代美術館。古いことにかけては日本有数の美術館です。「校倉造り」という、珍しい建築形式を自慢にしていますが、それだけに車椅子アクセスは最悪です、唯一のバリアフリー設備として、ハンディキャップトイレだけがあるのが救いです。
 自動車で行きました。美術館は八幡宮の境内にあります。ここは、美術館にしては珍しく、正門に専用の駐車場があります。
 身障用駐車スペースに車を停めると、いきなり階段です。第一展示室は2階。普段は正面の広い階段から入りますが、「雨天用入り口」なるものが設けられています。チケット売場の脇の小さな玄関です。事務方の男性職員が出て来ておみこしになります。外階段は広いですが、この日上げられた内階段は、車椅子を担ぎ上げるのには狭すぎます。
 第1、第2展示室は2階です。次いで、1階に降り離れに行きます。渡り廊下の部分に階段2段ほどの段差があります。以前、「階段昇降機」なる装置が畳んで置いてあったこの場所に、現在はベニヤの板が渡してあります(自力では上がれない)。この離れには、小さな2階があり、ここも階段のみ。事務方の男性を呼んでもらっておみこしになります。
 この美術館、小さいながらも、代わった企画展が多いです。八幡宮の境内、源平池のほとりにあって、風情はありますが、古い上、中途半端な改装を繰り返しているので、車椅子アクセスは、キビシイものがあります

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02/XX(水) 竹橋・国立近代美術館

東京駅
(JR)
横須賀線ホーム地下鉄大手町乗換
地下5階横須賀線3/4番線から成田エクスプレスのエレベータで地下4階へ
地下4階で向かいの成田エクスプレス(1/2番線用)用エレベータに乗り換えて地下1階へ
丸の内線方面に向かって地下道をまっしぐら。
大手町
(東西線)
普通のエスカレータ。地下道から改札(地下2階)まで駅員さん2人がかりとなります。改札からホームまではエレベータ
2002年8月に地下道からホームへ上がるエレベータ完成予定
竹橋
(東西線)
ホーム(地下2階)から改札(地下1階)までは階段。
改札から地上へは、パレスビル(毎日新聞)の地下駐車場の出庫口を使う。
改札内にハンディキャップトイレあり。
国立近代美術館
館内ほぼバリアフリー。2階→1階への移動を除けば、展示の並べ方もエレベータ移動が想定されている。
トイレ 記号の詳細なリストを別ウィンドウで開きます
イ)場所−A共用 ロ)扉−B自動スライド ハ)鍵−B自動 ニ)点灯釦−A 自動 ホ)広さ−A一回転 ヘ)手すり−AL+動 ト)便座−AO型) チ)シート−C無(ベビーシートはあります) リ)汚物−B?(眺めてみたのだが、開け方がわからなかった。) ヌ)紙−B両手 ル)水洗−Aボタン ワ)蛇口−A自動

