あばばさんの車椅子製作レポート 4
 玄関[I]くるまいすのつくりかた[R]>第6弾 [1] [2] [3] [4] [5] [6]

4台目〜

3月:長崎に戻ってきて、問題発生。屋内で 乗る身体に合った車椅子がない!! どうしよう?1台目の車椅子に乗るしかありません。とりあえず、ロホクションのロータイプを補装具申請して凌ぐことにしました。

>5月:やっと申請がおりて、ロホクッション購入となりましたが、2バルブを頼んだのに、業者の手違いで1バ ルブ。サイズも車椅子に合わず、特に奥行きが足りないので脚部(膝裏近辺)に変な負荷がかかるようになってしまいました。

5月〜9月:我慢して乗ってきましたが、クッションサイズがあっていないのもあり、逆に褥瘡の危険性が高くなってきました。

申請開始

9月16日:長崎市障害福祉課を訪問。

 現在使用している平成13年1月に交付された車椅子をデジカメに撮って、補装具担当の職員の方に見せて、「今この状態で使用しているんですが、身体に合っていなく、褥瘡も出来かかっている(誇大表現)。モジュール式でないので、如何する事も出来ません。それに、この車椅子を申請 た時と比較すると、かなり状態が悪くなってい て、今の障害状況にも合っていないんす。それに、交付された後すぐに、自腹で車椅子を購入したんですが、それも身体に全然合うものじゃなくて…耐用年数の5年に達していないのは充分承知していますが、このまま乗り続けると身体が持たないと思って、相談に来たのですが…」

 市役所の担当者は、「とりあえず申請が通るかどうかは分かりませんが、とりあえず申請だけはしてみましょうか」何か物分りの良い人だな、役所の人にしては珍しいとちょっと感動。「申請には、手帳申請の指定医の意見書と業者の見積書が必要なんですが今どこか通院されてますか?」「あのぉ、そこがちょっと相談なんですが… 今、大学病院とM病院に通院しているんですが、どちらとも1台・2台と身体に合わないモノを買ったK義肢さんが出入りの業者で、はっきり言って車椅子の知識があまりないんですよ。それなので、出来れば車椅子の知識の高い業者で今回は購入したいと思っている んですが…」「まぁ、そうでしょうね。どちらかというと義肢や装具をメインに取り扱っている会社だから、車椅子は得意分野ではないでしょうねぇ。」と言って、補装具指定会社のリストを持って来て、あんまりしちゃいけないけど、 と言って、鉛筆で数社の会社名に○を付け 始め「まぁ、こう言った会社で申請される人が多いですよ。じゃぁ、こうしましょう。この数社から選んで頂いて、見積書を作ってもらって、更生相談所の来所判定にしましょうか?見積もりが出来たら、直通でお電話して下さい。」おぉ〜、何て柔軟な対応なんだ。ココ本当にお役所かしらん。と思うほどの対応で心底びっくり&感動&感謝。

作成開始

9月17日:さっそく、業者に電話。

 担当の人が○を付けてくれた業者ではなく、昨年の夏休み職安の人と共に職場訪問した会社に電話。この会社は無限工房と言って、担当の人が○をしてくれ た内の一つと同じ系列で、所在地も一緒。○をしてくれた所はどちらかと言うと座位保持を得意としていて、工房椅子と言われるモノ・重度の障害児で普通の車椅子だけでは座れない場合、加工を施したりするのを得意としているので(こちらも見学済み)無限工房を選びました。

 電話には最初、事務員らしき女性が出て、営業担当に交代しました。「車椅子の買い替えを考えているので、お電話 したんですけど」「ご希望のメーカーとかありますか?」「OXかパンテーラにしようと思っているんですが…」パンテーラと言った瞬間電話口の営業の声のトーンが変わりました。(無限工房はパンテーラの総代理店と言っても良いくらいの会社なのです)「パンテーラを希望されてるんですかぁ。良いですねぇ。早い方が良いでしょうから今日の午後、ハートセンター(長崎市の障害者施設)でお会いしましょう。私は、Kと言います。日進の車椅子に乗ってます。えーっと」「私はクイッキーの2HPに乗ってますから直ぐ判りますよね。」「今、クイッキーに乗ってるんですか?どこで買いました?(長崎県内でクイッキーを扱う店はありません)2年間、仙台の訓練校に行っていまして、その時アクセスTから」「アフター悪かったでしょ?」「そうですね。とっても。」「では、午後お会いしましょう。」

