「脳性マヒ(Cerebral Paralysis =CP)」。字面見ると、ものすごく怖そうです。なんてったって脳がマヒするんですもの。
症状が一概に言えず、「アンタもワタシも脳性マヒ?! うそぉ。」ということがしばしばです。障害が多岐にわたるせいか、制度の使い方とかも、まとめることができないみたいですね
症状としては多岐にわたる脳性マヒですが、一番大きな定義がこれ。
「脳に損傷を受け、主に手足を動かすための筋肉が正常に機能しないこと」。 (by 厚生省)
それによって、脳からの命令が混乱し、正常な姿勢や運動を維持するための「姿勢緊張」と呼ばれる体のバランスを作る調整機能がうまく作動しなくなります。それで、座ったり、立ったり、手足をコントロールしたりがうまくいかないわけです。
よーのすけのケースで言えば、立っていて、出し抜けに膝が縮んだり、上げた足が降りなくなったりするのは、たぶんその典型的な症状。あと、水を入れたコップを一定時間以上持ってられないとか。
受胎から生後4週間以内に脳に損傷を受けて、満2歳までに発症します。
とゆーか、どっかヘンだけど、検査してもどこも悪いトコが見つからないと、「脳性マヒ」の診断がでるような…。
よーのすけの母子手帳を見てみ。
あかちゃんが脳に損傷を被る原因です。いくつかあります。
発症確率は1000人に1人と言われています。また、近年では、出生時の死亡率が下がったこと、出生前、出生時のテストによって、超早期の発見数が増えたことによって、1000人に2人とか、3人という値を出している資料もあります。思いのほか、多いんです、脳性マヒ者って。
かつては、多少重度でも、脳性マヒの身体障害者手帳はたいてい2級になっていました。どうしてか。思いっきりランボーな言い方をすれば、「マヒはあっても、一式全部そろっているから」です。
脳性マヒの場合、なかなか「機能全廃」にはなりません。だからといって、まともに機能するか、っていうと、そうならないことが多いんで、「マヒあり。ただし全廃ではない」ということで、なんでも「2級」にされていました。
しかし、1990年代に入って、障害が生活の質に対して及ぼす困難さを重視する方向に基準がシフトしました。それによって、脳性マヒ者の級数判定は実態に即したものになってきています。
脳性マヒ者の場合、障害程度の判定を受ける機会は3度あります。最初は、「脳性マヒ」と判断される乳幼児期です。しかし、最初に手帳を交付される乳幼児期には、はっきりとした機能障害を見つけることは困難です。障害があろうとなかろうと、子どもというのは不器用なものですから。このとき交付された手帳は、使おうと思えば一生使えます。
次に判定を受けるのは、20歳の時。保護者に支給されていた「障害児扶養手当」が、本人に対して支給される「障害基礎年金」に変わる時です。手帳の等級は参考にされますが、必ずしも同じではありません。判定の申請先も、手帳は「福祉課」ですが、年金は「市民課」(自治体により名称は異なる)になります。このときに、ちゃんと判定をしてもらわないと、年金がもらえなくなります。
そして3度目。これはしなくて済めばしたくないものですが。
20半ばくらいからだんだん体力が落ちてきます。「二次障害」などというものも起きてきます。ここで2級以下の人は、より重度の手帳を申請することになります。