「未完の20世紀展」感想はこちら。

東京は竹橋。皇居の堀端に建つ国立近代美術館です。大がかりな改築後のオープン記念の展示会です。連れは、おなじみ妹くん。このコンビ、国立近代美術館には、10年ほど前にも、一緒に行っているはずなんですが、施設に関しては、二人とも何一つ覚えちゃいないし、どうやって行ったかさえ記憶にない。ここは一つ地下鉄で行こうか、ということにしますが、前日に偵察してきた妹くん曰く、「今、大手町エレベータ設置してる。完成は8月だって。ホームに行く奴はあったけど。」駅によっては「車椅子みち」なるルートが別に設置されていることもあるので、必ずしもないとは言えないのですが、今、工事中ということは、望み薄です。
 いつも通り、車内で落ち合います。出がけに携帯電話で「何時何分発。どこ行きの何号車」と連絡するわけですが、これ、車内でかけざるをえないので、気が引けますね。車椅子ユーザーの場合、電車に乗り込むまで、安心できないところがあります。ホームで電話してから乗り込むという自由が利かないんです。電車に乗ることにかけては、ほんとに駅員(の都合というか気分というか)任せですから、電車がここにあっても、必ずしもそこに乗れるとは限らないわけで。電車が来てから、別の車両に持って行かれることもないわけではありません。
 東京駅。成田エクスプレスのエレベータを使って、地下1Fまで上がります。そこから丸の内線方面、つまり地下鉄大井町駅を目指して地下道を歩きます。
 エスカレータにぶつかったところで大井町「ほら、あれが工事中のエレベータ。」妹くんが指さす左手には、フェンスでふさがれた扉が見えます。もう完成しているはずが、工事が伸びて8月になってしまったとか。営団の駅員さんに引き継がれてエスカレータを降ります。ここは、車椅子移送に対応していない普通のエレベータ。なので、駅員さん2人がかりとなります。とはいえ、上下線あるので逆送しなくてもすみ、車椅子用ステップが出てくるまで待たずとも乗れるので、とても早かったりします。改札からホームまではエレベータがつながっています。
 竹橋駅。改札までの1階分、おみこしとなります。改札の横に、「女性・老人・車椅子」の付いたトイレを発見しました。
 改札を抜けて、パレスビルのエレベータホールに入ります。あ、このエレベータで地上かあ、と思っていたら、「階段より、坂の方がいいですよね。」よ&妹くん:「はい?」「だったら、そっちじゃなくて、こっちから出て下さい。」と、連れて行かれたのが地下駐車場。自動車の出入庫用の道を通って地上に出てみれば、そこはパレスビル玄関の大階段の脇。普通、こういうところって、歩行者歩行禁止だよねえ妹くん:「あ、あの、ってことは、帰りもここから…?」駅員さんの答えて曰く「まあ、そういうことになりますね、もし、お帰りの時間がわかれば…」妹くん:「あ、いや、いいです。何とかします。」 毒気を抜かれて、しばしたたずむ二人。妹くん、ぽつりと「今の、写真撮っおきゃ良かったね。何かあるかと思って、デジカメ持ってきてたのよ。」よ:実は、私も持ってきてる。すごかったよね、今の。」ちなみにこのパレスビル、毎日新聞側の玄関もありますが、こちらも大階段だそうです。YAHOO!で、「バリアフリー」と検索かけると、一番最初に出てくるのが毎日新聞なんですが、それがこの有様とはね。毎日新聞は点字毎日などを発行している関係で情報リテラシーのバリアフリー事業に力を注いでいるのですが。。。
 道を渡り、100mほどで国立近代美術館です。玄関も真っ平ら。コインロッカーにコートを預け、お手洗いへ。
 ここのお手洗いは、共用で、女性トイレ寄りに設置されています。ドアはといえば、手をかざすとスイッチが入る赤外線システム。SFみたいで格好はいいけれど、内側のスイッチは少々不安。相当手を近づけないとスイッチが入らないから、用足ししたり着物を着脱しているときには手が届かないとはいえ、介助者が一緒にいたりして、何となくドアに近づいたりしたら、べー、と扉が開く可能性はなきにしもあらず。よーのすけにとってはまあまあのトイレだったけれど、汚物入れがとても小さくて扱いにくそうだったり、どうせベビーシートを設置するのなら、車椅子ユーザーも使えるマルチシート付ければいいのに、と思いました。
 受付を入るとすぐエレベータがあります。5階建てで、3階以上が常設、1、2階が企画展示室となっています。今回は全館企画展です。そのため、5−3階までは、エレベータ利用を前提として順路が組まれていますが、2−1階は階段利用ルートの順路となっていました。横浜市立近代美術館みたいに、警備員さんに頼んでエレベータ通してもらうのに比べたら、自由に行き来できるけれど、1階の分は、出口から入って、順路を探すことになります。
 実は、新しい美術館だ、ということで、期待したことが一つありました。それは、「座った位置から見ても反射しない照明」です。座り位置で正面から見ると展示物って反射して、真っ白になるんです。不思議と立ち位置からだと 全く反射しないのよね。仕方がないんで、斜めから見ているのですが、ガラスのはまった額だと、それでも見えないことがあります。で、そこまで工夫してあるかな、と期待したんですが。残念。部屋によっては、天井に整然と埋め込まれたダウンライトが整然と画面に映り込みます。ショーケースに入り、上から覗くようになっている展示もあったのですが、これが位置が高くて、座り位置からは覗けません。ショーケースのガラス面が壁面よりも高くなっていて、真上からしか覗けないのです。ケースの下は完全にふさがっていますから、膝がつかえて、首を伸ばしても届きません。車椅子をショーケースに横付けして肘を縁にかけ、よじ登るようにして覗き込みました。宝石屋のショーケースみたいに、ガラス面がドーム上になっていて、横からも覗けるようになっていないと、車椅子ユーザーにはだめみたいですね。
 館内レストランが2階にあります。ここは、美術館の外からも自由に出入りでき、お値段もお手頃なので、車椅子ユーザーにも利用しやすいと思います。
 天気いいし、皇居の中、見学しようか、ということになり、門まで行ってみましたが、すでに閉園。地下駐車場に降りるのも何かイヤだったので、何となくぶらぶらと堀沿いに歩いていきます。完全にお上りさんのよーのすけ。よ:「あれ、ここって、皇居前広場?」妹くん:「そうだよ。…ここ砂利深くて車椅子じゃ無理だねえ。あ、このコンクリートのへり、車椅子の幅ありそうだね。ここ行ってみよう。」よ:「途中で途切れるかもよ。」妹くん:「それってヤだね。」そんなことをいいながら、有楽町、さらに東京駅まで、車椅子押して歩いてしまった妹くん。丸の内北口のエレベータから横須賀線に降り、ホームで役務室を捜し出して、自宅最寄り駅に連絡を取り、帰宅と相成りました。

