ガイドヘルパー養成研修の講師というものを体験しました。
ガイドヘルパーとは、仕事や通学以外の外出をサポートするもので、視覚・全身性・知的の3種類があります。通院や、役場へ行くといった、必要最小限の外出以外に、映画に行く、遊びに行く、デート(これは、うーん。付いてきて欲しくないかも)など、どんな外出にも使うことが出来て、支援費の対象になっています。今回、よーのすけが担当することになったのは、言うまでもなく「全身性障害」です。ホームヘルプの有資格者(訪問介護員1級・介護福祉士)が、研修を受けることによって、ガイドヘルパーのサービスを出来るようになります。
よーのすけがもらったお題が「重度脳性マヒ者等全身性障害者を介助する上での基礎知識及び重度肢体不自由者における障害の理解/業務において直面する頻度の高い障害・疾病を医学的・実戦的視点で理解するとともに、介助に必要な状態像を学ぶ」。しち面倒臭い文を読み慣れているはずのよーのすけでさえ、めまいを起こすような悪文。「いったい、なんのこっちゃ」です。
要するに、全身性障害概論をやればいいのね、と理解しまして、
を、強調する形で、しゃべってみました。
受講生は20名程度。40名だと聞いていたのですが、募集期間が少なくて集まらなかったとか。「全員、すでにお年寄りの介護をしているので、熱心ですよ」とは主催者の弁でした。
マイクがあることを前提にしていたんですが、20名ということで、マイク無しなのが予定外でした。よーのすけ、声を少し大きくすると、言語障害がすごくきつくなるんです。読み上げ原稿は、「ゆっくり読んで40分、車椅子体験が5分、質問5分で50分で10分余り。うーん、ちょっと厳しいかもな」の予定だったのですが、結局所々はしょって60分きっちり。ぴったり60分で終わったのは、我ながらすごいと思いましたけど。
60分もの間、人の話を聞くというのは辛いもんですが、それで言語障害アリだったらなおさらのことです。みなさん、大したもんだ、と思いました。一瞬、船漕いだ人もいたけれど。
なんといってもウケたのは、「即席四肢マヒ」体験。クライアント役が車椅子に正座して、手を拳に握ってヘルパー役に押してもらい、段差を想定して前輪上げなどをしてもらう、というだけの体験なんですが、ものすごく怖かったらしい。休憩時間に、代わる代わるやっては、きゃぁ、と悲鳴上げてました。本当は、雑音を流すポータブルラジオでも両手で持ってもらって、街の雑踏の中、後ろの介助者と話す、というのもやりたかったのですが、時間的に厳しそう&ラジオ落とされると困るかな、と思ったので断念しました。
「これで、怖くなく押すには、どうやったらいいんでしょうねえ。」と、聞かれたけれど、よーのすけは、足踏ん張れるし、ヘルパーじゃないから知らないもんね。それは、当たったクライアントに聞いとくれ。
時間の関係で、まとまった質問は出ませんでしたが、細かいところはともかく、大筋では理解してもらえたようです。(でなけりゃ、よーのすけとしては落ち込むしかない。)
このよーのすけが講座をやるなんて、それ自体この上なく怪しいですけどね。他の講師が何をやるのか、という打ち合わせが全くない状態だったので、「カブってなければいいけど」というのがいささか不安でした。
正直言って、自分でしゃべりつつ、知り合いの「重度脳性マヒ者」連中の顔を思い浮かべて思ったのは、「この原稿で言っているようなことを主張出来る連中なら、ガイヘル面倒臭がって使わねーだろな。」ということだったりして。今の段階で、介助者にはっきりと意思表示して、きっちり使いこなせる人なら、言語障害があろうとなかろうと、駅員さんの監視をかいくぐり、あるいは喧嘩してでも公共機関で移動する人になりそうな気がしたのは事実です。その意味では、我ながらかなり胡散臭いなあ、と思ってます。
よーのすけが書いたことには間違いありませんが、私自身のオフライン人格は別人だということで、しばらく引っ込めてありました。。万一もう一度やってくれ、なんて言われたとき、すでにネタバレはまずいと思ったものですから。どこで誰が見ているやら、分かったものではないのが、Webの怖いところです。
しかし、先日、どうもよーのすけにはこのような研修をする資格がない、ということが判明しました。んじゃ、よーのすけの講習受けた人のガイヘル資格はどうなるのだ? ということは置いておきまして(よーのすけは頼まれただけ。知ったことじゃないもんネ。)、この原稿をそのまま流用することはなくなりました。ですから、また、公開することにいたします。