悲喜劇「ハンディキャップトイレ」

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   ハンディキャップトイレ・チェック!!!

トイレ・お手洗い・はばかり・みちょうず・ご不浄...
2、3時間に一回は、たいがい誰でも使わないといけなくなるもの。
身体に不自由な部分のある人々が、外に出て一番ネックになるのが、これ。
こればかりは、誰かに代わってもらうわけにもいかないしね。
いわゆるハンディキャップトイレは結構整備されて来ているし、ハンディキャップトイレ・マップ作成の活動も各地で活発になってきました。
でもねぇ、そりゃ確かにこれはハンディキャップトイレなんだけどさあ、ちょっと待ってよ、といいたくなる代物もまだ多い。
これは、トイレで往生する羽目になった、よーのすけの記録。

 「おしっこー」と、さんざんトイレを探し回る。ようやく見つけた!と思ったら...「あ゛ーーー!!」さて、何が起こったか。
 よーのすけは、幸いにして普通の洋式トイレでOKなので、都会にいる限りそれほど悲惨なことにはなりませんが。最近、女性用トイレは洋式増えてますからね。個室の所までアプローチできればなんとか、という点では気楽です。その点、男性の方が不利かも。(ここで、よーのすけが女性であるということがわかりましたね) これ、ハンディキャップトイレでないとだめ、とかいうことになったら、すごく行動範囲制限されることでしょう。が。ハンディキャップトイレがあったがゆえの、笑えない(いや、笑うほかない?)悲劇も…。
 以下、本当に合った話ばかり。

トイレ探して幾万里

トイレに入るまで。

某デパートの受付で。

よ:「車椅子用トイレありませんか。トイレ、洋式ですか。」受付嬢:「トイレは二階ですが…。車椅子用トイレは…。少々お待ち下さい…」どこぞへ電話。「すいません、トイレは洋式なんですが車椅子用はないので。」仕方がないので、普通のトイレを使おうと、エレベータへ。と、案内板を見ると、最上階にでかでかと車椅子マーク。おねーさん、一体どこへ電話かけたんだろう。

教訓デパート・ショッピングモールなどあるはずの所は必ずある。あると踏んだら、案内板とスタッフの両方にあたるべき。(カンが外れることもあるけど)

「一般人この先立ち入り禁止」

 ハンディキャップトイレのサインをたどっていくと、「この先職員のみ。一般人立ち入り禁止」の張り紙の扉の前。間違えたかな、とまた戻ってみても、わからない。仕方なく、もっと戻ってスタッフに聞くと、担当者が出て来て入れてくれる。用が済むと担当者がまた出してくれる…んだけどさ。

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あった!!でも安心は禁物。

カギかかってるよ!

やっと見つけたトイレ。ドアに手をかけると、「うあ、開かない。カギかかってるよー。」
これが、意外に多いんだな。係員もカギの在処知らなくて、結局、ほかをあたることになったり。

これはあんまりだと思いません?

上の2ケース、用足ししている間中ずっと、担当の人が待っているんですよ。これ、すごーくヤなもんです。

開けてびっくり。これ、物置だよ。

  1. 掃除用具入れになっている。
  2. 機材置き場になっている。
     小さい事業所なら、その場の判断で撤去してもらえますが、大きいところだと、今度は責任者が別だったりして。清掃などが、別業者に委託されていて、清掃用具は委託業者の物で勝手にさわれない、とか。実は精密機械の仮置き場になってるのだ、とか(ンなもの、トイレに置くなよ〜)
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 チェック・ポイント−中で往生  

ドアが開かない。または、ドアは開くけどワタシが入れない。

…と、ここまで書いててふと気づいたんだけど、どうしてハンディキャップトイレの扉って、鉄でできているんだろう。重くなるのに

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カギが閉まらずに悪戦苦闘

対策
 反故紙などを挟んで閉めるとうまくかかることもあります。最終手段としては、「舌」を粘着テープで留める。(しかし、それだけのためにセロテープ持ち歩く、ってのもなあ。)一時、壊れているところがあんまり多くて、心張り棒を持ち歩くことをまじめに検討した時期があります。(でも、こういう扉は、手をドアのおしりで挟まないようにという配慮から、ご丁寧に開けたドアを収納する戸袋がついてます。心張りもかかりゃししないんです。)

ハンディキャップトイレの鍵のトラブルは、一般のトイレに比べると異常に多い気がします。連れと別れて手洗いに入り、連れが用を済ませて戻ってきてもまだ鍵がかからなくてじたばたしてたりすると結構恥ずかしい。二人がかりでようやくカギをかけ、で、どうすんだ、と、中で二人顔を見合わせたりして。

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入ったら、回れなくて。

中で車椅子を一回転させられないとハンディキャップトイレ扱いにならないはずですが、時々、バックで入らないとドアが閉められないこともあります。よーのすけは、立てるため、本格的に椅子から便座へ移動する、ということはないので、これで決定的に困ることはないですが、車椅子が邪魔で動けなくなるということがあります。

