あまりにもしょーもない
「ハンディキャップトイレ・エピソード」

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エピソード

その1:火の気のないところと思いきや

 某大学図書館に通い詰めていた頃のこと。およそ大学図書館なんてのは、燃える貴重品ばかり所蔵しているところですから、全館禁煙は当たり前です。
 その図書館も、なせか学生食堂とその厨房が同居していたとはいえ、防火扉で仕切られ、火の気は厳禁。煙草は外の喫煙所で吸うことになってました。
 さて、ここには一カ所だけハンディキャップトイレが設置されていました。よーのすけは、日に何度もそこを使っていたのですが、そんなある日、トイレに大きな「焼け焦げ」を発見したんです。そして、周囲に散った煙草の灰。吸い殻をトイレに流そうとしてしくじり、慌てて払った後がありあり。時々、なんか煙臭いな、ということがあったんですが、その犯人はこれか。
 あるとき、ちょうど昼休みが終わる時間に、手洗いを使おうとしたところ、中から初老の図書館職員が出て来ました。昼休みでトイレ、混んでるのかな、と、ドアを開けたところ、中から煙がもくもく。うわ、トイレに隠れて煙草吸っていたの、あんたかい。中学生じゃあるまいし。とゆーか、そういうことするの、学生だとばかり思っていた。
 最近、全館禁煙なんていう建物が増えてきましたが、そういうところのハンディキャップトイレって、結構煙草の痕跡あるんですよね。あと、中から妙齢の女性が出て来たら、たいてい後には煙草がもくもくしてます。
 トイレに隠れて煙草を吸うのは、不良のコドモだけではないようです。それとも、彼らが実は不良のコドモなのか。

その2:便所なんかで泣くなってば…

 気分転換をかねて、トイレに出たよーのすけ、先客がいたので、仕方なく引き返してきました。ドアの外で待つのも催促するようで悪いですし、どうせトイレの隣の部屋で仕事していましたので。この日は、一般のトイレに手すりを付けただけのお手洗い利用です。先客は身障者ではなさそうだったので、10分ありゃ出るよね、と様子を見に行くと、まだ使用中になってます。具合でも悪いのかな、倒れたりしてなきゃいいが、と気配を伺うと、がさがさ動く音がする。ふーん、と部屋に戻るものの、そろそろこっちの具合が危なくなってきた。しばらくすると、水を流す音が聞こえてきたので、よっしゃ、とトイレに出向くと、出てこない。いくら待っても出てこない。時折、トイレットペーパーを使う音がするので、もう出るか、と期待するのですが、出てこない。
 こうなると、半ば意地になってきまして、我慢して待つこと40分、ようやくドアが開き、人が出て来ました。目を真っ赤に泣きはらして。一応気ィ使いのよーのすけ、普段なら、「今来ました」みたいなのを装うんですが、このときばかりは、その顔をじろじろ見て、待ってましたとばかりに横をすり抜けトイレに飛び込んだのでした。さすがに腹が立った。
 ドラマでは、洋式トイレのふたに腰掛けて泣く人結構いるけれど。洋式しかないところならともかく、そういうのはバリアフリーでない和式トイレでやってほしいわ、ほんまに。さぞかし絵にならないだろうけど。

 後日談。数週間後、知らない人に会釈され、はて、誰だっけ、と思いつつ挨拶した。それは、このトイレの泣き虫さんであった。

その3:ひぃ、ふぅ、みぃ、よぅ… 4人!!

 高速道路のレストハウスのハンディキャップトイレで順番待ちをしていました。ハンディキャップトイレを使う人は、比較的、用足しに時間がかかる人ばかりです。だから、使われていたら、出てくるまでに時間がかかるのは当たり前。気長に待ちましょう。
 がらっと扉が開いて、姿を現したのは、中年のご婦人、ご婦人、ご婦人… えっ、次々出てくる中年のご婦人。しめて4人。…いったいなんなんだ。よーのすけの顔を見るなり、そそくさと逃げていく。
 休日の夕方で、トイレ大渋滞だったんですよね。特に女性は男性に比べて用足しに時間がかかるので、行列がものすごい。それで、バスの休憩時間に間に合わなくなりそうになって、入ったらしい。と、ここまではいいのよ。
 なぜにみんなで一緒に入る? トイレ介助って、車椅子ユーザーには、もーれつデリケートな問題で、何とか一人で用足しすべく日夜奮闘してるというのに。思わず情景想像しちゃって、ぞわっとしました。4人というのは1度だけだけど、2,3人のご婦人が、あたりを伺いながら、ぞろぞろ入っていくのは、うしろ目に何度か目撃したことがあります。なんで、一緒に中に入るかなあ。
 待ちに待って本来のユーザーが出てくると、ご苦労さんでございます〜、と思うけど、こういうので待たされると釈然としないよね。高速道路のレストハウスのトイレって、ハンディキャップトイレしか使えないユーザーにとっては、旅行中の頼みの綱だったりしますしね。
 しかし、人間、見栄ですねえ。最近、レストハウスのハンディキャップトイレは、一般トイレ内部に設置されているけれど、こういうトイレだと、どんな混み方していても、ぞろぞろ入ってはきませんもんね。入るにしても、一人で入っていきます。


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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[Mail_ocean@mbc.nifty.com]