ハンディキャップトイレ・チェックリスト

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 「車椅子マーク付き・大きなスペースのトイレ発見。ここはハンディキャップトイレ設備あり」なんて、簡単にOKにしてません?。  ここでは、「ハンディキャップトイレ」の落とし穴、つまり、ハンディキャップトイレの条件を、よーのすけが想像しうる限りで、まとめておきます。
 評価ABCとなっていますが、必ずしも、ランク付けするものではありません。でも、使い勝手は相当違うので、これくらいの情報は欲しいな。
 これは、あくまでも、よーのすけの趣味で作ったものですので、決して一般的な基準ではないし、バラエティ豊かな障害を持った人に対しては不十分なものであることを予めお断りしておきます。まともなチェックリストは、まともな研究期間が出しているはずですので、そちらを探してください。(なかったら、問題だぞ。)


【  チェックリスト  】
「悲喜劇」…「悲喜劇ハンディキャップトイレ」の該当個所
「注意」…「ハンディキャップトイレ・使用上の注意」の該当個所
項目記号チェックポイント
(イ)
設置場所

悲喜劇

一般トイレの内部、ないし隣接して、男女別・共用をそれぞれ設置
一般トイレの内部、ないし隣接して、男女別・共用をいずれか設置
一般トイレとは別所に、共用を設置
《できれば勘弁》職員用のバックスペースに設置。
《論外》別所にあり、鍵がかかっている。せめて、施錠してある旨と連絡先が明示されているかどうか。
《論外》男女いずれかのトイレ内(男性が多い)に一つだけ設置
《論外》トイレにアクセスするのに「階段」がある
Point一般のトイレとは別置してある場合、見つけやすいか。普通の動線上にあるか。人里離れた(笑)場所にある場合、危険度が増す。したがって、施錠して管理せざるをえなくなる。それでなくても「トイレ」は痴漢の名所。
(ロ)


悲喜劇

注意
スライド式で、大きな取っ手があり、軽く開閉できる(手にマヒがなければ、指2本を引っかけて開くくらい)。開いた状態で扉が静止する。
電動扉。
スライド式で、大きな取っ手があり、軽く開閉できる。開いた状態で扉が静止しない。
スライド式で、大きな取っ手があるが、開閉は、重い。開いた状態で扉が静止する。
スライド式で、大きな取っ手があるが、開閉は、重い。開いた状態で扉が静止せず、勝手に閉まる。扉のお尻にあるストッパー機構が破損ないし設定し忘れられていることが多い。)
《できれば勘弁》アコーディオンカーテン
《意外な落とし穴》ハンディキャップトイレそのものの扉は、スライドドアないしアコーディオンカーテンだが、トイレコーナーへの入り口に押し戸がある。
(ハ)


悲喜劇
指一本引っかけて操作できる機構
電動扉。便利なのだが、中から「閉」ボタンを押せば、外で「開」を押しても開かないはずが、たまにせっかちな人がいて、力任せに開けると開いたりするので、実は信用できない。
つまみの小さな鍵
鍵は大きいが、扉がゆがんでいるなどで、両手を使わないと閉まらない
《警戒》空回り防止装置付きの鍵。鍵をかけるのが難しく、壊れていることが多いので、要注意。
《論外》車椅子に座っていては鍵に手が届かない。
Point鍵の取り付け位置。成人の立ち姿勢でウエストから膝ぐらいが限度。車椅子に座っていると膝がつっかえるので手が届く範囲は意外に小さい
つままなければ操作できないかどうか・片手で操作できるかどうか、は、利用可能なユーザーの幅を決める重要なポイント
破損ないし調子が悪くなっていることが多いので、マップ製作等にあたっては、掛かり具合をちゃんと確かめること。
(ニ)
明かりの点灯スイッチ
自動で点灯・消灯
車椅子に座って手が届く位置にスイッチを設置
《論外》立って目の高さに設置
Pointできれば、トイレ内部に設置したい。外に設置すると、気の利く人が通りすがりに消したりするから。
Pointスイッチの取り付け位置。成人の立ち姿勢でウエストから膝ぐらいが限度。車椅子に座っていると膝がつっかえるので手が届く範囲は意外に小さい
(ホ)
中の広さ
車椅子で楽に一回転可能
車椅子ごと入れるが、一回転は厳しい。半回転くらいかな。
普通のトイレに手すりを付けただけ。
Point一見十分な広さがあるように見えても、部屋の形とトイレ設備の配置が悪く、なぜか一回転できないトイレというのがある。
(ヘ)
手すり

