中越地震についての情報提供をお願いいたします。

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 当サイトとしては異例のお願いですが、10月23日の夕方以降数日間にわたって起きた新潟中部地震についての情報提供をお願いいたします。

 家主である私、よーのすけが属している当事者団体では、今回の中越地震の中で、「障害者」たちの生活がどのようになっているかについて、非常に高い関心を持っています。地震そのものについての被害などは、新聞、テレビなどのメディアを通じて大きく報道されています。しかしながら、日常の生活においてさえ、様々な困難をかかえ、災害時にはいわゆる「災害弱者」として、より生命の危険にさらされ、災害後の復旧が始まってもなおしばしばそうした危険が持続すると思われる「障害者」たちについての情報は、ほとんど流れてこないのです。

 被災地の現場では、現実への対応に追われるばかりで、そうした情報を公開する余裕などないというのが実情だと思います。様々な障害者団体等ののサイトを閲覧しても、被災直後は被害報告や支援要請等がなされていましたが、その後の報告は途絶えています。

 しかもそうした報告は、ほとんどが施設や作業所、病院などの視察報告であり、地域で暮らす在宅の障害者たちが、大きな地震の中でどのように避難し、また、大きな余震が続く中でどのような避難生活を送っているのか、ということについては、ほとんど情報が伝わってきません。視覚や聴覚など、一部の障害者については、いくつかのサイトで情報支援が行われ、その中で状況を垣間見ることが出来ます。しかし、食事や排泄といった、生命活動そのものが即座に脅かされることが予想される四肢に障害を抱えた人々についての情報が入ってこないのです。避難場所のトイレ・風呂が使えない、お弁当にお箸とスプーンだけ支給されて放っておかれた、等の断片的な話は伝わってきますが、まとまった確たる情報が全く出てきていない、というのが実情です。そして、そこにこそ、障害者たちが「災害弱者」となる大きな要因があります。つまり、災害時に「逃げ遅れる」だけでなく、避難生活が送れなくなるのです。

 実際に、我が身に置き換えてみても、こうした災害時にどういう対応が出来るのかどうか非常に心許ない。たとえば、よーのすけの住む地域では、避難場所は近所の児童館、そして広域避難場所はこれまた近くの高校となってます。児童館は、つい2年ほど前に自治会館と統合して建て替えたばかりですので、多目的トイレがあり、一度外に出れば2階にもアクセスは出来ます。また、高校の方は、かつて通っていた学校ですので、トイレだけは使えるはず。とはいえ、エレベータもスロープもないですし、トイレといっても女子トイレに洋式トイレが一部屋あるだけですから、完全車いすユーザーでは生活できません。児童館だって建て替える前は洋式トイレさえなく、玄関は選挙で行くたびに抱え上げられていたのですから。そんななかで、避難所で生活が送れないとすれば、たとえ危険であっても自宅を離れることは出来ず、危険な自宅で避難生活を耐えるしかないと思われます。長期の避難が続く中、そうした障害者たちは、施設入所を余儀なくされてしまうのでしょうか。緊急避難という意味でそうした入所はやむを得ないとしても、施設は、災害時に急増したそうした障害者たちを受け入れることが出来るのでしょうか。

 この意味で、災害を視野に入れて地域を見てみると、障害者たちが、地域での安定した日常を送ることが出来る、という環境を作ることこそ、災害時にも比較的強い地域作りにつながる、ということがわかります。よーのすけの属している当事者団体は、首都圏の大都市にあり、何かあるとものすごい危険が予想されますので、これを機に、シンポジウムを開くとともに何らかの提言を出したいと思っているのですが、なにぶん情報がありませんで。だからといって、重度障害者の我々が視察に行ったら、現地は迷惑なことこの上ないですもんね。

 というわけで、非常に異例なお願いなのですが、障害を持つ「当事者」の立場で、中越地震の情報をお持ちの方、または、そうした情報をお持ちの方を知っている、という方がおられましたら、メールをくださるか、けいじばんへ書き込みをお願いします。「よーのすけ」ではなく、オフラインの顔で、お話を伺いに行くことになるかもしれません。

 オフとオンが交錯するこのような企劃はなにぶん初めてで、当サイトでどの程度のフィードバックが可能かわからず、非常に心苦しいのですが、どうかよろしくお願いいたします。

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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[MailTo_ocean@mbc.nifty.com]