新しい車いすのその後-2

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チューンナップだ! 転倒防止とハンドリム

2002/10/17

転倒防止

 4月に路上でコケて以来、前輪が上がるのがなんとなくおっかなくなってしまったよーのすけ。毎月行く某JR駅の出口の急坂も、毎度、途中で上がるも下がるもできなくなりそうでヤな感じだし、ここは思い切って転倒防止を付けてみようかと。
 とは言いましても、電車の大きな段差などを上げる場合、転倒防止がつっかえたんじゃ困ります。車椅子に乗っているよーのすけが、手軽に転倒防止を跳ね上げることができるのか?
 ちょっと待て。どうして、車椅子に乗っているよーのすけが自分で跳ね上げなければならないのか。そういう作業って、普通、車椅子ユーザーを介助する方の役割じゃないのか。
 なーんでか。それはねえ。
 転倒防止を跳ね上げる余裕のある介助者が付いているケースだったら、そもそも転倒防止はいらないもん。転倒する可能性があるのは、単独行動の時だもん。そういうときに、自力で上がれない段差を上げてもらうのって、駅員さんか、通りすがりの人だもん。そんな余裕ないじゃない。だいたいほとんどの人は転倒防止なんて見たことないだろうし。
 実はよーのすけも実物は見たことがなかったんです。車椅子業者に問い合わせたところ、部品はないけど、転倒防止を付けたのはあるから見においでとのこと。早速新旧の車椅子を担いで出掛けました。(装着する方を置いてくるので、乗って帰る分を持っていく。)
 曲がりなりにも自分でキャストアップできるので、まるで上がらないと困るんですよね、なんていう話をしつつ、いくつか見せてもらいました。実際に付いていたのが、普通の手動車椅子に動力を付けた電動車椅子でしたが、それも、えいやっとキャストアップしてみたりして。ずいぶんうまく乗りますねえ、なんて褒められたりして。自力でキャストアップできるってこと自体、よーのすけみたいなタイプの場合かなり驚きらしい。ちなみに、どうして後ろにコケるか、というと、よーのすけの場合、所詮腕の力が足りないので、背もたれに身体を押しつけて、前に漕ぎ出すからで、上り坂だとますます力を出すために、後ろへ重心が行きがちになり、転倒しやすくなるとのこと。言われてみればなるほどね。
 決めたのは、左右のテッピング・バーにそれぞれ一つずつ装着するタイヤタイプ。今まで乗ってて気付かなかったけれど、車椅子に座った状態で、テッピング・バーって楽々手が届く位置にあるのね。かなり制動があやしいよーのすけの左手でも、割に簡単に操作できたので。まずはこれでOKと。

ハンドリム

 「どうも使いにくいなあ」と文句を言いつつ放ってあったプラスチック製・波形のハンドリムを、やはりハードコーティングアルミ製に変えることにしました。今回、担当した装具士さんは、この「派手派手車椅子」を作ったのとは別の人です。チタン車椅子では、「タイヤに近すぎ」と言って、少し離したリムを、チタン車椅子と同じ位置に戻すことにしました。このプラスチック製リムは、アルミ製リムより一回り小さく、それも駆動効率の悪さにつながっていたのではないかとのこと。

泥よけ

 話のついでに、袖が汚れてかなわんのですが、なんかいいもんありませんかね、と振ってみたら、こんなんありますけど、と出て来たカタログが、樹脂製の泥よけ。今年1月の新製品らしい。取り付け方などの情報がない、とのことで、これも問い合わせてもらうことにしました。

 再度、車椅子持っていくのは面倒なので、車椅子を預け、当面はまたチタン車椅子生活です。部品が届くのは1,2週間後。さて、どうなりますことか。
 続きをお楽しみに。

2002/11/14 転倒防止は付いたけど

 11日の月曜日。「もう3週間になるぞ。連絡寄越すはずの泥よけの件も何も言ってきてないぞ。」というので催促の電話を入れました。そうしたらば、「部品がは来てるので、今週担当者がいる日に来てください。泥よけの件? あ、忘れてました。というか、問い合わせたんですが、折り返し電話くれるはずが、行ったきりになってるんです。」とのこと。最初の約束では、できたら送ります、ということになってましたが、泥よけの件もあることですし、出向くことにしました。
 そして出掛けたのは木曜日。まず、「すみません。ハンドリム、サイズが違ってて、発注し直したのがまだ来てないんです。来たら、お宅まで付けに伺います。」とのこと。それを待っていて遅くなったんかいな、と思いましたが、そこは沈黙。

