これから車椅子を作る人へ -5

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車椅子メーカーの違い

メーカーによって得意分野の車椅子があります

 車椅子メーカーは、最近増えてきましたが、得意分野があります。医療施設向きの安価な車椅子を大量生産しているところ、市町村による交付の範囲内で製作するのを得意とするところ、スポーツ用マシンに力を入れているところ、行政交付は二の次にしてでも、ユーザー本意の革新的な車椅子づくりを重視しているところなどです。
 したがって、納得のいく車椅子を作るためには、車椅子メーカーの選定をしたいところです。

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「代理店」にご注意

代理店が作ってる?

 車椅子メーカーは全国に数えられる程度しかありません。ここまで述べてきたように、車椅子はきわめて個人的な性格が強く、高度なカスタマイズを必要とします。したがって、車椅子メーカーは、通常代理店制度を採っています。地域の代理店が間に入り、代理店・ユーザー・医師の三者で製作品の計画を立てます。したがって、実際にユーザーが相対するのは、メーカーではなくて、代理店であることが多いです。代理店は、通常複数のメーカーの代理店をしています。とはいえここも、上述のような得意・不得意分野があるようです。どうも納得する車椅子ができそうにない、と感じ、魅力的な車椅子メーカーを見つけることができたなら、メーカーの方に直接連絡をして、代理店を紹介してもらうのもいいかもしれません。

【車椅子製作の流れ】
車椅子製作の流れ

メーカーは、完成品を提供するケースと、フレームパイプ・アルミパネル・シート生地・タイヤ・ブレーキといった「部品」のみを提供し、代理店がそれらを加工、組立するケースとがあります。
 前者の場合、代理店は、「見立て」の力だけしか要求されませんが、後者の場合、代理店の技術力も車椅子の出来を左右します。

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地域の代理店の強み

 最近は車椅子のベンチャーも増え、機動力と熱意と新しい技術力ですばらしい車椅子を作って全国展開している企業も増えてきました。こういうところは、地域で代理店を探すのにちょっと骨が折れますが、どこへでも営業マンが出張してくれるらしいです。
 しかし、車椅子はメカものですから、近くでメンテナンスができるというのも大事な要素になると思います。自動車整備工場や、大工さんが近くにいてくれる方がいいのと同じです。

 そして、もう一つ、地域で仕事をしている代理店の強みがあります。それは、公的補助制度にとっても詳しい ということです

 ご存じの通り、現在、社会福祉の管轄は、地方の管轄になっています。したがって、助成制度は、ユーザーが属している地方自治体により異なります。地方分権の方針にしたがって、装具交付の事務も、県からさらに市町村レベルに降りてきています。
 しかし、その反面、事務は下に降りてきていても、実質的な権限は、県その他が握っていたりして、申請窓口である市町村の職員は、意外に制度を知らなかったりします。代理店の指示通りに手続きをしようとして、市町村窓口で、「いやー、こういうことは、できないはずですよ」と言われても、しばらくしてから、「すみません、○○製作所さんの方からお教えいただきまして、そうしなければいけないことがわかりました。もう一度手続きに来てください。」という結果になることがままあるほどです。

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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[MailTo_ocean@mbc.nifty.com]