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01/XX(日) スタジオで公開録音の見学(JR御茶ノ水・水道橋)

東京駅
(JR)
中央線ホーム−横須賀線
中央線ホーム−1F…行き止まり側に業務用エレベータ。中央線ホームは3階
地上−横須賀線ホーム…ロータリー向かいの業務用エレベータで地下4F。成田エクスプレス用エレベータにて地下5F

御茶ノ水駅
(JR)
御茶ノ水橋出口にエスカル
下りホームの東京より部分は、極端に狭くなっている上、ホームに段差があります。列車の真ん中よりも前の車両に乗る方がいいでしょう。ただし、東京駅中央線ホームの駅務室は、一番後(行き止まり側)にあるので、前まで行くのに間に合わないことが多く、後ろに乗せられがちになります。
水道橋駅
参照 1 2
神田側の出口中央線ホーム…エスカレータ
バリオホール 玄関は、道路から1m程度下がっています。階段脇の木戸から出入りさせてもらいました。裏口からはいるとすぐエレベータがあります。そのフロアは平らで、玄関部に管理人室があります。
ステラスタジオ(6F)−エレベータを降りて、また階段を上がります。
トイレ−ハンディキャップトイレはなし。洋式トイレ。ただし、原則として階段の踊り場に設置されている模様。「バリオホール」用の3Fトイレのみ廊下に設置ですが、入るのに段差はあります、トイレ内部はフラット。小さい個室なので掴まるのには事欠きませんが。
割によく名前を聞くホールだけれども、普通のホールってこんなもんなのかしらん。
バリオホールというよりバリアホールやで。