転倒防止
転倒防止
出したところ
転倒防止を出した
畳んだところ
転倒防止を畳んだ

 後ろに付いた転倒防止。確かに付いているんだけど、やけに位置が低い。2cm程度しか浮いていない。ほとんど接地しています。これじゃ1cmの段差も上がらないんでは?と、製作所の玄関先で前輪を上げてみたら、びくともしません。上がりがまちに設けられたスロープ(ここ、車椅子作っているのに、上がりがまちがあって、自走では入れないのだ。)を登ろうとしたら、転倒防止がつっかえて、前輪と転倒防止に挟まれた後輪が浮いて空回り。これじゃ、むしろ転倒するじゃん。よーのすけとしては、転びうる坂道で転倒しないようにするのが転倒防止と理解していたんだけど、これって、坂道は転倒するから入れないようにする、ってことなんか? そんなアホな。
 「うーん、これは、接続金具をうちで作るしかないですね。」と、装具士さん。じゃ、また、しばらくかかるのかいな、とうんざりしていると、やがて何か思いついたらしく、工具を持ってきました。オフィスのなかで、転倒防止を付け直し始めます。「すいません。私、付け方間違えてました。」やっぱりね。いんらなんでも、前輪が全く上がらない転倒防止なんてあるわけがない。おにーさん、大丈夫かね。
 10分程度で取り付けは済み、再び玄関先でテストです。上がりがまちのスロープはOK。歩道の段差も、前輪を乗せることはできます。根性無しのため、後輪は上がらないんだけど。転倒防止の出し入れは、もともと乗っている方がすることを前提としておらず、介助者がする仕組みになっているので、ちょいとコツがいりますが。
 「自分ですることってあります? 転倒防止の操作がいるのは介助者がいるときじゃないですか?」「介助者って、そんなに信用できます? 駅員さんとか、転倒防止畳めって言われて畳めると思います?」「…。」 信用できませんぜ。押すのに邪魔だと言って畳み、別れ際に、出し忘れないなんて、あり得ないとよーのすけは思うんですけどね。


危なかった。昨日まで乗ってた車椅子、重大な破損あり。

バッテンとフレームのつなぎ目が切れてるの、わかりますか
バッテンとフレームのつなぎ目が切れている

 チタン車椅子の方も、シートとフレームを止めているネジがいくつか効かなくなっていたので、それも見てもらうことにしました。昨日、シートを広げたときに、シートの枠が受けにパチッとはまらなくなっていたのも気が付いてました。「ゆがみがひどくなったのかな…。あれっ、折れてますね。」見れば、後ろのちょうつがいが折れてます。ひえぇ、こんなんで昨日まで走ってたんかい。この車椅子で、上野〜表参道にも行ったし、ズーラシアも行ったような気がするが、いったいいつから。一つだけじゃ心許ないけど、何しろチタンフレーム、直すのにいかほどかかるのかしら。
 「泥よけ」は、取り付け金具の重量がかさみそうだったので、バスすることにしました。

 車椅子、送付にしなくてよかったです。送付にしてたら、また、「転倒防止、絶対おかしいですよ」、と、クレーム付けに来なきゃいけなくなったし、その間、破損車椅子に乗り続け、下手すりゃ、事故になるか、にっちもさっちもいかなくなっていたかもしれない。車椅子の下なんて、乗ってる人には見えないですもの。
 と言うわけで、本日で終わるはずだったこのチューンナップ、次回に続くことと相成りました。


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車椅子で彷徨えば扉
Yonosuke Hazuki[Mail_ocean@mbc.nifty.com]