あばばさんの車椅子製作レポート 2
 玄関[I]くるまいすのつくりかた[R]>第6弾 [1] [2] [3] [4] [5] [6]

1台目(日進医療機器/NA−110A)

 平成12年11月に長崎市より身障手帳の交付を受けました。1種2級『両下肢機能の著しい障害』当時も今もRSD=反射性交感神経性萎縮症などという病気、世間にも医師にも認知されておりませんので、両下肢〜の前に本来付くべき何々によるという部分が削除された、中途半端な障害者手帳になってしまいました。

 12月補装具申請で、車椅子・クッション・ロフストランドクラッチ を申請することになりました。当時は、全く実用性のないもののリハビリでは歩行練習がメインでありました。私が入院しているのは、麻酔科。当然、主治医は身障手帳にしても車椅子処方にしても何の知識も持ち合わせていませんので、相談する相手もいません。大学病院に出入りする補装具業者は1社のみ、この業者と取引するしか術はありませんでした。

 ただ、最初PO(義肢装具士)と顔合わせた場所がリハビリ室だったので担当PT(理学療法士)が「自分で車に積み込めるようなタイプで・・・」と言っただけで私の車椅子選びは始まりました。POが病室に持ってきてくれたパンフは日進とカワムラの2社のみ。しかし、2社のパンフのページをいくら捲っても私の頭に描かれた実用的な車椅子など1台として載っていないのです。仕方なく、当時病院で使用していたタイプに似た車椅子のアルミ製を注文。注文にあたり身体の細部の寸法を測るなんて行為はもちろんありませんでした。

1台目 「日進 NA−110A」
日進NA−110A/正面日進 NA−110A/斜め前

 クッションは5センチ厚のウレタン性のモノ。クラッチは黒のアルミ製。価格は、車椅子=約¥112,000・クッション=約¥7,000・クラッチ=約¥10,000。所得税非課税世帯でありましたので、自己負担金ゼロで平成13年1月中旬、ヘルニアの手術をしたM病院に入院中に交付されました。

2台目(松永製作所 MM−001 自操タイプ)

 M病院でリハビリ、自宅に帰る準備をしながら入院していました。退院しての日常のアシになるモノは「自家用車」。免許は持っていたものの、完全にバイク命で、今でも車椅子になってなにが一番ツライ?と聞かれたら「ギア付きバイクに乗れなくなった事」と即答してしまうほどバイク馬鹿ですので、車買うなんて思ってもいなければ、車の種類も知らない。

 そんな状態でしたが、平成13年3月にちょうど免許の更新で免許センターまで友達に連れて行ってもらいました。その車はダイハツのムーヴ。帰りに車椅子積み込みシュミレーションを運転席に座って試したらいい具合だったのと、以前同じ友達が外出させてくれて乗ってきた車、日産のマーチには積み込みが厳しかったので、ワゴンタイプにしようかな?と漠然と考えていました。あぁ〜、スズキのワゴンRなら普通車タイプもあったようなとの思いと、週1回M病院から大学の麻酔科に受診しておりその道のりにちょうどスズキの販売店があったのでかる〜い気持ちで立ち寄ったら、いつの間にかスズキ車購入となってしまいました。四輪車に愛情が如何しても湧かないので、絶対中古と決めていたのですが、ワゴンRは軽しか中古が今ないという事で車はワゴンR軽に決定。販売所で車椅子積み込み動作をやってみると今乗っている車椅子では非常に積み込み難い事が分かり、いずれ屋内と屋外の車椅子の乗り分けをしなければいけなくなるので、自費で本当に実用性の高い車椅子を購入することにしました。

 そこで担当PTに車に積みやすい車椅子を購入したいと思っていると相談すると「今ので充分積める。自分の母親もその手の車椅子を使っているけど、楽に積み込めているから買い換える必要はない」と言って取り合ってもらえません。だいたいこの担当PT「手術して痛いって言うことが理解出来ない。歩けないことがオカシイ。車椅子なんか必要ないはず」と言って、私の症状を理解してくれようともしないのです。

 これで、車椅子選びに重要な役割を担う人の協力を得る事が出来なくなりました。1台目と同じ轍を踏んでいます。いやぁ〜な予感、その上に業者は大学病院と一緒・・・今回は、前回の日進・カワムラにプラス松永製作所のパンフを持ってきてくれました。しかし、どうページを捲ろうとも実用的な車椅子は載っておらず、ほとんど施設・院内向け、ただ違うのが材質ノミ。スチールorアルミorチタン・・・その中に松永製作所のパンフにモジュールで幾つかあるパーツを自分でチョイスして組み上げて行くタイプのモノがありました。まぁOX社方式という感じですね。名前は一応あって、『MM−001自操タイプ』価格はオプションのウレタン性クッションを含めて約¥150,000・・・・実用向きにしてはちょっと?っと言う価格です。平成12年頃の私の体格は身長170センチ体重60キロだったのですが、平成13年から成長し始め、この車椅子が納車された平成13年4月下旬は60キロ+5キロ米数個分。完全におデブの仲間入りをしていました。『MM−001』の積載重量をオーバーしていたのかどうかは不明ですが、とにかく良く壊れました。

「松永製作所 MM−001自操タイプ」
松永製作所/MM−001自操タイプ/正面から「松永製作所/MM−001自操タイプ/斜め前から

 5月から県の更生指導所に通所し始めて、初めて私は車椅子の操作を教わったのです。キャスター上げやなにやら。それまでは、平成12年の3月頃インフルエンザにかかってしまった私は咳がひどく、耳鼻科外来に病棟から通っていたのです。行きは看護婦さんが車椅子を押してくれたのですが、「帰りはお迎え来れないから自分で帰ってきてねぇ。右に曲がる時は左を回して。左に曲がるときは右を回してね。じゃぁ頑張って帰ってきてね。」と熱のある私にレクチャーして病棟へと戻って行きました。それが私が受けた車椅子の最初で最後のご指導でした。アリガトウM看護婦さん。車椅子からの移乗も担当PTも病棟看護婦も教えてくれません。車椅子から転げ落ちながら、傷つき・痛い思いをしながら、こうやれば転ばないのね。と自分の身体に鞭打つように身体に叩き込んでいったのですよ・・・あぁ〜、今冷静に考えてみるとマトモなリハビリ受けてない!!マトモな看護受けてない!!ような気がしてしまうのですが・・・如何思われます?

 キャスター上げをマスターした頃、納車後1ヵ月半くらいからオプションでつけたキャンパー角がぶれてタイヤが回らなくなったり、衝撃を与えていないのにキャスターが割れたり・・・一度は購入して半年も経ってないのにメーカーに入院もしました。1年でキャスター2度破損・キャンパー角の以上、数え切れず・ブレーキの不調。数え上げたら限がないほど故障しました。今になってみると、積載量オーバーが一番の原因のような気がしないでもないのですが・・・平成14年3月更生指導所を退所して、宮城県仙台市へと旅立つことになるのです。

次ページ
|玄関[I]くるまいすのつくりかた[R]>第6弾 [1] [2] [3] [4] [5] [6]

Copyright reserved by あばば
扉
Yoonosuke Hazuki[MailTo_ocean@mbc.nifty.com]