 3時の待ち合わせが、先方の都合で30分遅れになり、私は3時30分ギリギリに約束のハートセンターロビーに到着。しかし、K氏らしき姿なしちょっと、お客さん待たせるなんてちょいといただけませんわねぇ…と思っているうちに10分程遅刻して登場のK氏。 とりあえず、ロビーは人が多く話し難いので3階の体育館前のくつろぎ場のような場所へ移動。

 「体格良いねぇ〜、OXではちょっと頼りないなぁ〜」へいへい、そうでしょうとも。わたしゃ滅茶苦茶体格良いですよ。ダイレクトに言やぁ、かなりの巨体・おおデブですよぉ。やっぱり、私にゃOXは無理なのよ。 気持ちは半分以上、パンテーラに傾いてたけどね。「やっぱり、OXキツイですよね。パンテーラの方に気持ち傾いていたんで、パンテーラで いきます。」車椅子からソファーに移動して細部の寸法を取りました。「オプションでいるのは、側板くらいかな」 私が、更生相談所で来所判定を受けるように考えていると言うと「ココ(ハートセンター)の先生から判定受ければ良いじゃない。こっちで手続きとろうか?」「実はまだ、耐用年数の5年経ってないんですよね。障害福祉課の係の人がとりあえず申請だけでもしてみようか。って事で今回申請することになったんですけど、全額自腹って可能性もあるんですよね・・・」「支払いは、3回くらいの分割なら上司に掛け合ってみるよ。クッションは今回どうする?」「実は、クッション変えるだけで凌げるかな、と思って3月に補装具申請しちゃったんですよ」「それがなきゃ、クッション分を上乗せして申請しちゃうんだけどねぇ。」

 そんなこんなで、K氏と別れました。帰宅後、散々母Fと協議結果、全額自腹になったとしても購入。その場合、K氏提案の分割払いのお世話になる事に決定。9月21日:午前無限工房へ電話、助成金が出ても全額自腹になっても購入の意思を伝える。また一緒にお言葉に甘えて分割払いをさせてもらう事になるかもしれない事も伝える。数週間後:やはり側湾傾向があるので、アームレストが必須と思ったので、K氏にやっぱりオプションでアームレスト付けてくれるよう連絡4週間しても何の音沙汰なし…K氏もY氏と一緒の類いかぁ。早い方がって言いながら、丸4週間何の連絡もなし。バスケの練習中、顔を出して私を確認したのに何も言ってこなかったK氏。ここで母F登場、私が明日電話してみる、と言います。

10月18日:母F無限工房へ電話。

見積もりの事なんですが4週間経っているんですけれど、その後如何なってるんですか?

10月19日:母Fの電話攻撃が効いたのか、朝、今日の午後ハートセンターで会いましょうと電話アリ

 支払い等もあるので母Fも参上!! 待ち合わせ時間、20分過ぎてもK氏現れず、結局K氏30分近く遅刻!! 見積もり書と車椅子処方箋を渡してもらい、細部のチェック。

 クッションは、どうするかと聞かれ、今使用のJ2クッションはこれからも屋内用として使う為、3月に申請したロータイプのロホクッションをそのまま使うか・・・悩んだ結果、ロホクッションのハイタイプで2バルブのモノを一緒に購入することに。車椅子のカラーはと聞くと標準では青しかなくオプションで黒アリ 他の色は、¥30,000で外部発注で出来るらしい。¥30,000なんてお金母Fが許す訳がないのでオプションカラーの黒に決定。黒は少し時間が掛かるのと、座幅42センチも時間が掛かる可能性があるので、どうせ申請が通らなくても購入するので、現時点でスウェーデンへ発注することになる。最初言っていた、ハートセンターで判定と言う話しはどっか飛んで行ってしまったようなので、とりあえず手帳指定医に意見書を書いてもらわねばならない。

診断書を取るのも大変

10月20日:障害福祉課に電話して大学病院の神経内科の主治医が指定医かどうか確認。大学病院神経内科に電話。主治医の診察日を確認すると、月曜日しか診察しない事が分かる。

