サンダーバードとおみこしで行く伊豆湯けむりと河津桜の旅

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骨休めだから温泉に

 「あ、よーさん。3月にさ、しばらくそっちに帰ろうと思うんだ。私もいろいろあったしね。骨休めに温泉でも行きたい。でね、近場で…、バリアフリーな露天風呂がある温泉、探しといて。いくら私でも、1人で普通の温泉によーさんと一緒に入る自信はないから。あ、亭主が帰ってきた。じゃね。」

 じゃね、っておい、待ちなさいよ。バリアフリーな露天風呂って、そう簡単に…。障害者グループのレクリエーション温泉に行っても、風呂に入らないで帰ってきた、って話は普通に聞くってのに…。あっ、電話、切っちまいやがった。うーん、温泉か…。いいな…。

 自分の骨休め旅行の道連れに、重度障害者を選ぶ妹くん。しかもリクエストは身体障害者の大敵「露天風呂」。変わった奴だとは思ってましたが、ここまで変人チャレンジャーだとは…。普通は、骨休めというのは、重度障害者をショートステイに預けてするもんなんですが。

 まずは順当にネット検索をかけます。温泉ナビというサイトを発見。バリアフリー情報がかなり詳細に載ってます。ここで、熱川ハイツかんぽの宿伊豆高原をピックアップしました。

「全室オーシャンビューって書いてあるし、お風呂の写真にはこれでもかと言うぐらい手すりがついていて、「バリアフリー  スリープ、エレベーター、浴場専用車椅子」って書いてあった。スリープでもいいけど(よくない)、まあそれなりの設備であろうと思われる。少なくとも、見た目は良さげ。
伊豆急のほうは、ホムペ上の比較だけだと、どうにもいまいち。風呂の様子など、施設に問い合わせしないとわからない部分があってちと面倒。せっかく温泉宿に行って、介護風呂しか入れません、じゃあつまんないしね。
単にホムペの出来が悪いだけなのかもしれないけど、明らかに損してるねえ。かんぽの宿だから、そんなに一生懸命商売しなくてもいいのかな。」

 ということで、熱川ハイツに決定しました。

という条件で問い合わせたところ、「セーフティルーム和洋室」で、

翌日、熱川駅までのお送りで宜しいということで御座いますが、熱川駅はホームまでが「階段」で御座います。キャタピラの付いた手押しの台車の様な機械で上がります。恐怖感から考えますと、「伊豆高原駅」の方がやはり便利で御座いますが、いかがなさいますでしょうか。

とのご返事が。キャタピラって…。アレだ。階段昇降機、俗称「サンダーバード」。だれもが「怖い」という階段昇降機。一度乗ってみたかったんです。ということで、利用駅は熱川駅に決定。

 旅館との応対をしていた妹くん曰く、「迎えの車を寄越してくれるそうで、移乗はできますか?って聞かれたから、普通の車ならば乗り移れます、って言っておいたよ。駅の階段と迎えについては、心配してくれるのはありがたいんだけど、めんどくさくなってきたから、よーさん適当に答えておいてね。駅についてはいろいろ言ってきているんだけどさ、肝心のお風呂の設備については、なーんにも言ってこないんだよね。よほど自信があるのかしらん。」
 それとも、何も考えてないか…だな。


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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[Mail_ocean@mbc.nifty.com]
Photos by 妹くん