駅の上下移動を考える-1

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 長野パラリンピックの影響か、はたまた高齢化問題の深刻化のせいか、ここ数年の動向として、階段移動に関しては、そうした設備が比較的整いつつあるように思います。しかし、他方で、きわめて中途半端としか思えない設備もまた数多く存在しているのもまた事実です。
 2000年2月、運輸省が提出した、駅など公共輸送機関の改築に際しては、バリアフリーを目指すバリアフリー法案が採択されました。この法は、いずれ分析してみたいと思っています。

「駅」の特殊性

 単線でない限り、駅には跨線橋が付き物で、したがって、一度上へ上がって降りる、あるいは線路の下をくぐって上がる、という作業が必要になります。車椅子ユーザーにとって、駅利用イコール階段との戦い、と言ってもいいでしょう。
 車椅子ユーザーが、完全な移動の自由を確保すためには、エレベータの設置が不可欠です。しかし、エレベータは、高価なのか、技術的問題があるのか、設置してあるところはまれです。それに代わる段差解消の様々なシステムが、駅では試みられています。
 しかし、こうした段差解消システムに、駅以外の場所でお目にかかることはありません。デパートやショッピングセンターで、エスカレータ逆送してもらった、とか、エスカルに乗せられた、という経験はないですし、見たことがありません。エレベータを設置するのが普通です。駅だけが、なぜ、特殊な階段解消システムを必要とするのでしょう。
 まず考えられるのは、一時に利用する人数の多さです。ここから、駅では他の高層建築ではあり得ないような段差昇降システムが設置されることになります。

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車椅子で彷徨えば扉
Yonosuke Hazuki[Mail__ocean@mbc.nifty.com]