 葛飾FMの「135のミュージックワゴン」という番組の公開録音の見学に行くことにしました。DJは、バンド「135 」のメンバーであり、3月にソロデビューすることになった本田義博さん。ミニライブを兼ねた2時間程度のイベントです。
 だんだん大胆、というか、横着になってきたよーのすけ。事前に、本田義博さんのホームページで行われた人数カウントのための予備アンケートに、「たぶん行きます。車椅子ユーザーなので、天気と体調次第です」とだけ書き込みをし、後は、顔見知りの観客に手伝ってもらおう、という、車椅子ユーザーにあるまじき気楽さで出掛けたのでした。行く先はJR水道橋から徒歩10分、「バリオホール」という建物の中のスタジオです。6階ということだったので、エレベータはOK。東京だからトイレは洋式だろう。とはいえ、寸前になって多少不安になり、インターネットで検索したところ、比較的新しい施設のよう。「バリオホール」の名は、新聞のイベント欄などで時々見かけていたので、まあ、大丈夫な施設だろ、との大甘な見通しです。
 前日、渋谷に出掛けて雪に降られています。日本中が荒れ模様となった低気圧の影響が昼になってもまだ残り、多少の不安を抱えつつの出発です。今回はあまり冒険をしないことにし、乗換を減らすとともに、「御茶ノ水ならどちらの出口に降りてもタクシーいっぱいあるから」との家人の言にしたがって、御茶ノ水でタクシーを拾うことにしました。片道1時間半、1時間前着、と見積もります。
 最寄りのJR駅から出発。東京駅で乗り換えます。相変わらず地下5階から4階へ上がり、そこから業務用のエレベータに乗り換えて丸の内のロータリーへ出ます。丸の内南口から再び駅舎に入り、チップトイレの脇を入ってエレベータ。中央線ホームは3階となります。列車の最後尾へ乗せられます。
 御茶ノ水駅。本当は、ここのホーム、東京駅寄りはまずいんです。とても狭い上に、ホーム自体に段差があります。エスカルが設置されているのは水道橋側なので、ホームを縦断することになりますが、黄色い線の外しか歩けず、平均台気分を味わえます。
 水道橋側の出口、御茶ノ水橋口から外へ出ます。「いっぱいあるよ」と言われていたタクシーを探しましたが、…ない。タクシー乗り場は…と見回すと、駅の左手20m程度のところにそれらしい看板が下がっています。行ってみると、タクシー乗り場は確かなんですが、待っている人もいなけりゃタクシーもない。しかも、前の通りは渋滞中で余り動いていない様子。時間は、ちょうど家を出てから1時間半。かなり不安感が漂ってきます。
 仕方なくぽーっと待っていると、行き交う人々が心配して声をかけてくれます。「タクシー、乗せるところまでお手伝いしましょうか」と言って下さる人まで現れます。ありがとう、と断り、じりじり待つうちに、タクシー乗り場にも列が出来てきました。「今日は、いったい何でこんなにタクシーがないんだろう」と言い合いつつ、待つこと15分、やっとタクシーが現れます。運転手さんの手を借りてタクシーに乗り込み、車椅子はトランクへ。運転手さんにインターネットから落としてプリントアウトした地図を渡します。「??」という表情の運転手さんにますます不安が募ります。間に合うかなあ。。。
 にぎやかな通りを抜けてタクシーは人通りのない住宅街へ。しかも結構な急坂。経験的に言って、とってもとっても「やばい」雰囲気です。ああ、ここですね、と言われた建物は、これがホール?という感じの、一見普通のマンション風のビル。しかも、げ、玄関に入るのに5段くらい階段がある。予想外の建物です。今日は、ケータイ番号を知っている友人はいなさそうだし、さーて、どないしよ、と思いつつ、タクシーのドアが開くと、スタッフらしい青年が二人駆け寄ってきます。
 「かつエフのお客さんですね。」(、ではなくてなんだもん)「あ、そうです。」「じゃ、階段あるんでこちらから。」と玄関脇の木戸を開け、スロープを降ろされます。「あ、そこの坂、後ろ向けて降ろしてね。」ちょ、ちょっと、何でそこまで気が回るんだ、この人達は。予想外の展開についていく間もないうちに、エレベータで6階に連れて行かれます。エレベータを出ると、え、階段…? 階段沿いにお客さんがすでに列をなしています。「やあ、来たね」の声に上を見ると、いつもライブを仕切っていて、細々とした配慮をして下さるスタッフさんです。あと、5段ほど階段があるので、車椅子ごと持ち上げてもいいか、と聞かれます。お願いします、というと、すっと、男性スタッフが3人、集まってきます。
