幸禍はあざなえる縄のごとし−名古屋旅行記

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万博があったはずなのに… まずは宿泊所探し

 「名古屋? 新横浜から1時間半じゃん。しかも大都会。しかも万博があったばかり。楽勝じゃん。」

 と、なめてかかったのが間違いの元。大都会名古屋ゆえ、主催者も安心していたらしく、案内が来たのも少し遅かったので、こちらの出足もちょいと遅れました。オリンピック、ユニバーシアード、万博...などの国際的イベント開催後後というのは、たいていどこでも街のユニバーサル化が進むものです。車いす移動もしやすくなっているはず、と考えて、ちょっと欲を出しました。「簡易電動レンタルして、タクシーなしで動いちゃろ。」1週間程度なら自費でレンタルしてもたいした費用にはなるまい、と考え、業者を探していました。自宅の方から電動を、とは思ったのですが、それだと家から駅までのアクセスにタクシー呼ばないと厳しいだろうし、新幹線内が面倒そうだな、と思っていたところ、飛んで火に入る夏の虫、じゃなかった、とてもグッドなタイミングで、当サイトの常連さんである「ろーすハムさん」が、車いすレンタル業 『 アイム・エイム − I am fine, Aim high ! −』を開業しました、とのメールが来ました。それも愛知県内で。なんとラッキーな、と、事情をお話ししたところ、名古屋なら割に近いのでいいですよ、と、快く引き受けてくださった上で、しかし、会場付近は山なので、タクシー移動になるんじゃないでしょうか、とのアドバイスを頂きました。

まずは地元情報から

 地元情報はさすがに強い。「タクシー使うのならメルパルクがいいですよ。バリアフリールームもありますし。」と紹介までして頂きました。しかも安い! 勇み立って電話を入れたところ、さすがに「安くてバリアフリー」でした。金・土の連泊予定だったのですが、土曜は満室。「バリアフリールーム」以外のバスルームには全て段差があるとのこと。「金曜だけ押さえておくか」、ということがちらりと頭の隅をかすめましたが、それも面倒だったし、何しろ大都会名古屋だし、と、主催者が紹介してくれた『名古屋ホテル旅館協同組合』へ、メールで問い合わせました。ところが5日待っても返事が来ません。普通は、自動返信でも何か帰ってくるのにな、、電話やだなあ、と、ぶつぶつ言いつつ、催促の電話を入れたところ、「メール、来てません。」というステキな返事がありました。しかも言うに事欠いて、「ウィルスメールははじくようにしてあるんで、削除されたんじゃないですか。」失敬な奴じゃ、お客のパソコンがウィルス感染してるってか。しかもアンタ、当方は、メールフームから送信したんだよ。理論上ウィルスメールになるわけがありません。注文フォームを削除しちゃうなんて、そりゃフィルタがおかしいか、メールォァームCGIがおかしいか…。なにはともあれ、再度、

 ということを伝えて待つこと1日、『ナチュラルホテル エルセラーン』がバリアフリーなので問い合わせてください、という回答がありました。

 夕方のホテルが一番忙しい時間でしたが、そんな時間に回答が来たもので、問い合わせの電話を入れました。「バリアフリー? うちはボランティアルームというのはございますが、部屋の作りは普通の部屋と全く同じになっておりまして、車いすではご利用になれません。」 ボランティアルーム? なんじゃそりゃ。この旅行記を書くのでサイトを見たらば、「ボランティアルーム(Handycap Room)」となっていたが…。「段差ですかぁ、15センチあります。一人でのご利用は無理です。あの、すいません、どなたか代わりにちゃんとしゃべってくださる方、いらっしゃいませんかねえ。」 …久方ぶりに言われたぞ、この言葉。ここ数年、面と向かって言われたことがとんとなかったんで忘れてた。こんな対応をするところは、無理して泊まってもろくなことはありません。いずれにしろ、「旅館組合を通してでなければ予約を受け付けない。」と言い張るので、電話を切りました。旅館組合、直に確認をしないで連絡をくれたようです。旅館組合にはその旨を伝え、引き続き探してくれるようにメールを入れましたが、多分無理だろうなあ。…しかし、以前に泊まったバリアフリールームありのホテル、ありゃいったい何だったかな。やたら華やかな名前だったような覚えしかないなあ…。

大手旅行代理店

 ダメだこりゃ、放っておいたら手遅れになるわい、と思ったよーのすけ、自力アクセス可能なショッピングモール内に入っている大手旅行代理店へ行くことにしました。目移りするほどたくさんの代理店が並ぶ中、若いきれいなお姉さんのいる方へ、つい入ってしまいまして。

 「ビジネスホテルがいいですよね。会場は名古屋市の外れのようですが、うちで契約があるのは、名古屋駅の近辺なので…。」と言いながら、数軒のホテルに電話をかけ、取ってくれたのが『東京第一ホテル錦』。「にしき」? あ、そうそう、ここだったわ、以前泊まった華美な名前のホテル。

 「新幹線も予約します?」「お願いします。確か11号車の一番前か後ろに車いす利用が出来るトイレと車いすを置くスペースがあったような…。」「ちょっと待ってください…。あ、当たりですね。」などと、のどかにあっさり全ての予約が完了。

 帰宅後、旅館組合に断りのメールを入れましたが、了解の返信はなく…。人のコトだからいいけどさ、客商売として大丈夫なんですかね、ここは。

旅支度

 2泊3日の旅支度。といってもたいしたものではございません。広島旅行の時と同じ信玄袋一つに、ユニクロの小さなショルダーポーチが一つ。このショルダーポーチはOX純正ユースフルポーチに代わり、車いすのシート下に下げます。現地(資料を一杯もらう)での移動用に、A4ファイルが入る2Wayバッグ(部品を足して車いすの背に背負う)も丸めて信玄袋に収まりました。広島で味をしめたので、寝間着はホテルの浴衣を使うことにして、洗面道具もほとんどなし。ただ、予報によると雨が降るようだったので、念のため雨降り用のフェイクレザーのパンツを履いていくことにして、ぐちゃぐちゃに丸めてもしわにならない、これまたフェイク・ベルベットのパンツを小さく丸めて詰め込みます。

 『東京第一ホテル錦』は、地下鉄栄駅から徒歩2分。よーのすけでも十分に自力移動できる距離です。以前は、知り合いの車に乗せて頂いて移動したのですが、確か付近はフラットだったような。地下鉄を使うと仮定して、乗り換えを調べると、栄駅から会場最寄りの駅まで地下鉄1本で約30分。しかも全駅エレベータ完備。これで地下鉄使わなかったらよーのすけじゃありません。地図を調べて路線をメモして、これで下準備完了となります。


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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[Mail_ocean@mbc.nifty.com]