ぼやっきいなよーのすけ

玄関[I]  どこまで 過去ログ目次 

最新 | 検索 | 過去ログ | RSS | ADMIN

2012 年 1 月投稿文

< Jan 2012 >

テクニックセミナー行ってきました [車いすや福祉機器]

車いすをいくら漕いでも前に進まない!という夢を見ながら寝ていたもので、思い切り寝坊したにもかかわらず、疲れ果てているよーのすけでございます。悪夢ではなかったけれど、くたびれたことは間違いない。あーあ。

そんな夢を見たのは、たぶん、昨日、こっぱ舎主催の車いすテクニックセミナー・講演「スウェーデンに学ぶ車椅子テクニック」なんぞを聞いたからにちがいない。ほんで、その後、車いすの車載+車いすの駆動効率UPの相談をしたらば「これなんか、折りたたみ式で、駆動効率は固定車のパンテーラと変わりませんぜ。…どーです?」とか言われて、60万円なりのドイツ車に乗っちまったからに違いない。

マニアックなもので、スウェーデンと聞いて思いつくのは、私のバヤイ、「スカンディナヴィア実証主義法学」という妙なもの。ここでその話をしても意味がなですが、実証的=リアリズムの考え方で、法や制度を理解するものです。そんな考え方が、いわゆる高負担・高福祉の北欧で出てきた、ということにも興味があって、「車いすの乗り方をレッスンする、なんていうことが、どう構成されているんだろ、と思いつつ聞いていました。

感じたのは、障害者に特化したプログラム、というわけではなくて、おそらく、全ての国民に開かれた種々のプログラムのうちの一つとして、「車いすテクニックセミナー」というものもあるんだろうな、ということです。公営のスポーツ施設に行けば、テニスでも乗馬でも出来るのと同じ感覚。日本じゃサラリーマンによる土日祝のテニスコート確保なんて絶望的だもん、障害者以前のレベルですわ。数あるプログラムやプロジェクトを、様々な人に対して開く。障害者手帳の有無で、利用者を区別しない、ってことなんでしょうね。西洋的な潮流の中にあるとはいえ、自由とか平等の考え方が、アメリカのそれとは違う気がしてます。

たぶん、人為的に何もしないと、ペレの世界になってしまう、という自然環境の厳しさが、公共的なセクターがマジメに仕事せなあかん、という発想につながるんでしょうね。灰色の荒野と風しかない極寒の世界。

話を聞いていて、本来あるべき姿だなあ、と思ったのか、車いすテクニックセミナーも含めて、障害を持ったときに、装具を含めて自分の「なりたい姿」をイメージできるようにするためのプログラムがちゃんと用意されているところ。意欲までは、支援しようがないけれど、自分に合った装具を選ぶとか、使い方を覚える、とかっていうのは、全くテクニカルな問題ですからね。当たった病院によって、業者によって、担当によって、とてつもなく大きい格差が出る今の日本の状況は、かなりまずい気が以前からしてます。

医療が生活の方まで面倒を見ない、という現状の中では、装具を売るファクター、認可を下ろすファクター、装具を選ぶ(使えるまで面倒を見る)支援をするファクターは、それぞれ独立させるべきだ、と思ってます。更正相談と称して、医者とエンジニアと行政官と業者が集まって相談する(もちろん、表向きは業者はいないんだけどね)、なんていう形式は、やっぱイカンのとちゃうかなあ。相談と言いながら、現実には出入りの業者の情報しかくれないし。

装具作成が、試したり、仕様レッスンを受けることなく一発勝負システムになっているのが最大の問題かもね。

2012-01-08 (Sun) by よーのすけ

300円ショック [車いすや福祉機器]

 相変わらず電動車いすの調子が思わしくなくて、クリニックに通っています。あれやこれややっているんですが、11月末の調整で、

「はづきさん、今までの話を聞いてると、ラテックスが嫌いみたいな気がする。クッションをラテックスで作ったのは何でかしら?」
ちょっと待て。ラテックスって確かゴムだよね?あれって低反発素材だったっけ?ラテックスの利点は?
「ラテックスの利点は、変形しないことですね。だから、むしろ高反発。」

だよね。…ぼよんぼよんするわけだよ。

という、根本的間違いが露呈しました。作った担当者は、確かに発泡スチロールでも沈みそうなでっかい人だったけど。「低反発で作ったから、沈んで安定するはずだったんだ。はづきさんの体重が軽くて沈まないんだ」って言ってたよ。

「全部ウレタンにした方がいいと思うよ。今日は素材を持ってきてないから、とりあえず持ってるウレタンで作っておくね。」

ということで持たされたクッション、これがまた、試してみたはいいけれど、かなり怖い。

「そもそも間違っていた、ということは、作成時の自分のリクエスト通り、低反発素材を載っけちゃえばいいはずだよね。」

ということで、近所の安売り手芸店に行き、買って来ました、4センチ低反発ヌードクッション370円ナリ。試しに作ってくれたクッションを一枚抜いて入れようとしたけれど、がっちり張り合わされていて剥がれなかったので、OXのクッション(そういえば、これも業者が間違えて持ってきたくせに交換を拒否されて、一代前のを使っているから10年ものだ)のに重ねてカバー。これがもう、予想通りの安定感。

それを持って、年末最後のクリニックに行きましたさ。

リハビリセンターのエンジニア氏、「へえ、こんなの手芸店で売ってるんだ。ちなみにいくら? 300円。えっ、300円!?」「…ちょっとちょっと、はづきさんが手芸店でこんなクッション作ってきましたよ。」と、担当の業者を呼ぶエンジニア氏。

「ああ、いい低反発ですね。高かったでしょう。えっ、300円!?レジで二桁打ち間違えてない? レジのお姉さんを脅してない?」…してませんてば。

きょうび、低反発クッションなんざ、スーパーで、すてきなカバー付きで780円ですってば。試しに使うのに、そんな高いモン使うわけないじゃん。ってか、知らなかったわけ?そんな経済感覚じゃ、福祉用具高いわけだよ。

「ねえねえ、この低反発いくらだと思う?300円…。」担当外業者にまで披露してしまうエンジニア氏。300円…300円…と、300円がさざ波のように車いす相談クリニックを駆けめぐる…。

中のひとりの業者氏が曰く。

「そういえば、前、クッションカバーこれにして、ってホントにぴったりのカバー出されて。どこで買ったの、って聞いたら300円ショップだ、って言われて。うちら、300円じゃできませんもんね。さすがに面ファスナーまでは付いてませんでしたけど。」

そだね。それに100均で、面ファスナー2本と強力接着剤買って貼り付けたら、クルマ毎日乗り降りで1日4回とか剥がしたりしない使い方ならじゅうぶん持つよ。

こんなに評判になるとは思わなかった、370円のヌードクッションでした。

ちなみに、低反発ヌードクッションは、大型手芸店ほか、ホームセンターで購入できます。カバー付きはスーパーか量販系家具屋でどうぞ。

2012-01-12 (Thu) by よーのすけ

< PREV | NEXT >


車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[Mail_ocean@mbc.nifty.com]