ながーいトイレ。

最近では見かけなくなりましたが、こういう長い便座があるのをご存じですか。
長い便器  下半身マヒの人が、向きを変えずにまたがって座ることができる、というものなんですけど。もちろん、普通の便座と同じように、後ろを向いて座ることもできます。よーのすけは、立てますので、後ろ向きで使います(とゆーか、股関節の開きが悪いので、そもそもまたがるという動作ができない。したがって、メリーゴーラウンドなんかもダメ。)。
 このトイレ、それなりに使い方はあるんでしょうが、後ろ向きに座る人には使いにくい以外の何ものでもなくて。座ったときの安定感が悪いので、緊張による排泄障害があったりすると、「ちゃんと出ない(^^;;」こともあります。長いスカートは後ろに落ちてしまうし、車ヒダスカートの制服時代はほんと大変だった(←いつのことだ、おいっ)です。
 和式トイレが優位だったほんの15年前くらい、つまり80年代前半くらいまで、かな、そのころまでは、「身障者のために洋式トイレを付けます」というと、このトイレしか許可されなかったもんで。公共機関のトイレは未だにこれが多い。実際、この形のトイレを使う身体を持った人がアプローチできるような施設だとは思えないような所ほど、そうなっているのだよな。歩ける人たちも、機会があったら、ぜひ利用してみて下さい。
 もちろん、この形でないとできない、という人もいるので、これが減ってきた今の状況を手放しで喜ぶことはできませんけど。一般の洋式トイレにちょっと手すりをつけるとか、選択肢を増やせないかなあ、と思います。

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手すり関連

紙がない!!

済んだところで…

ひえー、流れない!!(元栓が閉まっている)

手を洗って、身繕いをば。

細かいことではありますが...

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どこに作る?−男性用・女性用・共用について

 しばらく前に、ハンディキャップトイレをどこに設けるか、という議論がありました。たしか、男性・女性それぞれのトイレに設置すると、異性間介助のケースで困る、という趣旨だったと思います。どういう訳か、女性が男性を介助するケースしか想定されていなかったのも問題だと思ったけど。
 異性間介助の是非はここでは置いておくとしても、確かに、異性のトイレに入るのは、いくら大義名分があっても嫌なものです。実は、しばらく前まで、古い施設だと、男性用の手洗いの中にしかハンディキャップトイレがない、ということが、結構あって、きわめて不愉快な思いをしました。これ、逆だったら、「痴漢」に他ならない状況ですよね。ハンディキャップの間でも、やはり女性は後回しになるんかいなあ、と思ったことがあります。で、今でもその名残があるらしく、共用のハンディキャップトイレは、男性トイレ寄りに設置してあることが心持ち多いようで、抵抗があります。待っている女友達も居心地が悪そう。また、一般トイレからとんでもなく離れたところに設置してあるケースもあり、これも怖い。(それこそ痴漢に遭いそうで)
 男女共用型の最大の欠点は、一般トイレの外にあるので管理がおろそかになること。どうしても使用頻度が低く、使用状況が清掃者の目に留まらなくなるので。その点一般トイレの中なら、普段目に留まる所なので、あまり荒れないのです。少なくとも、自分たちが排泄行為をする場所に、資材をしまっておく気にはならないですし。実際、公衆トイレは一般に男女別になっているのだから、別になっている方が気分的にもいいはず。快適なトイレという意味では、一般トイレ内の方がいいのです。
 ただ、使える人をできるだけ増やす、という意味では、共用にせざるをえない、ともいえます。つまり、どんな不自由さがあろうと、どんな介助パターンであろうと、対処できるトイレは不可欠なのですから。とすれば、一般トイレのごく近くに並べて設置するようにすべきでしょう。よくトイレは階段の中程に設けてあったりします。階段さえなければ普通のトイレでいいという人は結構いるはずです。むやみな段差は、利用者の幅を狭める行為だということは、意識して欲しいものです。


 やっと見つけて入ったトイレ。何でこうなっているんだよお、という設備が意外に多い。もちろん不自由な場所によって、使い勝手は違うのですが、それでも、一般的な洋式トイレが使える程度のよーのすけが見ても、これなら90点くらいあげてもいいか、と思う設備にはそうそう巡り会えません。
 ハンディキャップトイレを見て、もっとも腹が立つのは、その設備を使う具体的なハンディキャップ像が見えてこないこと。
 例えば、ドアのカギがものすごく小さくて、ちっともかからないのに(高くて手が届かない、なんてのは論外)、水道の取っ手はなんじゃこりゃというくらい大きいレバーが着いていたり、立派な手すりセットがあるのに、車椅子が回転しきれなかったり。洗面台は低いのに、鏡が高い、とか。
 つまり、実際に使う人のイメージを作り手が持っていないということがありありとわかります。こういう水道の蛇口を必要とする手なら、こういうカギは回せないだろう、とか。
 基本的に介助者付きでの使用を前提にしているのだ、と言い切るんなら、(許し難い発言ではあるが)まあ潔いとも言える。と思えば、一部の設備は本格的な障害者仕様だったり。設計した人、設置した人も、ここで用足ししたことがないに違いない、と思うことがとても多い。
 あるだけまし、というのはもちろんですが、それではあまりにももったいないです。トイレマップを作るのなら、こういうこともチェックして書き込んでくれないかなあ。

と、いうわけでハンディキャップトイレ・チェックリスト


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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[MailTo_ocean@mbc.nifty.com]