よーのすけの免許取得記

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ねえ、障害がある人ってさ、免許とるのになんか資格がいるんじゃないのん?

 これ、よーのすけの母親が、口にした素朴な疑問。普段のめちゃくちゃな不随意運動をまのあたりにしているから、当然な疑問とも言えますが、しかし、資格を取るために教習を受けるんでないのかい。
 今なら、親の心配もわかりますが、わーい、免許だ免許だ、と免許とることを疑いもしなかったよーのすけの不安は、むしろ、どうやって車椅子を車に積むか、とか、免許以外のことばかりでした。とにかく心配だし、どうせなにもわからないので問い合わせたところ、まずははるか遠くの神奈川県立七沢リハビリセンターへ引っ張って行かれることになりました。
 結果的に言えば、条件は3kgのステアリング(ハンドル)を回せればOK。入り口で制限したがる日本型システムとしては、驚くほどの間口の広さ。

 それが、パワステなしの車に耐えられる腕力なんだそうですが。万一パワステが切れたことを想定すると言ってましたが。しかし、そんな事故、聞いたことないぞ。今でもその検査、やってるのかしらん。

 ちょうど、リハビリセンターに入所している人で、同じテストを受ける人がいるということで、理学療法士さんが付き添うので、一緒に、ということになりました。
 結果的に、付いてきてもらって、よかったです。左回りは十分だったのですが、右が足りなかったのです。それが、療法士さんのアドバイスで、握りの位置を変えたら、できてしまったのです。専門家の経験は、重要ですねえ

教習所を探す

 これが、大変だったんだ。対応している教習所のうち、比較的近かったのが、車で40分ほどのところが横浜と横須賀に二つ。うち、横浜なんて車で送るの怖くて行けないよ、という母の意見と、横須賀の方は自宅の前に停まるスクールバスが何便かある、ということで。後者にしました。片道40分もの距離を送り迎えするのは気が引けたので、スクールバスを利用できれば、と思ったわけです。

教習所では

教習所も車椅子対応とはいえ、狭くて車椅子では動きがとれないので、久しぶりに、高校まで使っていた手押し車を引っぱり出しました。特に文句も言われず、スクールバスにも乗せてもらえました。
 だけど、行動パターンを確立するまでが、大変したね。細かいことは忘れましたが、トイレにせよ、教室移動にせよ、間に合わせのがそのまま生きてるわけですから。教習は、予想通り、規定の「倍」で済みましたが、教習が始まると同時に、大学の新学期が始まってしまい、夕方乗る羽目になったりしました。自慢じゃないですが、検定は、全て、70点ぎりぎりで、一回で通ってます。

運転試験場

 試験はマークシートですが、よーのすけは、脳性マヒらしく、マークシートを塗るのが苦手です。でも、大丈夫でした。別室で試験を受けると、シートに適当な印を付けると、試験官が目の前で確認しながら塗り直してくれます。

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車椅子で彷徨えば扉
Yoonosuke Hazuki[Mail_ocean@mbc.nifty.com]