サンダーバードとおみこしで行く伊豆湯けむりと河津桜の旅 2

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おべんと持って、出発

 お天気はあいにくの小雨模様でした。最寄り駅のキオスクでおむすびを買って、電車に乗ります。踊り子号への乗り換えはJR大船駅です。大船で電車を降りた2人、目をぱちくり。ここは本当に大船駅か? 2日ほど前に駅の改修工事とエレベータ設置が完成し、見違えるようになっておりました。これなら乗り換え楽になります。構内には立派な名店街ができており、乗り換えまで時間がたっぷりあったので、ついおやつを衝動買い。こんな立派になっていたのなら、しょぼいキオスクじゃなくて、ここでおべんと調達すればよかった。エレベータができていたので、駅員さんに、乗る電車を伝えて、熱川駅への連絡だけをしてもらい、乗車は自分たちだけですることにしました。

 時間になったので、伊豆急のホームへ。行ったはいいけれど、ホームの床に書かれた車両番号教示が薄れていて、全く読めません。「1号車の1だから、一番前なんだけど…。どこが先頭だ?」まごまごしているうちに、列車が入ってきまして、止まるかと思った場所をすーっと過ぎていきました。停車時間が思ったより短かったので、やむなく1号車の一番後ろのドアから乗り込みます。通路はさすがに車いすのまま通れるほど広くはなく、歩くこととなりました。一番前のデッキに車いすを畳んでおくことにしました。

熱川駅

ホームにおかれた階段昇降機 「あれかな、サンダーバードって。」 熱川駅のホームに巨大物体がドデンとおかれてます。何しろ平日の日中のことですから、人出はそれほど多くはありません。そして噂の「階段昇降機」。

 レールから、後ろ向きに引き上げられます。

 前輪パイプに引っかけるフック。


後ろも固定。

おなかにぐるりんとベルトを通して締めて

これで完成!

 ベルトによる固定が済んだところで、階段に向かって移動します。階段の手前でいったん止まり、台座が後継していきます。写真で見ると大したことがないようですが、階段の角度の30度プラスゆとり分の10度程度、合わせて40度以上後継するわけで、それに座面の分の後傾もプラスされますから、のけぞり気分は満点です。これ、バックレストが低かったら、もっとのけぞり気分満喫できますね。

階段の下から階段昇降機を見た。

 階段のふちギリギリに階段昇降機を寄せ、キャタピラが階段に降りると、のけぞり気分が少し改善されます。階段に添って一段一段キャタピラを落としていきます。駅員さんの緊張が伝わってきます、よーのすけ、てっきり戦車みたいにキャタピラでガガガガガと勝手に降りてくもんだと思っていたんですが、違うんですね。駅員さんが一段一段バランス取りながら降ろすんです。ここで、びっくり反応起こそうもんなら、駅員さんにびっくり反応が伝染して突き落とされそうじゃ

 階段を片っぽ完全に占拠してます。ふと上を向いたら、こんなのが上から降りてくる。ちょっとしたパニック映画かもしれませんな。

 よーのすけは、それほど怖いとは思いませんでしたけれど、これ、もうちょい不随意運動が厳しいタイプの人だったら、それは怖いでしょうね。乗り手も怖いけど、操作する方も絶対怖い。開発時に、ホンモノの障害者を使っていないことがよくわかる機械です。階段昇降機って、電動車いす対策として導入されたお道具なんですが、電動車いすユーザーの中心が、手動で自躁できないような全身性障害者だということを考えると、「何を考えて作ったんだろ」と思えてきます。

 駅は完全に桜とひな祭りです。伊豆名物の「吊り雛」が飾られ、華やいだ気分。噂には聞いていたものの、階段昇降機の大仰さに毒気を抜かれ、明日の午前中も熱川駅を経由して河津駅に行くことを素直に伝えます。こんなん、抜き打ちで「乗りまぁす」なんて、絶対無理や。

 駅舎から外へは長いスロープが延びています。足湯があって気持ちよさげでしたが、あいにくの小雨です。迎えの車が来ているはずだが、と待っていると、それらしい人が登場、指さす方を見ると、なぜ? あれはマイクロバス。まさか、低床スロープマイクロバス…じゃないよな、やっぱり。あれほど、送迎についていろいろ確認して寄越したのに、イスへの移乗しかできないって言ってあったのに。質問したことの意味を質問した方がわかっていなかったのね。マイクロバスにはお引き取りを願い、再度セダンを寄越してもらいました。


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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[Mail_ocean@mbc.nifty.com]
Photos by 妹くん