駐車大問題

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運転席の横、空けて下さい

 心からのお願い。明らかに、車椅子利用者が運転手の車の場合、運転席側を空けて下さい。車椅子利用者のドライバーは、思った以上に多いのですから。ショッピングモールなどは、ブースが比較的広いので、少し寄せ気味にして止めると車椅子が出せることがあります。そういう車の横に止める人は、「わーい、広いや」とか思って、わざわざ寄せて止めないで、自分のブースの真ん中にちゃんと止めて下さい。そうすれば問題ないですので。というか、そういうときしか止めないから。これは、ベビーカーを積む場合でも同じでしょうな。

車椅子マークの駐車スペース

 車椅子マークの駐車スペース、ショッピングモールなどに最近増えてきましたね。よーのすけもよく利用します。駐車スペースの両側に広く隙間が空けてある、あのスペースです。

 あのスペース、どうしてあんなに両側に広くスペースを空けてあるかと言いますと、車イスを横付けするスペースが必要だからです。運転者が車椅子ユーザーの場合は運転席側、助手席に車椅子ユーザーが乗っている場合は助手席側のスペースが必要になります。そしたら、片側分だけ空けて、どっちかに応じて寄せればいいじゃないか、って? 侮ってはいけません。両方とも車椅子ユーザーが乗ってます、というケースもあります。

車椅子マーク駐車スペースの利用者って?

 さて、この駐車スペース、しばしば「何でもなさそうな人が停めている」という非難がされます。一般に、「車椅子マーク=障害者」というイメージがありますよね。そうなると、「健常者」は停めちゃいけない。だから、停める人がいたら注意すべきだ。しかし、一見外からは見えない障害もある。健常者は障害者というと車イスしか考えない云々…となるわけです。でも、この議論、よーのすけに言わせればとんでもなくずっこけてます。よーのすけに言わせれば、「障害があろうとなかろうと、一見何でもない人は、あのスペース使わないでくれ」です。

よーのすけのジレンマ

 あのスペース利用、よーのすけが利用する時には、あるジレンマがあります。

 単独で利用する時には、特段のジレンマはございません。堂々と広いスペースに乗り入れて、ど真ん中に停めます。

 かなり悩むのは、同乗者がいるときです。悩むんですよね、本気で。よーのすけ、車から外に出るくらいは伝い歩きできます。健常な同乗者なら、よっぽど不器用な人でなければ、通常の駐車スペースの隙間があれば、車イスを出すことが出来ます。車椅子マーク駐車スペースが、無数に空いてれば悩みませんが、1台分しか空いていない、というとき、そこに入れるかどうか、本当に悩みます。よーのすけは、ほかのところでも使えるわけです。でも、そこしか使えない人が来るかもしれない。だったらそこは空けておいてあげた方がいいんじゃないか。でも、ほかを回っても空きがないかもしれない。これだけ混んでいると、何でもない人が停めてしまって、せっかくの気遣いが無駄になるかもしれない。だったら、一応ホンモノの車椅子ユーザーが停めてる方がマシか…と、ぐるぐる逡巡いたします。

 比較的空いている駐車場でも、車椅子マーク駐車スペースが1台分しかないと悩みます。いつも空いていると、「なーんだ、どうせ使う人なんていないんじゃん」とか思われて、関係ない人に停められてしまうようになると困るから、PR兼ねて停めとくか、と思う反面、自分が停めた後、そこしか使えないユーザーさんが入ってくると困るだろうしなあ、と、これまたぐるぐる逡巡。実にストレスが溜まります。

 どうしてこんなに悩むかと言いますと、よーのすけ自身、よく経験するからなんです。単独で駐車スペースを利用しようとして、埋まってて困る状況。単独ゆえ、車椅子マーク駐車スペースしか利用できず、困ったな、と、思っていると、一見何でもない人がそこに停めた車に乗り込む。一般駐車スペース十分に空いてるんだから、そっちに停めてくれよ、と何度思ったことか。車椅子マーク駐車スペースだけが埋まってて、仕方なく、一般駐車スペースの広めのところを探して停め、狭いところで車イス出すのに苦労していると、車椅子マーク駐車スペースに現れたのは、当地域の身体障害者協会のろう障害を持つ会長だった、てなこともありました。「すまんね」の一言もなく入会を勧誘され、こんなデリカシーのないトコなんかぜってえ入るもんか、と思いましたよ。車椅子マーク駐車スペースに停めていたら、車イスを降ろす隙間に、車椅子マークを付けた車に入り込まれて車イス積めなくなったり(これだけぴったりくっつけて車の乗り降りに困らないんなら、3台隣の一般駐車スペース使ってよ)、「障害者」同士のバッティングで困ることって意外に多いんです。