注意
便座に座り、手を前方にのばした所に手すりが来る。両側に設置され、壁側にL字手すり。反対側に開閉式の手すり。
壁側にL字手すり。反対側に短めの固定手すり。
両側に短めの固定手すり
片側L字手すりのみ
片側のみ短めの固定手すり
《論外》ない。手すりのないハンディキャップトイレって…一カ所知っているのだけれど、広いだけにとっかかりがない。シュールだぞ。
Point正しく付いていないことがあるので気を付けること。必ず便座に座って、手が届くかどうか確かめる。特に前方に十分な長さがあるか。
実際に見たことがある失敗としては、L字手すりの手前と奥が逆に付いている、可動手すりが天地逆になっていて、固定できない、等があった。
(ト)
便座
一般的なO型便座
一般的なU型便座
長い便座
(チ)
マルチシート
ビニール製の寝台
跳ね上げ・または折り畳み式。操作性に注意。
ない
(リ)
汚物入れ
便座に腰掛けた状態で手が届く位置にあり、片手で操作可能。また、介助者側からも手が届く位置にあることが望ましい。
便座に腰掛けた状態で手が届く位置にあるが、ふたを開けて、もう一方の手で汚物を捨てる仕組み。
《論外》足でペダルを踏んでふたを開けるタイプ。
《論外》ない。
(ヌ)
ペーパーホルダー
便座に腰掛けて、横または前方にあり、片手でちぎり取ることが出来る。介助者側からも手が届く位置にあることが望ましい。
紙をちぎるのに両手が必要。
《論外》背後などにあって、ペーパーホルダーに手が届きにくい。(介助者が使いやすい位置にしかペーパーホルダーがない。)
(ル)
水洗レバー
便座に座った位置からも、車椅子にトランスしてからも、手が届く位置に水洗ボタンがある。
《注意》ボタンの堅さ。
赤外線式自動水洗。
《注意》センサーの位置。便座上で少し身体を動かしただけで水が流れてしまうものがある。「びっくり反応」がある人だと、それで排便できなくなることも。(そういう位置にセンサーがあると、便座から立っても流れない(^^;;)。)
《できれば勘弁》水洗タンクにレバーがある。たとえ引っ張りやすいようにオーナメントが付いていても、好ましくない。
Pointそもそも水が流れるかどうか。そんな馬鹿な、と思うかもしれないが、意外に危ない。利用者の多い一般トイレと違って、故障に気づかれにくい上、いたずら防止のためなのか、わざわざ元栓締めて、忘れられていたりする。
(ヲ)
洗面台
Point洗面台の下に足が入る空間があるか。特に、一般のトイレ内にあって、洗面台が共通な場合に注意。
洗面台の下が物置にされていないか。
鏡に顔から胸くらいまでが映るかどうか。
(ワ)
蛇口の取っ手
赤外線センサー
長い補助レバー
普通のネジ
Pointそもそも水が流れるかどうか。そんな馬鹿な、と思うかもしれないが、意外に危ない。利用者の多い一般トイレと違って、故障に気づかれにくい上、いたずら防止のためなのか、わざわざ元栓締めて、忘れられていたりする。
(カ)
その他
Point所持品(カバンなど)を置くスペースがある
Point非常呼び出しボタンの有無。どこにつながるのか。
Pointいつでもすぐに使えるか。設置場所とも関連するが、物置になっていたり、元栓が閉まっていたりしないか。

その他、こんなのもあるよ、というものがあったら、メールをください。
よーのすけがわかる範囲なんてたかがしれていますので。

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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[Mail_ocean@mbc.nifty.com]