秋の京都小ネタつくりの旅 3

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バリアフリー・ルーム?

 どうして入り口勘違いしたんだろ?アパホテル京都駅前。入ろうと思って入れなかった扉よりも手前にちゃんと自動ドアがあるじゃん。ロビーは、ホテルにしては珍しい人造大理石張り。靴を履いて歩く人にはともかく、自繰式手動車いすにはとても嬉しい。

 部屋は3階のエレベータ近く。宿泊スペースはさすがにカーペット敷きになってます。カギは普通のカギ。キーホルダーホルダー受けにを差し込むと自動的に電気が点くシステムですが、ここも、ホルダー受けは普通の電気スイッチがある高い位置にあります。しかも、放り込めば済むカードキーではなく、四角柱のキーホルダを四角の形を合わせてホルダー受けに差し込むようになっており、狙いを定めるのがちょっと大変です。

 荷物を降ろし、上着を脱ぎ捨てて、ベッドにひっくり返ろうとして立ち上がった途端、その場にくずおれて座り込んでしまいました。何もない所でこのザマとは、あたしもとうとうヤキが回ったかな、と、ぼんやり目を上げてみると、あれ?なんだか傾いてるぞ、自分。とうとう目にまでヤキが回ったかしらん。しかし…。ぐげ、まさか。そんなアホな。ありえねえよ、そんなの。床に這いつくばって向こうを透かし、目を上げて天井のラインと比べてみると…。

部屋の奥から部屋を俯瞰した げ。部屋が傾いているそんなアホな。ウソだろ…。ひょうきんすぎる。

 さすがにベッドやテーブルまでは傾いていませんが、ベッドの足元からバスルームまで、床全体が、スロープになっています。何しろケータイカメラで、しかも画面が暗いのでわかりにくいですが、右見取り図の緑色の部分が坂になっとります。ちなみに、ベッドの向こうに見えている黒いのが扉、その横にあるのがキーホルダ受けです。

見取り図  これってば、その、アレかな。スラブの厚さが足りなくて、バスユニットを沈められず、部屋全体を傾けて段差解消…? そいつはすげー発想だ。入り口から少しスロープを付けて(ピンクの部分)、部屋全体をかさ上げする、というのが、凡人の発想なんだけど…。

 そこそこ毛足の長いカーペットで、しかも傾きがあり、一部カマボコ状。手動で自繰している人ならば、すぐにピン!と来ますよね。そう、「すべるぅぅぅ!

 車いすのホイールは空回りして役に立たず、歩こうにも傾いているから危なくて歩けず…。ほんまに、どうしろっちゅうねん!怒

 ひょうきんついでに、バス・トイレへの扉もなかなかのものでして、あの、汎用(ハンディキャップ)トイレの扉のサイズの「ドア」。あのサイズのドアが引っ張って開けるスタイルにて付いていました。引き戸じゃないんです! 風呂の扉を開けたところ これまたわかりにくいですが、扉の前が下り坂になっているの、わかります? 後ろに下がった所で、重い扉を引っ張る、というのは、どうもよーのすけとしては…ねえ。後から気が付いたのですが、部屋へ入る扉が普通の規格の幅の扉で、中に幅の広い扉を付けているんです。部屋に入れなかったら、バスルームに入るわけがないのに…(ま、それに気が付いたのは、この見取り図を書いてるときだったから、よーのすけもえらそうなことは言えないけど)。蒸気が漏れないように重い鉄でできているらしい扉は、扉が広い分、より重くなり…。

手すりはつながっているバスルーム  ただ、バスルーム自体は比較的良くできていて、手すりの動線はちゃんとつながっています。ソープ類も、バスタブのへりにボトルが置いてあるタイプです。洗面台は、車いすのまま使うには今ひとつかもしれませんが、まあ使えます。

 あまりにひょうきんな部屋だったので嬉しくなり、障害者な友人たち全員に写メールを送りかけましたが、そこまで喜ぶことはないか、と冷静になりました。問い合わせてくれた友人が、後日よーのすけの報告を聞いて曰く、「そんなもん、もう二度とお目にかかれないと思うけど…。一生に一度しか会えないもんを見つけちゃったねえ…。」 二度と見てたまるか。ネタを提供してくれたのは感謝するけど、しんどいホテルでしたねえ。連泊できなくてよかったよ。

京都の地下街は広かった!

 翌日は地下鉄利用でしたので、地下鉄の入り口を探してホテルから何分かかるかを偵察しておかなければなりません、「京都のお漬け物を見繕って宅配便で送ること」という指令を家人から受けていたこともあり、軽快なアノラックに手袋で準備を固め、出発です。ロータリーが渡れるかどうかが定かではなかったので、来たのと同じ側の歩道を駅に向かいましたが、案の定、左下がりがきつくて全然真っ直ぐ進めません。来たときは3分くらいだったのに、10分かかってヘロヘロです。帰りに何とか反対側を探さなければ…。

 新幹線から出て来たとき、JRの駅員さんが指し示した方向も見てみましたが、よくわかりません。駅前に張ってある立派なエレベータ案内板によれば、どうもそっち方面にはエレベータらしきものは見あたりません。案内板にしたがって、「地下鉄」となっている地下2階まで降りました。降りてみるとそこは婦人服売り場…地下街ですねえ。近くに横浜にもある地下街ルミネへの連絡通路があり、さらに先には「地下鉄」という表示が。地下鉄方面の表示をたどってさらに行くと…やられた。5段ほどの階段です。スロープはなさそう。階段越しに覗いてみると、方向としてはさっきのルミネの地下通路のようです。今来た道を引き返し、ルミネへの連絡通路、長い長い長いスロープを上っていきます。

 時間はそろそろ7時を回ったところ。案内板によれば、土産物コーナーとレストラン街は地下街の端と端。閉店時間もあるのでとりあえず先におみやげを見繕い、レストラン街に回りました。やはりというか、どこも同じで、レストランはイタリアンかフレンチか寿司か…。これといって変わり映えがなかったので、適当な所で済ませ、また地下鉄を探します。地下鉄、地下鉄っと。案内板を見つけたので、指示に従っていくと、改札発見。地上に出るエレベータを尋ね、指示されたとおりに行くと、いささかうらぶれた場所にエレベータがありました。さて、これはどこへ出るエレベータなんだろう? いささか不安を感じながら、エレベータを出てみると、そこは確かにJRの駅員さんが指し示した方向、アパホテルがある方とは正反対のロータリーの端っこでした。来たときに確認した駅前の案内板で再度確認しましたが、このエレベータの記述はなく…。どうやら駅ビルオンリーの案内板だったらしい。ロータリーを渡る場所、しかも平らで漕ぎやすい場所を探していたら、バス停へ迷い込み、行き止まりになって敢えなく後戻り。それでも何とか郵便局前で渡りましたが、ここがまた、歩道駐輪の山でして。土曜日とはいえ、朝のこと、大丈夫かしらん、といささか不安になりつつも、歩道の傾き加減を確認し、コンビニに寄り、ホテルまでたどり着きました。5分もあれば着けそうだな、と思いつつ。

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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[Mail_ocean@mbc.nifty.com]