 「障害者」だから車椅子マーク駐車スペースに停めるんだ、じゃなくて、この巨大なスペースが必要なのはどういう人なのか、というイマジネーションが何で膨らまないんだろう、と、いつも思います。盲やろうの人は、「障害者」かもしれないけれど、あんな巨大な駐車スペースはいらないわけで。まあ、入り口に近い方が、という利点はあるけれども、その利点は「このスペースしか使えない」人を押しのけてまで主張できるものかどうか。逆に、健常者であっても、ベビーカーなどで、広いスペースがないと乗れない、とか、年寄りで不器用なのでドアをめいっぱい開けないと乗り降りできない、という人もいるでしょう。おなか痛くてとりあえずどこでもいいから停められるところに至急停めたい人もいるでしょう。また、巨大なスペースはいらないけど、どうしても近くでないと身動きがとれなくて、という人もいるかもしれません。建物の構造上、車いすマークの駐車スペース以外はとんでもないところにある、というケースもありますからね。

 「障害者」なんていうものを数十年やってきまして、よーのすけ自身が「健常者」との違いの一つだと思うのは、「他の身体のことをイメージできる。しようと努めてしまう」ということです。「自分がこれをこう使ったら、こういう身体の他の人が困るかもしれない。だけど自分はこう使うしかないし。うーん、困った。」想像力が豊かすぎるのか、単なる心配性なのか。

 こんな心配しなくてすむほどバリアフリー・ノーマリゼーションが進んでくれれば、よーのすけ、とっても気楽に生活できるんですけどネ,

三角コーンのナゾ

 車椅子マーク駐車スペースで、なんとも不思議なのは、そのスペースの前に置かれた「通せん棒」。三角コーンがおいてある場合、「毎度ご迷惑をおかけしております」の工事現場でおなじみ、二つの三角コーンの間にバーを渡してある場合、それが二重三重に巡らしてある場合…。といろいろあります。
 みなさんは、どうしてますか。よーのすけは、通行人に頼むか、いない場合には、車で柵を押し倒して入ってしまいます。柵するしか能がない方が悪いんだもんね。もっとも、車を買い換えて以降、車にまだあまり傷がないのでそういう荒技はしたくない。

 一般車が駐車しないように、という配慮だというのはわかるんですが、これ、車椅子ドライバーの場合、どうするんだろ、とか考えないのかなあ。
 よーのすけの場合、謙虚ですから(?!)、とおせんぼをどけてくれるような同行者がいる場合は、普通のところに止めます。なるべく一人で来る人のために空けておきたいから。一人の場合こそ、車椅子を出すスペースがたくさんいりますからね。つまり、とおせんぼをどけられない場合こそ、通せんぼされた駐車スペースを使いたい、ということになります。
 これは、そこに止めない、というモラルの問題だけではすみません。物理的に止めにくくすると、本当にそこしか使えない人が排除されます。安易にフタをすればいいや、というのではなく、心理的に止めにくく、物理的には何の障壁にもならない、という方法を考えたいですね。

駐車禁止除外指定車

障害者が運転ないし同乗するに対して設定されます。警察で交付されます。B6のカード状のものでフロントに見えるように置いておきます。身体障害者手帳さえ持っていれば指定自体は比較的簡単になされる模様です(どうしてアンタが、という人が持っていたりする)。用途は、通勤・通学・通院だけにしてくださいよ、と言われます。 しかし、実際問題として、人間は、医者と仕事だけで生活できるわけではありません。事実上ほかに移動手段が禁じられていますので、「金に糸目はつけねえぜ。」と、全てタクシー利用するのでない限り、様々な場面で使うことになります。
とはいいましても、車いすユーザーが、車いすの積み降ろしを自分で行うに際しては、それなりの「足場」というものが必要になりますので、単独移動の場合には、意外に使える機会がなかったりします。

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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[Mail_ocean@mbc.nifty.com]