交通バリアフリー法が施行されて15年が経ち、さすがにここまであやしいトイレにはお目にかからなくなりました。その代わり、一見それとはわからないが、よく考えてみると、「ありゃりゃりゃりゃ。」になるトイレに出くわすようになりました。
ユーザーサイドからすれば、ぱっと見て、「げっ」と思わないもんで、入って使って、いざ、ってところでドツボにはまるので、よりやばいというか…。で、ぱっと見てわからない巧妙なワナなので、なぜドツボにはまるのかを、一般人に説明するのに困難を極めるという意味で、より悪質というか…。
「悪い、とは言わないけど、「車いすユーザーが使うと残念な結果が起きそうなトイレ」たちをご紹介します。
いきなり上級編が来ました。写真だとレンズの関係でわかりづらいです。一見すごく広い。
上から見るとこんな感じ。これてもわからない人にはわからないかもしれません。車いすのサイズを、便器サイズから推測して、考えてみてください。
ドアを開けてすぐのスペースが狭くて車いすで回転できないのです。入ってしまうと、開閉ボタンには手が届きません。
そこで、便器の向こう側へ回って方向転換して閉めに戻るわけですが、ちょうど部屋がくびれているところに手すりが伸びていて、ギリギリ通れるかどうかの隙間。手すりは跳ね上げられるので、跳ね上げればかなり広くはなりますが、上げたら戻さないとつかまれないし。ドア閉めたところで、やっぱり回転は出来ないので、後ろ向きのまま広いところへ移動します。後ろ向きのまま、手すり降ろせるかどうか。
済んだあと、手を洗うのに、実は洗面器に手が届きません。しかも、洗面台にこの向きで車いすはめ込むと、やっぱりドアが開かないので、バックで広いところまで行って切り返す。
ガイドヘルパー曰く、「これだけ広ければ、2人介助は楽々出来ますけどね。手すりはヘルパーが跳ね上げとけばいいんですし。でもひとりで使うのは面倒そうですね。」
なにも、この一番狭いトコに、こっちゃり洗面台と便器を詰め込まなくてもいいものを。
ここは、幼児用のおトイレコーナーもあり、一般トイレも全部この色調とこのノリで統一されてます。
洗面台くっつけて設置しちゃったので、開かない。(その上、おむつ用ダストボックス詰めちゃってるし。)
「壁が邪魔で、横開きだと開かないので、跳ね上げ式の稼動にしてみました。」
いや、そういう問題じゃなくて。開かないことに気がついたのは褒めてあげたいけど。
上と同じ発想です。事実上、手すりが壁にくっついているのと同じ状態。(惜しいねえ。もうちょっと頭を働かせれば。)
なんでこういうことになっちゃったんだ。しかも縦型手すりが後ろに来すぎてて、掴まるとブリッジ状態に。
「可動式手すり」というものが、なぜ可動式になっているかといえば、手すりをどけて、車いすを便器と平行にくっつけて移乗したり、2人介助のとき、1人が斜め後方に立って、後ろから抱き上げて移乗するからで。手すりが動きゃいい、ってもんじゃないのよ。
跳ね上げ式手すりが出来たって段階で、すでにそこのところがアヤシイ。
よーのすけみたいに、立位を取ってから移乗する場合は、むしろ動いてくれない方がいいくらいですが。最近、受けに乗っかってるだけで固定されない仕組みの可動式手すりが多くてさ。しがみつき型のアテトーゼとしては困るんだ。コスト削減にもほどかあるわあ。
努力のあとは認めるけどねえ。
引っ張りやすいように鎖を付けても、しょせんは便器の向こう側。背伸びしないと手が届かない。
レバー付き水洗タンクは、右付き左付き両方あるのに、よりによって、壁側付きを選んじゃったのね。
後付けならではの微妙な段差。若干キャストアップが出来ればどうということのない高さだが、簡易電動クラスだと上がらない。
キャストアップ出来ればどうということのない高さだが、ドアが開放ロックされず、ドアを片手で押さえながらのキャストアップとなるとどうかな?
写真わかりにくいですが。扉の開閉が赤外線。
入口すぐ近くに便器があって、介助者が前に立って介助すると、おしりにセンサーが働いてドアが開く。