ハンディキャップトイレ・使用上の注意

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追加

 車椅子マーク付きのハンディキャップトイレだからといって、車椅子ユーザーじゃない人が使っちゃイカンってことは全くないのだけれど。むしろ、トイレの管理の質を高めるためにも、必要に応じてどんどん使って欲しいところ。
 でも、身体が不自由な人が、結構無理しながら使うトイレなんだ、ってことを、念頭に置いて使って欲しい。
 そしてハンディキャップのある人たちも。自分だけじゃなくて、様々な身体不自由のパターンがある、ということを思いみつつ、トイレを使おう。

機構上の問題から

 ハンディキャップトイレは、まだまだ開発途中。すぐに壊れるデリケートな設備もたくさんあります。

引き戸はそーっと開けよう。

普通、ハンディキャップトイレは、引き戸になってます。しかも、床にレールを入れると段差が出来てしまうので「吊り戸」にする、という規格になってます。そこまで気を使うんなら、建物自体の段差をなくせよ、って気もするけど。そのため、ドアが重くなり、閉めるのに力を使わずに済むようにという配慮からか、バネ仕掛けで自然に扉が戻る(閉まる)ようになってます。
 しかし、車椅子ユーザーが扉を開ける場合、扉が重いと、開けようとしても、自分が動いてしまうので、1.車椅子にブレーキをかける 2.ドアを開ける 3.ブレーキをはずす 4.両手で漕いで中に入る というプロセスを踏まねばなりません。この間、必ずドアから手を離さないとならないので、ドアが開放される必要があります。そして、たいてい、ハンディキャップトイレには、そのためのストッパーがドアのお尻に仕掛けられています。ところが、この機構は壊れやすいのです。(そもそも仕掛けが組み立てられていないケースもありますけど)したがって、ドアのお尻を強くぶち当てるような開け方をしてはいけないようです。そーっと一番奥まで開けて静かに手を離すと、ドアが止まる…はず…です。

故障を発見したら、届けてね

 ハンディキャップトイレはユーザーの絶対数が少ない分、メンテナンスがなおざりにされがちです。故障を発見したら、可能な限り、管理者に連絡してください。
 そういうよーのすけも、なかなか言いにいけないけれどね。面倒で。

本来のユーザーへの配慮

便座を上げたままにしない

 これは男性諸君に対する注文です。男性が小用で使うとき、便座を上げるのがマナーですね。でも、上げた便座、そのままにしていませんか。
用は一人で足せるけれど、手が上まで上がらない人はいくらでもいます。
それに、まともなハンディキャップトイレであれば、両側に長めの手すりがありますから、車椅子に座った状態では、つっかえて、便座を下ろしにくいのです、
上げた便座は必ず降ろし、すぐに使える状態にしておきましょう。

しかし、補足

 上述の「便座をあげたままにしない」というのは、いわゆる「バリアフリー系サイト」でのハンディキャップトイレに関する記述を鵜呑みにして、引き写したものです。

 しかし、最近よーのすけは、様々な障害を持つ男性の車いすユーザーさんたちとお知り合いになり、車いすユーザーが、必ずしも座位で用を足すわけではないということがわかりました。実用歩行はできないが立位はとれる車いすユーザーの男性は、立って用足しをします。上肢マヒのきつい方ならズボンの上げ下ろしの手間を省くために、なおさらのことです。

 こういう人たちにとって、便座を上げることがきわめて困難なのは言うまでもありません。彼らの使った後は、当然ですが、便座は上げっぱなしとなっております。

 もちろんのこと、上肢にマヒがあっても、女性であれば確実に便座を降ろして座るわけですから、確率的には、便座が降りている方が当たる確率は高いわけです。しかし、一概に、「障害者が使うのだから便座は必ず降ろすべし」と、単純に言い切ることは間違いではないか、と思っています。

手すりを動かしたら必ず元に戻す

 ハンディキャップトイレの手すりは、壁側に固定手すり、空間側に、可動式の手すりがあるものがあります。トイレ介助がいる場合、介助者が、便器にアクセスするためです。この手すりはしっかりしたもので、動かすのに結構力がいったり、操作が難しかったりします。どけた手すりは、必ず戻しておいてください。

こういうことしちゃ困るんですよ!
便座も手すりも全部開けっ放しのトイレ
実際に存在するものです。とゆーか、よーのすけの仕事場がある建物に設置されているハンディキャップトイレの常態。掃除のおばさんが手すりをどけて掃除し、近くにある守衛室のおじさんが使ってそのままにしているらしい。近くに一般人用のトイレがないので、使用頻度は高い模様。

 手すりが動くなんて、関係者でないと気づかないはずなんだけど。「手すりがどく」ということに気が付くと、うれしくなってどけてしまうらしい。そして、あたかも自分が気が利く人間のような錯覚に陥るらしい。

当たり前、のマナー

トイレは、トイレとして使ってね。

ハンディキャップトイレ、気軽に使っていただきたいですが、「代替物」がないものだ、ということを心に留めて使ってくださいね。
ユーザーが少ないのをいいことに、用足し以外の理由で、こもらないでくださいな。
なぜこんなことを言うかといえば。しょーもないエピソードがあるんだ、これが。


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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[Mail_ocean@mbc.nifty.com]