車椅子に乗るからには、やってみたい前輪上げ。よーのすけは、ずーっと憧れていました。最近、やっと、小さい段差を上げるトコまではできるようになりまして。で、それを弾みに、前輪を上げて停止→後輪走行、を訓練中です(コドモの頃からリハビリが大嫌いなよーのすけ。生まれて初めて自主トレしてます)。
前輪が上がるようになったら、止められるようにならないと、後方にひっくり返ってしまいます。とゆーか、どこまでいったらひっくり返るか、実感できないと、怖くてあまり上げられないんだよね。
ちょっとだけなら止めておけるようにはなったんですが、ひっくり返ることも多くて、まだコントロールできてません。完成までの道はまだ遠そうです。でも、できない分だけ、苦労しているので、できなくて困っている人のヒントにはなるかも。
身体で覚えられないのなら、まずは理屈で攻めるしかないですよね。よーのすけに教えてくれた人は「こうやって、上げれば、上がるんですよ。」と教えてくれましたが、そういわれてもなあ…。というわけで、あほらしいかもしれませんが、中学の物理を思い出して、考えましょう。
前輪が上がるのは、一言で言えば、「慣性の法則」なんですな。
つまり、
急激に前進しようとすると、車椅子は前に行こうとするが、身体は停止し続けようとする。それで前進力と釣り合う後ろ向きの力が働く。 | 身体は停止しようとし、車椅子は前進しようとするので、後輪が回って、前輪が上がる。 |
身体は後ろへ、車椅子は前へ、という状態を、どうやって作るか。
力がなかったり、脳性マヒとかで、せーの、とコントロールよく同じ力をかけるのが難しい場合、「停止」による慣性の力を使うのは難しいみたい。ましてや、走りながらなんて絶対無理(だと今はまだ思う)。
ふわっと前輪が浮く、という感じをつかめるといいんですよね。
よーのすけのおすすめは、思い切り後ろにひと漕ぎしてピタッと止める、というやり方。マヒの仕方にもよりますけど。よーのすけの場合、伸ばす力よりも縮める力のほうが強いからうまくいくのかもしれないですね。ぎゅっと引いて、ちょっと前に漕ぎ戻す感じで止めると、前輪がちょっとだけ浮いてカタンと落ちるはずです。
意外によく上がるから、気を付けてね。
この、後ろへ下がる慣性の力を、「後ろ向きの力」として利用します。
カタン、という感覚がわかったら、引いた手を前に戻してみます。少しずつやってください。あんまり勢いよく戻してはいけません。後ろに転びます。
誰かに後ろにいてもらうといいですね。
このくらいで、「勢い」だけではつまずく段差は上げられるようになります。段差に前輪をあてて、ちょっと後ろに勢いを付けてから押し出せば、後ろ向きの力が出るようになります。
後ろにひっくり返らずに自力で上れる段差は、意外に高くありません。だから、ちょっとでも上げられると、とても便利になります。
いや、別に本当にひっくりかえる必要はないですが(^^;。どれくらいやったら後ろにひっくり返るか、というバランスポイントを知っておく方がいいです。力が弱いとなかなか行かないはずですが。誰かに(丈夫で信用のおける健常者に頼んでね。転ぶのを「見ていた」なんて言わないような)後ろにいてもらって、力一杯上げてみます。
意外に感じますが、誰かに段差を上げてもらうとき、前輪上げは役に立ちます。最近の人(って、よーのすけだってそんなトシじゃないが)は、台車なんか押したことがないらしくて、前輪を上げられないケースがままあるんですわ(誰かと彷徨う参照)。そんなときは、後ろに人がいるので、思い切り上げることができます。それで、たいがいの段差は前輪がかかります。後輪を持ち上げられないうちに素早く上げようね。とりあえず、前輪だけ段に上げた状態で人を呼ぶこともあります。
しつこいようですが、車椅子で乗り越えられる段差って意外に低いんです。前輪がかけられる高さに比べるとすごーく低い。後輪を上げようとすると、後ろにこける。これは力の問題ではないようです。
前輪上げ走行ができるような人なら、前輪を下げることもある程度できるようですけれども。
あー、もうちょっと、というくらいの段差であれば。
片方ずつ後輪を上げると上がることもあります。車椅子ねじれまくりになって、「強引」感が漂いますけど。
これは、我ながら危ないなぁ、と思いつつやっているので、試す場合はほんとに気を付けて下さい。