新しい車椅子のその後-3

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ハンドリムはまだか

2002/12/16 転倒防止を付けてから、一ヶ月になるよ

 注文間違いのハンドリムごときで年越すのも情けないと思ったので、業者に問い合わせをしました。すると、
担当装具士氏:「ものは、来ているんですが、巡回の者の予定がつかないので…。今夜でもお電話差し上げます。」
よーのすけ:「折れたフレームの見積もりの方は?」
担当装具士氏:「何でしたっけ…。あ、返事もらってません。今出先なので、今夜お電話します。」

しかし、当夜電話はなく…。

2002/12/18 再度電話

よーのすけ:「一昨日電話をいただけるはずだったんですが…。担当装具士のXさんに、後から電話を寄越すよう、お伝え下さい。」

昼過ぎに電話がリーンと鳴りまして。

 フレームは2万円程度・手帳で直せるとのこと。そして不可解だったのが、
よーのすけ:「は? 担当者が入院してる? あなたXさんじゃないんですか? え? 外回りの順番を決める担当者が連絡するはずだった? で、その人がいないと外回り担当者の予定がわからない?」
 そんな、外回り装具士の動向がわからなくなるほど大きい事業所じゃあるまいに。
 翌日、いつも、整形科の医院で顔を合わせている装具士Y氏から、「明日伺います」という連絡が入ります。このY氏、注文した装具一式、耳をそろえて一度に持ってきたことがない、というお方です。「届きましたので、整形のZ先生のところへ来てください。」と呼び出されて行くと、必ず何か足りないか、そもそもモノを忘れてきて、「あーーっっ」と叫ぶか…。アテにならないことこの上ない。また何か足りなくなるんじゃないの、なぞと危ぶみつつ、骨折れ車椅子を持っていってもらうのを忘れないように、玄関先に出しておきます。

2002/12/20 リムの付け替えに登場

 日の暮れかかる頃、装具士のY氏登場。骨折れ車椅子をバンに積み込んでから、車庫先で作業を開始です。よーのすけも、一応下におり、作業見物です。
 プラスチックのリムを外し、金属のリムを外したところで、「あれぇ」。
 何や、また、合わないリムを持ってきた、とかってんじゃなかろうな、と、尋ねると、普通なら、そのまま付け替えられるはずのリムが、タイヤ・チューブを外さないと付け替えられないとのこと。しかも、よーのすけの車椅子のタイヤは高圧タイヤなので、サイズが大きく、プラスチックのリムは普通タイヤ用をむりやりワッシャーかまして取り付けてあり、そのせいで無理がかかってゆがんだりしていたらしい。暗くなってきた冬空の下、タイヤを外しかけた装具士さん。
 よーのすけ、ふと思いついて、「そっちの古いタイヤをこちらに付けて、それ、持って帰ってゆっくり付けられたらいいんじゃないですか。」はっとして、ワンタッチ式装着のタイヤを入れ替える装具士さん。両方ともニッシン車軸・同径の高圧タイヤ。微調整をすれば、ちゃんと合います。あとひと月早く思いついていれば、タイヤだけ置いてくれば済んだのに。あー、よーのすけ、思いつきはいいんだけど、いつもワンテンポ遅いんだよな。
 かくて、リムの取れたタイヤと骨折れ車椅子の胴体だけがバンに積み込まれ、じゃ、仕上がったら一緒にお届けに上がります、ということとなります。
 と、いうわけで、この話、年をまたいで、まだまだ来年に続きます。

2002/12/21 念には念を

「あっ、座シートのネジがバカになっていたの、確認するのを忘れた!」
「でも、骨折れ発覚の時、Xさんそれ確認してたし、メーカーが点検してくれるんじゃないの。」
「いや。こないだ背シートが折れたときも、見ちゃくれなかったし。信用できないから、一応確認しておこう。」
 ということで、装具店に確認の電話。
「えーと。お預かりした車椅子のシートでいいんですね。はい。メーカーに伝えておきます。」
 やはり、確認して正解だったらしい。

2003/02/04 やってくれたね、おっかさん

 自宅にひとりでいた昼下がり、電話がリーンと鳴りました。
「もしもし。車椅子出来上がってきたんで、これからお届けに上がってもよろしいでしょうか。」
 車椅子が仕上がるのはいいとこ2月と予想したあなた、いいカンしてましたな。
 2時間ほどして、外回り装具士のYさんが、車椅子を担いで現れます。
「遅くなってすみませんでした。タイヤも替えましたし、フレームも補強したから大丈夫だと思います。」
 タイヤ確認。フレーム確認。それから座シートは?
「直ってますよ。でも、一応締めておきますね。」
 ドライバーを取り出して、締める装具士さん。シートがゆがんでるのか、なかなか締まってくれません。チタンは硬いので、ネジがうまく「食い付いてこない」そうです。
「ネジ取り替えておきますね。…あぁっ、これ、直してねぇや!」
 顔を見合わせたふたり。装具士さん、バンに飛び込んで、ケータイでメーカーにお電話です。
「連絡くれることになりましたが…。どうします?」
 とほほな装具士さん。どうせ、また取りに来なきゃならないので、タイヤだけ残して持っていってもらうことにしました。
 「新しい車椅子その後」というタイトル上は The end ですが、この際ですので、まだまだ続く。

2003/03/15 年度末ぎりぎりやでぇ

 玄関先に転がっている2本のタイヤを見つめながら、あきれ顔の母。「ネジ受け取り替えるだけでなぜにこんなにかかる? 電話しちゃろ。」思いついたとたんにすぐ電話に飛びつく母。しかし。
「えっと、誰が担当してだっけ。」「XさんかYさんでしょ。」「そうだっけ。」
電話をしたのはいいけれど、あまりに昔の話なもので、「どういう修理をいつ受けたか。」をイマイチ正確に説明できず、ちらちらこちらに助け船を求めます。先方も、よーのすけの名前だけでは何を請け負って、どういう状況にあるか、電話口に出た人ではわからないらしい。受話器を置いた後、「これ、発端はなんだったっけ。最初に装具屋行ったのって、11月だっけ。」と母。よーのすけ「…うーん、忘れたね。」こういうときのための「メンテナンス記録大公開」です。自分のことをネットで調べるおバカぶり。
 「あ、最初は、11月どころじゃない、10月じゃん。あ、でもこれは転倒防止だ。」「そうだ、そういやそうだ。で、タイヤが合わなくて、出来かけの持って帰ってきたんだっけ。」「そう、それで、フレーム折れが見つかったんだ。」「そうだった、そうだった。」と、一通りおさらいです。複雑と言うべきか、単純な話がむやみにややこしくなったというか。その晩、担当のYさんから電話あり。もう上がってきてはいたのだけれど、こちらに来る予定がなかっただけらしい。どうも、配達用のバンに積み込まれたまま、地域を巡回してたらしい。
 明日伺います、の約束通り、ちゃんと配送されて返ってきました。ネジが全部取り替えられてます。補助金の裁可も済み、後は通知が来るのを待つだけらしいです。
 とはいうものの。
 ネジ受けを取り替えた結果なのか、シートがぼこぼこに波打っています。うっかりお茶をこぼした後で乾かした本みたい。母曰く、「これじゃ、座布団無しでは座れないかもね。こんなにするんなら、ついでにシートも貼り替えましょうか、くらい、言ってくれればいいのに。まあ、電話で確認したチェック項目もチェックしないくらいだもんね。」
 転倒防止でチューンナップから始まったこの顛末記、5ヶ月をもって、ようやくの幕引きです。

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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[MailTo_ocean@mbc.nifty.com]