はじめての車椅子介助・介助者取り扱いマニュアル1

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はじめに−車椅子ユーザーの常識は必ずしも常識にあらず

 本当の車椅子ユーザーに初めて触る人と、ユーザー本人の会話。車椅子ユーザーの常識は、そうじゃない人々にとっては常識に非ず。

「車椅子押す実習したからね。任せとき。」
「それは頼もしい。着いたよ、車から降ろしてちょ。」
「はいよ。」
「はいよ、って、ドアだけ開けてどうすんの。車椅子後ろに積んでるから先に降ろすの。」
「車椅子が先か。それ言ってくれなきゃ。はいよ。」
「畳んだまま降ろしてどうする。開かなきゃ座れない。」
「これでいい?」
「半分しか開いてないやん。ちゃんと椅子のカッコにしなきゃ。…シートの下に手ェ突っ込んでどうする。」
「開くボタンがあるんでしょ。」
「ないない。シートを押すの。力任せに。」
「教えてくれなきゃ。開いた。」
「で、座布団を乗せる。…裏返しに敷かんでくれる?」
「あ、これ面ファスナーで椅子にくっつくわけね。はい。あ、足置き降ろさなきゃ。」
「そこはいいの。乗ってからで。おい、私に押すトコ寄越してどうするのさ。逆だ、逆。」
「だって、こっちを持つ。…あっ、そうか。先に言ってくれなきゃ。」
「それくらいは、予測して欲しい。」
「予測ね。この辺でいいかね。手貸そうか。」
「いや、いい。」
「あ、ちょっと待って。もうひとつ忘れてた。」
「こら。ブレーキ外す奴がいるか。」

 様々なシチュエーションで、実際に言われたことがあるのをまとめてみました。
 車椅子ユーザーの身体状況によって、車椅子の介助操作が大きく異なっていることは言うまでもありません。
 初対面の人に車椅子を押してもらうときは、「そんなのフツー常識でしょ」とか、思わないで、寛大に構えておきたいものです。たとえ、腹の中では「おっかねぇ、何するんじゃい。」と思ったとしても。宇宙人を相手にしてるつもりになったら腹も立たない…かな?


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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[MailTo_ocean@mbc.nifty.com]