10月21日:麻酔科受診のついでに、9階の神経内科の受付に寄り、意見書を書いて欲しいと預ける

10月22日:夕方、大学病院神経内科より電話があり、診察したいと言うことで、月曜日の午後2時に予約をとる

パンテーラ試乗

10月27日: 午後、ハートセンターでパンテーラS2の座幅42センチに試乗して欲しいとK氏から電話アリ。去年の職場訪問でちょび〜っと乗せてもらった事はありますが、本格的な試乗は初めて。ドッキドッキです。他社のキャスターホイールはオプションで今も履いている、フロッグレッグが取り付けられたりするのですが、パンテーラは無理。一番の不安は路面から受ける衝撃。衝撃=疼痛となるので、衝撃を吸収しちゃったらどうしよう…と不安感があったのですが、乗ってみると軽い、点字ブロックの上をワザと色んな方向から通ってみても、今乗っているクイッキーよりも衝撃が少ない・・・感動・・・・早く我が物になる日が来いと念じちゃいました。K氏も「このデモ車でぴったりだね。」背もたれがちょっと高く、漕ぐ時に肩甲骨に当たるので、デモ車よりも1段下げた35センチのバックレストに決まりました。早く来い来いパンテーラ♪~の上機嫌で帰宅しました。

意見書作成

11月1日: 神経内科診察。予約時間から1時間遅れの診察開始。主治医、何で車椅子を買うことにしたのか尋ねてくる。何処かで買うように言われたのか?などなど身体にあっておらず褥瘡になりかけてもいるので、申請することにしたんですけど…医師、ベッドに横になるよに言う。簡単に反射の有無を確認。その後、ちょっと外で待つように言われる。でもどうやら、この診察の前にすでに意見書は出来上がっていたようである。では、何故診察が必要なの?と思い帰りかけていると、17日に大脳から筋電図の検査をしたいからと言われる。したいからじゃなくて、イヤでもするつもりなんでしょと思うがハイとだけ返答。病院から直接、市役所へ行き障害福祉課へ必要書類を提出。どれくらいの時間がかかるか一応尋ねると、1ヶ月くらいです。との事本当に1ヶ月くらいで大丈夫?と思うもお願いしますと市役所を後にしました。

完成か?

11月4日: 無限工房・K氏から電話。ロホクッションの大きさが特注になるので製作に1ヶ月くらいかかるのと、2バルブにすると2ヶ月くらい必要で価格も¥60,000くらいになるとの事(標準サイズの場合¥43,000程です)。ちょっと考えましたが、長く乗ることを考えて2バルブで製作してもらように決断11月11日:無限工房・K氏から電話。ロホクッションの 2バルブの割り方の確認。座幅の関係で正方形ではない為、空気が入るセルを5/4/5/4で割って良いかの確認。とりあえず、今このようなペースで製作しております。また新しい状況が加わりましたら、追ってレポート致します。

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出しゃばり家主のコメント

 まだ車いす未完成な状態で投稿して頂いたので、また、続きがあるのだと思います。

 症状が進行して行かれているあばばさんの車いす製作記です。症状が定まらない方には、何人かご訪問頂いていますが、これほど急激に変化している方の装具製作レポートは初めてです。装具の仕上がりに身体の変化が付いていかない困難さがよくわかります。

 それにしても、病院というところの総合的な知識の貧しさよ。本当に専門的な一部分にしか知識がなく、知識どころか情報もないとは。平成13年ならば、すでに松永製作所はMax Pleasuerシリーズを出し、しかも、交付で収まるSSも出てます。手元の資料によれば、「デザインがよく、軽量」との評判だったようです。情報があれば、合わない車いすに苦労する必要もなかったのに。そういう家主も車いす情報へのアクセスに失敗しっぱなしで、車いす作り損ねてるわけですが。

 進行する病状への不安を抱えつつ、事態を理解しているんだか理解していないんだかよくわからない医療関係者や業者、ケースワーカーを相手に戦い抜いているあばばさんのねばり強さと果敢さには、すごいなあと素直に感心します。今度こそ、心地よく使える車いすが出来るといいですね。

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