 しかし、その前に。「すみません。お手洗い…」。あちゃあ、まずいです。けど、こういう展開になるとは思わなんだから…。エレベータ脇に階段があり、踊り場に「お手洗い」があるのが目に留まります。まさかそこしかないんじゃ…、と不安になっていると、男性スタッフ3人衆、3階なら階段ないですから、そこ行きましょう、と言ってくれます。しかし、あなた方男性、私は女性…、と、ひるんでいると、上から、知り合いの女性が助けに出て来てくれました。が、すでに遅し。よーのすけはエレベータに押し込まれます。
 ああ、本当に申し訳なかったと反省してます。それでなくても忙しい開演前。3人もの男性スタッフさんにトイレ待ちをさせるとは。とはいえ、3階のトイレも、坂になった廊下に設置されています。女性用は廊下の高いところにあったので、10cm程度の段差一つで済みますが、男性用は、さらに3段程度のせまこい階段を上らねばなりません。これで、和式だったら、どないしよう、とおそるおそるドアを開けると、さすがは東京で民間の建物だけあって、和式が一つだけという構成です。大急ぎで済ませて、6階へ。
 3人のスタッフさんによって、スタジオのドアの前まで「おみこし」にされます。行列に寄ってもらい、狭い階段を上がります。
 並んで待っている人には、いつものことながら申し訳ないんですが、他の観客が入る前に、会場に入れて頂きます。入り口側の真ん中へんに置いてもらうと、他の人たちが入場してきます。
 楽しい時間はあっという間に過ぎ、終演となります。何しろタクシー拾えそうもない場所で、問題は帰りだな、と思案していましたら、うまい具合に、帰りがけ、先ほどトイレの助け船に出て来かけた女性と話をすることができました。一緒に駅まで行ってもらうことにし、よーのすけは一足先に玄関に降ろされます。「タクシー呼びますか。そこの管理室から呼べますよ。」とスタッフさん。なんて気が回る人たちだろう、と思いつつ、友達と帰りますので、と、答えましたが、心配そうにしています。とはいえ、待ってて頂いても仕方がないので、戻ってもらいました。まもなくくだんの友人が出て来ます。車椅子を押してもらって、5、6人の人たちと10分ほど歩き、水道橋駅へ。
 水道橋駅後楽園側にはエスカルがあるのは知っていましたが、御茶ノ水側は?と思っていると、エスカレータに乗せられました。くだんの友人は反対方向なので別れます。一緒に帰ってきた他の人達が一緒に付き合ってくれます。一本やり過ごして御茶ノ水と連絡を取り、御茶ノ水乗り換え・東京駅へ。中央線ホームで、他の人々と別れます。行きと同じように、丸の内から業務用エレベータで横須賀線に到着します。
 出掛けるたびに、いろいろな人の好意に支えられていることを実感するよーのすけですが、今回、それがとりわけ強く出た外出だったと思います。この日、驚いたことに、帰り際、「夕べ、○○さんから問い合わせがあったんですよ。」と、主催者の方から言われたのです。○○さんって、よーのすけの知らない名前です。あとから、この日来られなかった友人が心配して、そのまた友達に電話をし、その人が主催者に問い合わせをしてくれたことがわかり、とても感激しました。
 こういうケースでは、普通、主催者側に事前問い合わせをするケースなのだと思います。そして、問い合わせていたら、さすがのよーのすけもひるんで出掛けなかったでしょう。知っていたら、あまりにも周囲にかける負担が大きいと判断するところです。建物を造る上での不備には厳しいよーのすけですが、それを利用するだけの人にまで、手を煩わせたくない、それが正直な気持ちです。無防備に出掛けちゃったよーのすけが、ある意味非常識で無鉄砲だったことは反省する一方、ご都合主義のおとぎ話のような展開に、ただ呆然とするばかりでした。

