UMEさん王子さまの車椅子製作レポート 3
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それゆけ! モンキーバナナ号

出しゃばり家主のコメント

 「なにィ?! 医者が電動車いすが必要だっていう意見書を書いていて、教育委員会も小学校も電動車いすでの就学に向けて受け入れ体制づくりに動いていて、それで、更生相談所がダメ出ししただと? そんな馬鹿なことがあるかい。そんな馬鹿な事態を許しちゃいけない。」

 今年(2005年)2月、当サイトの2代目けいじばんに投稿されたUMEさんの投稿に、よーのすけの身辺は、オンラインの内外を問わず、騒然となりました。通常、就学が絡んでくるこの手のハードルは、医師の判定→市町村のフトコロ→教育委員会→学校長、の順番に高くなっていくものです。医師判定がOKで更生相談所がNG、なんて聞いたことがありません。福祉関係初心者のよーのすけから見ても、重大な事態で、かつ制度的根拠の見あたらない話でしたので、「これって、制度的に見てもありえない話だよねえ?」と、よーのすけの属する当事者団体に確認に行ったところ、上述のような火山爆発が起こり(ってなぁ…。よーのすけに問いつめられてもなぁ。…ぶつぶつ。)、ものすごい勢いで調査が進められ、「合理的根拠なし。抗議すべし。」という結論が出て来たのでした。けいじばん常連のお客様達も、様々な情報をお寄せ下さったのは言うまでもありません。、

 結局のところ、何のことはない、たまたま最初に応対した担当官が「お馬鹿」だっただけで、電動車いす作成が出来たわけですが、それにしても「普通の経験的な育児情報が通用しない、難しい子ども」を抱えてギリギリ一杯で奮闘している親御さんに対して、いともあっさりと、しかも誤った「処分」をしかけた更生相談所の行為は、あってはならない所行だと思います。消耗する交渉を見事に粘り抜いたUMEさん親子に敬意を表します。

 さて、このモンキーバナナ号、写真でしか拝見できませんが、カラーリングを決めた王子様はなかなかいいセンスをしてます。6歳で、こんなセンスがあるんですね。

 半年ほどレンタル品で実際に生活しておられたせいか、「はじめてのくるまいすづくり」とは思えないほど、よく考えて作っておられるように思います。必要な介助のしやすさへの配慮はもちろん、なんと「ランドセル」が背負えたり、テーブルに近づくことが出来るよう、コントロールボックスを引っ込められたりなど、ご本人が自分で活動しやすいようにも配慮されています。「ランドセル」なんて背負えても背負えなくてもいいものではあるけれど、やっぱり背負えた方が楽しいですものね。そういうことって大事ですよ。また、これからの十数年はおそらく体力が向上してくる時代ですが、それも視野に入れた設計のようです。

 フレームは「きさく工房」の設計、となっていますが、電動車いすですし、ことによると「タウニィパス」を元にして、きさく工房が改造を加えたものかもしれません。きさく工房は「座位保持」重視の車いす製作では有名どころらしいので、もちろんオリジナルの可能性が高いですが。

 電動車いすは、「どのメーカーを買うか」が問題ではなく、「どの代理店で買うか」が問題だと言われています。なにしろ、手動が漕げないような上肢機能障害を持つ人たちが使うものですから、無茶な注文を実現する改造を工夫してくれるような代理店業者を選ぶべし、と言うわけです。

 「愛・地球博」にも行ってこられたそうですし、2学期からは、ランドセル背負ってモンキーバナナ号で学校生活ですね。いっぱい勉強して、いっぱい遊んで、いっぱい泣いて、笑って、ステキな日々を過ごされますように。


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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[Mail_ocean@mbc.nifty.com]