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01/XX(土) みぞれ混じりの渋谷駅

渋谷駅
(JR)
湘南新宿線ホームから南口(ハチ公前)
湘南新宿線ホーム−中央口改札…エレベータ。ブリッジを渡る。結構距離があるが、歩く歩道が設置されている。
中央口改札−山手線ホーム…エスカレータ逆送
山手線ホーム(2F)からエレベータで地上改札へ
東急プラザ口から山手線ホーム
改札を入って後、エスカレータ
品川駅
(JR)
山手線ホーム横須賀線ホーム…開放エレベータ

 「夜から雪かいな。」東京で雪降ったって積もりゃしないと思ったけれど、山の上の我が家。最寄り駅まで帰ってからが危ない。ぎりぎりまで迷った末、ま、タクシーまで止まることはないやろ、と腹をくくって出掛けることにしました。行き先は青山大学。定例の研究会です。
 再びの湘南新宿線。何しろ雪が降ろうというこの寒空に、デッキに乗せられたんではたまったものじゃありません(先月の湘南新宿線レポート参照)。最後尾に乗れ、という駅員の指示に、「二階建て車両なので、デッキになってしまうんですけど」と抗議したところ、「普通の横須賀線車両ですよ。」二階建て車両は滅多に来ないんですと。先月は運悪くその滅多に来ない二階建て車両にぶつかった上、配車表を確認しない駅員さんと、自分の乗った列車の車両配置を知らない車掌さんにあたっただけらしい。二階建て車両の車椅子用車両位置を確認できなかったのが残念。
 一番後ろの車椅子用車両の車椅子ブースに収まって、渋谷駅までまっすぐです。渋谷駅には、渡り板を抱えた駅員さんが待機しており、電車を降ります。ホーム中程のエレベータまで、今回は駅員さんが車椅子を押していってくれます。渡り板を持っていると、車椅子を押してくれない駅員さんも多いので、この日は運が良かったです。エレベータ脇のケースに、渡り板を収納します。
 エレベータで下に降り、長いブリッジを渡ります。歩く歩道が設置されてます。ここで、駅員さん、トランシーバにて「エスカレータ逆送お願いします。」ブリッジを渡りきるとそこは「中央改札」の出口です。しかし、よーのすけは青山通りに出なければなりません。そのため、エスカレータで、再び山手線のホームに降りてから、さらにエレベータで地上に降ります。品川方面のホームにつながるエレベータの存在を確認し、帰りは品川のホームまで連絡無しで行けるな、と、予測します。
 南口(ハチ公前)からタクシーに。タクシー乗り場までは、駅員さんが連れていってくれます。乗り込むとき、運転手さんはもちろんのこと、並んでいるお客さんも手伝ってくれます。
 帰途についたのは6時半頃。外に出てみると、大きなみぞれが降っています。渋谷まで一緒に帰ってくれる人を募り、タクシーを拾ってもらいます。さすがにタクシー少なくて。いつもはタクシーがひしめいている渋谷駅のタクシー乗り場も、タクシー空っぽ、人が行列していました。
 さて。渋谷駅にはついたものの、どうも来たところとは様子が違う。「東急味の街」なんてのがあるし、駅の看板は「東横線」。連れの友人も「どっちに行けばいいんでしょう。私、渋谷っていつも迷うんです。」と頼りない。毎日飯田橋に通っている人にそんなこと言われちゃ、よーのすけはいったい…、と思いつつ、手近にあったJRの改札をくぐります。
 品川経由、横須賀線でお願いします、というと、ここは、エスカレータで山手線ホームです。やはり、来たところとは違う改札だったみたいです。来た列車にすんなり乗せてもらいます。品川駅開放エレベータですので、問題なし。広いので大変ではありますが。
 とはいえ。行き先の問題がありますから、運良く連絡無しで品川まで辿り着けたとしても、そこから行き先に連絡取る場合、「駅務室」に出向く必要があります。横須賀線の場合、エレベータはホームの東京よりの端っこ。車椅子用車両もそのあたりです。さて、ここから駅務室まで、どれくらいあるんでしょう。「待ってて下さいね」と駅務室に走った駅員さんがどこまで行ったのか、確かめることは出来ませんでした。列車が入るのと同時に駆け戻ってくるほどには遠いようです。

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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[MailTo_ocean@mbc.nifty.com]